文化庁が実施した2023年度の国語世論調査で、6割の人がひと月に1冊も本を読まないことが明らかになった。単純計算で、6000万人の日本人が本を読まないということになる。本を読む人より読まない人の方がこの国のマジョリティになってしまった。これは国家存亡の危機である。 読書は、なぜ大事なのか。 本を読むことは、知識を深め、情報を得るためだけのものではない。読書の最大の効用は、文章を書く技術を身に着けられることにある。赤ちゃんが日本語を話すのはまず耳から日本語を習得するからだ。同様に、日本語を書くには、目で日本語を習得しなければならない。そのために、読書は不可欠だ。 日本語を書くというのは、記録する…