1888年7月15日――福島の名峰が牙をむく 福島県の磐梯山は、美しい風景と穏やかな山容から「会津富士」とも呼ばれ、古くから人々に親しまれてきました。しかし、1888年7月15日、その磐梯山が突如として大噴火を起こし、周辺の村々を壊滅させる未曾有の災害となりました。 「午前7時半ごろ、地鳴りとともに大きな揺れが走った。次の瞬間、轟音とともに山の一部が崩れ落ちた。」 通常の噴火とは異なり、この時の磐梯山噴火は水蒸気爆発が引き金となりました。山の北側が大規模に崩壊し、瞬く間に周囲の村を飲み込んでいきました。 山体崩壊と壊滅した村々 この噴火による山体崩壊は、約13億立方メートルもの岩石や土砂を噴き…