">🕊 Episode 3:選べなかった道 "> ノートを閉じたあとも、わたしの心には「あの絵」が静かに残っていた。 あの頃の自分に、今やっと声をかけられた気がして、少しだけ誇らしかった。 でも同時に、もうひとつの気持ちが湧いてきた。 ――「わたしは、あれから何かを選べてきたんだろうか?」 水曜日の帰り道、ふと寄った書店で、昔憧れていたイラストレーターの新刊が目にとまった。 ページをめくる手が震える。 気づけば、“なりたかった自分”に触れてしまった。 「やってみたい」と思っていたことが、いくつもあったはずだった。 でも、そのほとんどを「向いてない」「そんな時間ない」と心の奥にしまってきた。 ノ…