前回の記事を書いた後、本書に関連して、他にも書きたいことがあったのを思い出した。上手くまとめようとしているわけではないが、何となく「書き足りなさ感」が自分の中にあったのだ。 それはリック・ウェイクマンとの出会いを書いたところだ(P276)。『メロディー・メーカー』誌の表紙に載ったウェイクマンの写真のキャプションに「キース・エマーソンもこの男の演奏を聴きに足を運んだ」とあったが、エマーソン自身にはそのような意識はなく、ウェイクマンの演奏を聴いてはいなかった。つまりこのキャプションは、エマーソンに数年遅れてデビューしたウェイクマンに注目を集めさせるための仕掛けだったようなのだ。ウェイクマンはそれに…