よく晴れた日の秋晴れは、犬が死んだ日のことを思い出す。朝、多分最も美しい朝の時間に彼は旅立った。その日は雲ひとつない晴天で、きっと迷うことなく天国に行けるだろうと思えるような日だった。わたしも、死ぬ日を選べるならあんな日がいい。君は本当に、いい日を選んだ。11月1日、ワンがゾロ目で3つ並ぶ日。 わたしが9歳の頃から、彼はわたしの毎日の中にいた。彼はわたしの進学を全て見届け、就職した年にこの世を去った。亡くなる半月前、もう見えていないはずの真っ白い目でじっとわたしを見つめてきた時間のことを、今でも忘れられないでいる。その頃はまだ散歩ができて、彼がもうじき死んでしまうところにいるなんて、わたしには…