※本記事は、ミネルヴァ書房『福祉心理学』(渡部純夫・本郷一夫 著)をもとに学習・要約したものです。家庭内暴力(DV)の構造と心理支援の必要性について、初学者にも分かりやすく整理しています。 ■ DVは“家庭内の問題”ではない──支援の視点へ 「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」とは言いますが、家庭内の暴力(ドメスティック・バイオレンス:DV)は、もはや個人の問題ではありません。暴力の継続が身体・精神に与えるダメージ、子どもへの影響、そして社会的孤立。こうした問題は公共の支援を要する深刻な課題です。 DVは、単なる「口論」ではなく、次のような特徴をもつ**“支配の構造”**です: 殴る・蹴るなどの身体的暴力…