→ドヴォルザークを見よ。
ドヴォラックとも。英字キーボードの配列の一種。
日本ではあまり有名ではないが、英語圏では30%ほどのシェアを誇っていると言われている*1。
現在デファクトスタンダードとなっているQWERTY配列より、3割程度高速に打つことが出来、疲労も少ないとされており、英文1080文字/分というギネス記録を持つBarbara BlackburnさんもDvorak配列の使用者として知られている。
Dvorak配列を語る際に良く引き合いに出される「Qwerty英字配列はわざと打ちづらい配置になっている」という話については異説も存在する。詳しくはQWERTY配列に対する誤解(yasuokaの日記より)を参照のこと。
Dvorak配列は元々英字をタイプするために作られた配列のために、日本語入力時の事は考えられておらず、打キーの割合が英字ではそれぞれ半分ほどなのに対し、日本語入力時(ローマ字入力)の時には不器用な左手を酷使する*2結果となる。何故ならばDvorak配列では左手には母音が、右手には子音が割り当てられており、日本語の場合どうしても「ん」を入力するとき以外では母音を入力する必要があるからだ。故に左に七割、右に三割という打キーの不均衡が起きるようになる。
そうした問題を解決し、左右での打鍵数の均衡を取るために、拗音拡張・二重母音拡張・撥音拡張などの省入力機構を組み込んだ数々の日本語入力用拡張Dvorak配列が考え出されている。
*1:伝聞ではない実際の調査結果を見つけましたら、原典としての提示をお願いいたします。
*2:ACTの論文においては、拡張規則の導入度合いによって左右の負荷が変動することを明確に示しているため、利用者が自身にとって合う導入度合いを選択するための指針として役立つ。また、「左手を酷使しない」入力法に関する追求は、ほかの日本語入力法においても行われつつある。たとえば2000年に設計開始された「飛鳥カナ配列」では、左手について打鍵範囲&打鍵数の両方を減らした入力法の必要性を配列として表現し、また負荷を左右反転させた配列も同時に必要であるという見解を示した。この考え方は後の入力法でも生かされていて、「左右均衡に近い負荷をもつ配列」とか「右利き向けの配列」とかいう形で負荷の度合いを表現する例も増えている。2000年以前には利き手(≒器用に動くほうの手)とけん盤配列の関係について考慮する配列ばかりではない状態が続いていたが、近年ではこういった問題についてもまじめに表現することが主流となりつつある。