新年度にあたり、資本主義と日本企業の現在地を考え直してみた。かつてフィリップ・マーロウは「男はタフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている意味がない」との名セリフを吐いた。これを企業に当てはめると、 ・タフ 利益を上げ、株主価値を増やし、もちろん配当する ・優しい 社会に対する責任、例えばESG、SDGs、DEIなどを推進 と言えそうだ。世界経済は、21世紀には米国型株主資本主義で動いてきた。タフさが企業価値だったが、優しさも求められてきた。これら3文字目標を掲げ、実行している企業の株は「買い」だと証券会社から言われたこともある。ところが、日本企業の場合、これら3文字目標への取り組み…