F-16 Fighting Falcon
アメリカの軽戦闘機。
もともとはアメリカ国防省がはじめたLWFから派生した。
ベトナム戦争の戦訓から作り上げたF-15があまりにも高価になったため、アメリカ空軍では低価格の軽量戦闘機に最新技術を施すとどの程度のものになるか実験してみることにした。これがLWF( Light Weight Fighter )計画である。薄い要求仕様が出されたのは1972年でF-15の初飛行直後である。LWFには単発ターボファンエンジンを擁するジェネラルダイナミックスのYF-16と双発ターボジェットエンジンを使用するノースロップのYF-17が選定された。YF-16は1973年12月にはロールアウトし、翌2月には初飛行している。
しかしながら国防費のあまりの上昇に業を煮やした議会はLWFの結果がよいのを見て、これを採用し国防コストの低減を図るべきだと頑強に主張した。F-15を多数配備したかった国防総省は抵抗したが、結局押し切られた。実験的な意味があったLWFは実用戦闘機を目指すACF( Air Combat Fighter )に転換され、あらためてYF-16とYF-17に火気管制装置などを搭載して評価が行われた。1975年1月、この競争試作に勝利したYF-16は晴れて正式名F-16を手に入れた。正式ニックネームは当初Falconだったが、フランス製のビジネスジェットの商標(?)だったため、Fighting Falconになった。
もともと技術的な挑戦の意味の強かったLWFの血のおかげで、F-16は個性的な外観を持っている。
こういった外観に加え、内部の設計もLWFの本来の思想にしたがって軽戦闘機の弱点を積極的にコンピュータ技術で埋める方針が貫かれている。
こういった積極的な策により推力重量比や翼面過重で勝るF-15と同等の格闘戦闘能力を得ることができた。F-16は比較的低価格で信頼性も高く、非戦時としては空前の規模で各国に配備された。
イスラエルによるイラク原子力発電所に対する攻撃作戦が有名。このときはF-15の護衛のもと、低空侵攻したF-16が建設中の原子力発電所に対してピンポイント爆撃を敢行、成功した。