氏のデビュー作品だという、『遠い山なみの光』を昨日読み終えた。予備知識がまったくなかったわけではない。実は、映画を見たいと思っていた。広瀬すずが昭和の女性を演じるという理由で。(Netflixで公開された『阿修羅のごとく』の広瀬すずがよすぎて大好きになった) しかし、そんな事前の知識があったとしても難解な小説だった。読みはじめの数ページに感じた違和感は、翻訳によくあるもののような気もしたが、決して「イヤ」な感じではなく新鮮にさえ感じられた。そう最初のうちは。 話が進むにつれて、頭のなかには無数の???が浮かび、絡み、衝突し合い、状況をうまく飲み込めないまま話はつづいていく。ぼくの感情もなにも置…