MAK127

12月8日は、夜間に東京で見られるものとしては2002年3月20日以来*1、実に22年ぶりとなる土星食がありました。幸い、ここしばらくは冬型の気圧配置が続く予想で天気もバッチリ……と思っていたのですが、前日は日没ごろに通り雨があったりしてちょっと不安……。 が、それを吹き飛ばすように、8日は朝から快晴。日が傾いてきても雲が湧いてくる気配はありません。なので、安心していつもの公園で機材を展開しました。 この日のメイン機材はEdgeHD800＋ASI290MC。以前、月面のモザイク撮影を行った際に使用した組み合わせです。 画角的にもちょうどいい感じ。 冬型の気圧配置のせいで風が強く、この拡大率の高…

半年ほど前の話になりますが、今年の5月から白色光ですが太陽の撮影を始めていました。特に記事にしていませんでしたが、最近久々に撮影しようとしたら機材構成を忘れていたので、忘備録として記事にしておこうと思います。 なお、太陽の撮影には危険が伴います。失明や火傷、機材破損などの事故が起きぬよう、十分に注意して実施してください。本文中には好ましくない事例もありますので、参考にして下さい。 4月以前の太陽撮影 本題に入る前に、4月以前の太陽撮影についても少し触れておきます。 太陽の撮影には太陽光を十分に減光する必要があります。以前はそういうフィルターを持っていませんでしが、2019年に2回ほど撮影してい…

新月期には晴れず満月期に晴れる事は良くあることだと思います。ナローバンドフィルターであれば月明かりをものともしないという話なので、前々から欲しいと思っていました。8月後半から9月末までDSOの撮影ができずフラストレーションが溜っていたところに、クレジットカードのポイントが結構貯まったという条件が重なり、ここに来てナローバンドフィルターの購入を決意しました。 ナローバンドと言っても私はカラーカメラしか持ってないので、購入するのはOⅢとHαを透過するデュアルナローと呼ばれるフィルターです。レビューの記事などを色々読み込んだ結果、Optolong の「L-Ultimate（1.25”）」を9月最終日…

今回は久々の惑星ネタです。惑星や月を撮影した際はX（旧Twitter）にポストして満足してしまう事が多く、気が付くと今年はまだ惑星について記事にしていませんでした。久しぶりだからといって特別な内容ではなく、9月8日に衝となった土星について記載します。1ケ月ほど前の話になりますが、最後までお付き合いください。 今シーズンの土星 記事のタイトルである「衝前後～」の前に、今シーズンの土星について少し触れておきます。以下は5月4日と6月22日に撮影した土星です。 2024/5/4 04:14, 2024/6/22 3:08の土星： @自宅ベランダMAK127 + 2.5x Barlow, ASI 22…

先週9月4日の水曜日、とうとう「ブツ」が我が家に到着しました。 レビュー用の機材、ビクセンのフラッグシップ機「VSD90SS」です。 ちなみにこのVSD90SS、メーカー小売希望価格は税込682000円ですが…… 自分が撮影用に所有している鏡筒 ED103S：163800円（購入時の税込、以下同） EdgeHD800：128000円 ミニボーグ60ED：56365円 ミニボーグ45ED II：28594円 BORG55FL＋レデューサー7880セット：128000円 MAK127SP：37800円 FRA300 pro：132000円 の合計金額（674559円）よりさらに高いというorz 自…

正直なところ、使用機材に尖ったところはそんなにないのですが、一言コメントをつけて一通り書き出してみます。光学系以外にも撮影時にサポートで使っている道具なんかも書き出してみます。 とはいえ一度に全部書き出すと長くなるので、項目を分けてみようと思います。 ・望遠鏡 〇FF-130-APO ZWO製の大口径屈折望遠鏡です。撮影時にはレデューサーを使い、700㎜F5.4で使用しています。Askerの130PHQとほぼ同じ（というかOEM？）で、性能はなかなか良いと思います。口径こそ正義！ただ相応にデカいため、置き場所に難儀しています。 一式で12.5kg、ガイド鏡などつけると13kgほどになるため、気…

梅雨入り前から猛暑が続く今年の東京都心。昨年もそうでしたが深夜の気温も相当高く、こんな気候では天体撮影をやっていても熱中症の危険と隣り合わせです。 たとえば、実際に撮影を行っていた昨年の7月16～17日、深夜の気温、湿度の推移がどうだったか見てみると…… ひと晩を通しておおむね気温28℃、湿度80%あまりを維持しています。 （https://www.sbs-smc.or.jp/memo/detail/14より）熱中症の予防指標としてよく使われている「暑さ指数」で言えば「厳重警戒」のレベルで、夜間で日差しがないとはいえかなり危険です。 今まではペットボトル飲料や小型扇風機、保冷材などで対策を行っ…

昨年６月以降、MAK127＋レデューサーという構成でDSOを何度も撮影しブログに掲載してきました。撮影画像に関する内容だけでなく、レデューサーとして使っている光学系の具体的な構成についても記事にするつもりでいたのですが、ついつい先延ばしにしてしまっていました。 ここの所毎週ブログを更新していますが撮影画像の記事が続いたので、重い腰を上げて今回はレデューサーの構成について書いてみたいと思います。 MAK127のレデューサーの変遷 MAK127は口径127mm、Fl 1,500㎜、Fno. 11.8というスペックからも分かる様に、本来は月や惑星などの観察・撮影がメインとなる鏡筒です。しかし以下の記…

前回、前々回の続きです。 r77-maabow.hatenablog.com r77-maabow.hatenablog.com 一応、この記事が銀河祭りの最終回です。 前回記事に書いた様に、今シーズンは撮影したことのない銀河も出来るだけ撮影しました。そのうち、ある程度画質が良いもの4枚を前回記事に載せました。 今回は残りの5枚の画像について紹介します。これらの画像は露光時間もそこそこで、どちらかと言えば「とりあえず撮ってみました」的な画像です。画質もいまひとつで記事にするか迷いましたが、せっかく撮影したのでご覧頂ければと思います。 使用した機材 前回までの記事と同じく、使った機材を記載してお…

前回の続きです。 r77-maabow.hatenablog.com 第2回目は、今回初めて撮影した系外銀河です。 2018年秋に天文の趣味に復帰したので、春の銀河祭りの参加は6回目になるはずです。しかし、これまで数天体ずつしか撮ってこなかったので、まだまだ撮影していない銀河が数多くあります。 今年は、ゴールデンウイークが新月期で且つ天気も良く、その翌週、翌々週も好天に恵まれました。そのため、前回記事の様に時間をかけて撮りたい銀河を撮影した訳ですが、その一方で撮影したことのない銀河も出来るだけ多く撮ろうと頑張ってみました。 初めて撮った系外銀河の画像は全部で9枚ほどあるので、今回はそのうち4枚…

2月上旬にコロナにかかり、治ってからしばらくの間は体調不良と天候不良もあって2月一杯は天文活動を行っていませんでした。3月の初め頃から再開していたのですが何となく記事を書く気になれず今に至り、約4か月半ぶりのブログ更新になります。 久々の記事の内容は、3月中旬か先週までの間に撮影した系外銀河についてです。撮った画像がかなり多いので、数回に分けて紹介します。初回である今回は、撮影した画像の中から以前撮影したことのある天体をピックアップしました。過去画像と比較することで、今回どのくらい進歩したかを見てみたいと思います。 使用した機材 今回撮影した画像は同じ機材を使っているので、共通データとして予め…

天候に恵まれなかったり、撮影の時間がなかなか取れなかったり。 3か月ぶりの撮影となりました。 約1年ぶりのM13です。昨年はMAK127で撮影。今年はエクステンダーPHを使っての撮影です。 M13 25,100光年 ステラナビゲータ11より 2024/4/13～14鏡筒：Sky-Watcher BKP130(D130mm FL650mm)、Vixen エクステンダーPH(FL910mm/F7)架台：iOptron CEM40カメラ：ZWO ASI 533MC Pro(Gain=100 Temperature=-20)フィルター：SVBONY IR/UVカットフィルター(2 in)、サイトロン …