6月27日(金)、「N響・Music Tomorrow 2014」を東京オペラシティ コンサートホールで聴く。開演30分前、席に着くと気高く甘美な弦のソロが滔々と聴こえた。チェロだった。やがてコントラバスのソロのロングトーンも加わり、一層凄みが増し、一体これは何の曲だろう、と畏れの混じった期待が膨らんだ。 果してそれは3曲目、猿谷紀郎/交響詩「浄闇(じょうあん)の祈り2673」、その終局だった。ただしチェロのソロは何本もの管楽器で伴奏され、さらに高音域ではオーボエがユニゾンで重ねられ、その高貴さは隠蔽されてしまった!だから今夕聴いた最も優れた音楽は、開演前のチェロの試し弾きだ。 東京オペラシテ…