記者会見には、終始穏やかで「何を聞いてもウェルカム」というものがある一方、逆に最初から最後までピリピリムードで、質問する我々がつい言葉を選んでしまうと、いったものも少なくない。 平成15年(2003)8月28日、テレビ朝日で行われた久米宏の「ニュースステーション」(以下、Nステ)降板会見も、まさに後者を代表するような、ピリピリムード漂うものだった。 TBSの人気アナだった久米がフリーになり、「Nステ」のキャスターに就任したのは昭和60年(1985)10月。 親しみやすい解説と、国家権力に対しても歯に衣着せぬ物言いで、視聴者の心をつかんできた。 だが、平均視聴率15%台をキープする一方、自民党か…