今回はカート・ヴォネガット著「タイタンの妖女」をご紹介。 ずっと読もうかなと思ってなかなか手が出ていなかった小説です。 爆笑問題の太田光の愛読書として有名ですね。あまり深く考えずに楽しんで読めば良い小説、だとは思います。ただ、なぜ作者はこんな小説を書いたのかな、と言うところは少し考察して見たくなる、そんな小説です。 「自由意志」と言うものがこの小説の重要なテーマであることは間違いないでしょう。それから所謂「神の意志」も。一見、作者は「自由意志」も「神の意志」も否定しているように読めます。時間等曲率漏斗に飛び込んだウィンストン・ナイルズ・ラムフォードはあらゆる時間に偏在しており、未来に起こること…