本作は、1930年代の禁酒法時代のアメリカ・シカゴを舞台に、暗黒街の帝王アル・カポネに挑んだ財務省の特捜班の死闘を描いている。ブライアン・デ・パルマ監督の手による緊迫感あふれる演出と、エニオ・モリコーネによる重厚な音楽が光る。 映画が上映されていた当時、このような警察権力が及ばない世界は日本にはないと感じた。法と秩序が機能し、正義が守られている国に生きているという感覚が強かったからこそ、買収と暴力によって警察や裁判所までもが暗黒街の手中に落ちている劇中のシカゴは、遠い異国のフィクションとして映ったのである。正義感を燃やす主人公エリオット・ネス(ケビン・コスナー)が、腐敗した警察組織の中で孤立し…