VDCはビークル・ダイナミクス・コントロール(Vehicle Dynamics Control)の略称。
日立製作所によって開発され、主にスバルや日産が採用するスタビリティコントロールシステムの一種。
従来のスタビリティコントロールでは、オーバースピードでコーナーに侵入したり、急激なハンドル操作などによって車両姿勢が乱れた際に、車両姿勢等をセンサーによって感知し、オーバーステアと判断するとコーナー外側の前輪にブレーキをかけ、逆にアンダーステアと判断した場合は、エンジンパワーを落とすとともに、後輪のコーナー内側のタイヤにブレーキをかける等のコントロールをかける事により、運転状況に応じて自動的に制御する横滑りを防ぎ走行安定性を保つ事を目的としている。
この装備は非常時に絶大な効果を発揮するが、欠点としては意図的なドリフトなども強引に抑制してしまうため、スポーツ走行及びエンスージアストには概ね不評である場合が多い。
そのため、スバルや日産といった走りに重点を置いたメーカーでは、安全性に加えドライバーの意思を最大限汲み取ることによって、スポーツ走行性と安全性の両立を狙ってVDCを標準採用している。
特にスバル・インプレッサWRX STI(GRB以降)や日産GT-R(R35型以降)といった走行性能に特化した車種においては、このVDCの効果をドライバーが意図的に操作する事を可能にし、初級者から上級者まで様々なニーズに対応できるようになっている:
関連キーワード:スタビリティコントロール、GRB、R35