もう「一人Kalafina」などと二度と口走りません。実に意欲的な作品。武部聡志、鳥山雄司をメインアレンジャーに迎えて、瑞々しさ、しなやかさから躍動感まで、全体としてしっかりと一本の芯が通っている。Kalafinaがクラシカルクロスオーバー的側面を持っていたのに対して、どうにもビジョンが見えなかった、どこか煮え切らないようにも感じていたのは事実だけれども、ここに来てWakanaがやろうとしているフィールドの音楽がストレートに提示、表現されたように感じるのです。色を持った透明感、とでも言いましょうか。薄く味のついた、よく冷えたミネラルウォーターを一口含んだ時のように、命を吹き返す感覚を味わえる。…