上弦の月と下弦の月は、ともに半月(はんげつ)だけれど、その性格は全く異なる。 上弦の月は、新月から満月に向かう途中の月。 満月というクライマックスに向けて、1日ごとに膨らんでいく姿に、僕は「若さ」を感じる。 下弦の月は、満月から新月に向かう途中の月。 クライマックスを終えて、1日ごとに欠けていく姿に、僕は「老い」を感じる。 もちろん、月はあくまで月であって、実際の姿は不変。 単に《地球から見える》部分の姿が変わるだけなのだけれど…でも、そう思わずにいられない。 月の満ち欠けを人生にたとえたとき、僕の人生は、もう、下弦の月にさしかかっている筈だ。 そんなことを思ってしまうから、下弦の月には愛着が…