2007-08-15

覇王　序：覇道王道

覇王とは…。
徳によらず武力で諸侯を従えて天下を治める人のことをいう。

元々は孟子によって提唱された覇道と王道の別から来ている。
王道とは儒家によって理想とされた夏・殷・周のような徳を持って治める徳治政治を言い、
覇道とは春秋時代の諸侯のように武力を持って治めるものたちを呼ぶ。

後にある男がこの言葉を合わせ、最初の覇王となった。

2007-08-02

モノがたり　〜ロボットその１〜

　ロボットが好きである。

　今回は鉄人２８号やマジンガーZやガンダムなどの、所謂テレビアニメのロボットではなく、現実世界のロボットに目を向けたい。

　二足歩行ロボットを見たのは、思えば１０年前な気がする。
　当時、本田技研が開発したP2の映像がテレビで流れ、そのスムースな歩行に誰もが驚いた。自然な二足歩行の再現は難しい技術であった。
　その後、P3、そしてASIMOと歩行（後に走行が可能になった）技術が向上していった。初めてASIMOを自分の目で見たときは、「中に人が入っているんじゃないか？」と思ったものである。

　個人的に本田技研と並ぶロボットメーカー（？）として、テムザックを挙げたい。
　女性的なフォルムを持つ"テムザックIV号機"、その大きさに度肝を抜いた"テムザックV号機"、個人的に"欲しい"と思った家庭用ユーティリティロボット"番竜"、鎧を着た侍ロボット"キヨモリ"と、個性的なロボットを多く開発している。一度でいいから、"援竜"に乗ってみたい

　いまや二足歩行ロボットの工作キットが手軽に買える時代である。この際自分も、二足歩行ロボット工作に手を出してみるかな…。

2007-07-08

1. 雷雨

　建安２年（西暦２００年）頃、中国は許都（現在の河南省許昌市）の宮城にて。

　大雨の振る夜であった。
　男が勅命を受けて、ある男の暗殺を実行しようとしていた。

　雷の光が、暗殺者の顔を浮かび上がらせる。大きな耳、長い腕。黒い服を着込み、袖の下には匕首。
　息を潜め、廊下に置かれた像の影に隠れる。
　ターゲットが廊下を歩いてくる。１人だけ。いつもは護衛の男がいるのに。
　そんなことは今気にすることではない。暗殺者は果敢に飛び出し、匕首を投げる。狙いは喉。
　「ほ…ぉ…。」
　剣を抜く。雷光が剣に反射し、冷たい輝きを放つ。
　怯んだターゲットの首を目掛け、切る。

　首が、飛んだ。

　まだ意識があるのか、首は言葉を続けた。

　「この…、曹孟徳を殺す…、か…。それもまた…、よ…し…。」

　首が、闇夜の廊下に転がった。

　＊

　建安２年。曹操、劉備の手により、死す。