遊蕩爺の漂浪メモ

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シリア内戦Watch; その8 〜 山本美香さん殺害 続報

   山本美香さん殺害に関する、喰い違う報道 (2012年8月22日加筆)

   シリア内戦Watch; その7 〜 日本人ジャーナリストも巻き込まれ殉職




 出典: Corpse of Japanese journalist killed in Syria brought to Turkey
     21 August 2012 13:24 (Last updated 21 August 2012 16:47)
     @ Anadolu Agency (トルコ)


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どうも山本美香さん殺害事件が下衆で安っぽい 『西側』 のプロパガンダに使われている様で、怒りを禁じ得ない;


<山本さん死亡>被弾時もビデオ撮影 国際社会もシリア批判
  毎日新聞 8月21日(火)22時40分配信

  −−−今回の事件後、フランス外務省報道官は「シリア当局は記者と報道の自由を守る義務があるのに、組織的に記者を抑圧している」と述べ、アサド政権を批判した。 (以下略、引用終わり)


ジャパンプレス代表であり、よき同僚であり伴侶でもいらっしゃった佐藤和孝さんの報告でも明らかな様に、山本美香さんが撃たれた正確な状況はいまだに不明。前方から現れた 『政府系民兵集団とみられる迷彩服を着た一団』 が銃を 『乱射』 した際、(佐藤さんの右)後方にいらっしゃった山本さんだけが被弾しているのも不思議。最後の撮影とされる映像も見ましたが、4発の銃声直後カメラが下を向きそこで切れています。公開された映像が編集されたものかは知りませんが、ビデオカメラは山本さんの手から反体制派の人間を経て佐藤さんに返されたものですね? (カメラやらメモは返却されていない、って報道を見た様な記憶がありますが)


トルコで司法解剖が行われるにしても、戦地である現場での実況見分などは不可能ゆえ、銃創による失血死であることが再確認されるだけで銃弾の飛んできた方向などは謎のままでしょう。こんな状況下、何故 『悪魔のアサド』 政権の仕業などと断定出来るのか?


折よく? UKのジャーナリストっでいらっしゃる Robert Fisk 氏による政府軍幹部とのアレッポでのインタビュー記事が The Independent 紙サイトに掲載されています;


Robert Fisk: 'They snipe at us then run and hide in sewers'
  Aleppo, Tuesday 21 August 2012


The Independent 記者ページ の記事一覧をざっと見ればわかりますが、Robert Fisk 氏はアサド政権には相当批判的なスタンスで報道されている、と解します。この記事中に描かれたアレッポはシリア政府 vs 反乱軍なんて単純なものではない、代理戦争にふさわしく様々な国の武器・外国人(傭兵?)が混在する激戦地。何が起きても不思議ではありません。


  参考: Syrian soldiers discover weapons cache in Aleppo
      Tue Aug 21, 2012 4:38PM GMT, PRESSTV


  参考: Russia: Syrian rebels getting lots of Western arms
      Reuters – Mon, Aug 20, 2012 @ Yahoo! News



山本美香さん死亡 米国務省報道官や英BBCが山本さんに触れる
    フジテレビ系(FNN) 8月22日(水)13時52分配信


死んでから米英に採り上げられることがそんなに名誉なことか? 世界中に争いの種を蒔き育てる両国 (BBCはリッチな御用放送局) が国益にとってプラスと判断して行動しているだけ。読んでいてアタマに来る以前に恥ずかしくなるレベル。



−−−最後となってしまった今回のシリア取材に関して山本さんは、 『華やかなオリンピックの陰で、砲弾が落ち、空爆の下で暮らす人々が、どんな思いで生きているのか伝えたい』 の想いを抱いていらっしゃったそうです。臆面も無く無知な自分達の価値観を正義の名の下押し付ける西側を賛美するためでもなく、現地政府や特定勢力に同調してでもなく、どんな名目であれ 『戦争』 の下市民がどんな思いで生きているのかを取材し紹介し続けて凶弾に倒れた訳ですから、それを冒涜する様なマネだけはすべきでないでしょう。生きていらっしゃる間、我々の大半は無視し続けた訳ですから−−−


以下追悼記事を2つ紹介;


<中華ボイス>「報道で戦争が止まってほしい」と願っていた山本美香さんに哀悼のメッセージ―中国人記者
  Record China 8月22日(水)13時28分配信


山本さん最後の記事は「人に銃を向けられるか」
  読売新聞 8月22日(水)9時0分配信

   マンがや映画やゲームなどで 『撃ち慣れた』 子どもなら、残念ながら、向けるだけではなく罪悪感も躊躇も無く引き金も引けるでしょう。 「分別のある」 筈のオトナにしても、さすがに見ず知らずの他人に向けることは出来ないでしょうが、憎む相手には向けて引き金も引けるでしょう。アタマに血が上れば尚更。小中学生向け月刊誌の記事だそうですが−−−