新本格魔法少女りすか2  西尾維新

新本格魔法少女りすか

新本格魔法少女りすか

新本格魔法少女 りすか2

新本格魔法少女 りすか2

内容(「BOOK」データベースより)
心に茨を持った小学五年生・供犠創貴と、“魔法の国”からやってきた転入生・水倉りすかが繰り広げる危機また危機の魔法大冒険!これぞ「いま、そしてかつて少年と少女だった」きみにむけて放つ、“魔法少女”ものの超最前線、りすかシリーズ第一弾!魔法は、もうはじまっている。

1,2巻とも裏表紙には「……なぜ、魔法はあるの?……なぜ、変身するの?……なぜ、大人になるの?……なぜ、少女なの?」とのコピーが。いやあー、これはすごくいいジュブナイル小説ではないか! と思った。少年少女の成長ですよ。小学校の学級文庫にも入れてしかるべき。血液描写は数あれど、なあに、そんなもんはだしのゲンに比べたら全然たいしたことは無い。と思う。物語はりすかの父親探しと、供犠創貴の野望の実現を目的に進んでいく。毎回魔法バトルが繰り広げられるが、そのバトルの「ルール」や駆け引きが非常にジャンプ的、もしくはジョジョ的、ハンターハンター的であって面白い。そしてバトルを通じて、物語の進行にしたがって、少しずつ成長していく少女と少年。これはもう直球ではないかもしれないけど、れっきとしたジュブナイルである。小学校のときに、こんな作品があれば良かったなーと思った。

魔法の「ルール」としては、りすかは魔法を発動させるためにリストカットする、もしくは血を流すというのがあって、このあたり斬新というか西尾維新だなあというか、でもこれなんのメタファーかな? と考えるとわりとしっくり納得したり。ふむ。主人公(というかりすかの相方)たる供犠創貴はいけすかなさそうな性格だけど頭は切れるし、コンビとして非常にバランスがいいところかなと思います。魔法が使えなくても、魔法を埋め込んだアイテムを使えるというのはこれまた「ルール」としていい感じですな。

魔法使いサリーから何十年、魔法使いの女の子を扱った作品は、ここまできたのかと感心する。西村キヌの絵も素敵だ。少女のりすかがかわいいのに対して、大人バージョンのりすかが滅法エロティックなところもグー。1巻2巻ともにA
こんな人にオススメ
・小学校の頃、学級文庫みたいなのをたくさん読んだ
ミヒャエル・エンデが好き
・まっとうだけど、ちょっとヒネった部分もある物語が好き

みうらじゅん・いとうせいこう TV見仏記 DVD 3巻

内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
みうらじゅんいとうせいこうが全国津々浦々のお寺や仏像を巡り、爆笑トークと共に紹介するTV番組に、未放映シーンなどを追加収録したDVD第3弾。南山城、宇治、伏見を舞台に、回転する仏像や味のあるご住職など、独特のポイントを掘り下げる。

2巻飛ばして3巻。なぜかというと地元京都編だからである。南山城・宇治・伏見。このシリーズは「旅が好きな人」「仏像が好きな人」「みうらじゅんいとうせいこうが好きな人」のどれかに当てはまる人にオススメかなあと思います。いい旅夢気分を1000倍濃くして仏像に特化して、なおかつ旅する人がみうらじゅんいとうせいこうであると。楽しい人には本当にたまらないだろうなー。

今回面白かったのは、まあ見仏自体ももちろんだけど、休憩で入った茶店での「カキ氷談義」である。イチゴと宇治金時を頼んでそれを食べつつ、ブルーハワイみたいなカクテルっぽいものがあるならセックスオンザビーチもあるのかとか、関西と関東のカキ氷の違いとか(関西はフラッペ?)、カキ氷について延々10数分くらい語っていて非常に楽しい。世の中「雑談が面白い人」というのはたいがい面白い(タモリとか)なーと再認識する次第である。

あと、色んなモノに対してカメラを構え、シャッター切りまくるみうらじゅんはやっぱり素敵だ。この「視点」とそれに対する「語り口」こそがみうらじゅんの素敵さだなあ。横尾忠則デザイン(と思われる)の真っ赤なシャツで京都駅に来るみうらじゅん。いいよいいよ〜ナイスですね〜! 相変わらずマイク集音が悪く、聞き取りにくいシーンがあるのは残念。A

ハウルの動く城 DVD(再鑑賞)

500日ぶりくらいに観ましたが、やっぱりディティールの凄さは尋常じゃないですなあ。ストーリーの論理的なスジについては、監督も別にそれを通すつもりもなかったようだし、全体を通じて色々な「曖昧さ」はある作品だけど、それがマイナスに働いているということではなく、ディティールの凄さに面白みを感じた。カルシファーの微妙な表情の変化、出てくる食べ物の美味しそうなこと、まじないだらけのハウルの部屋、マルクルのかわいさ、荒地の魔女のユニークさ(この人物については奥が深いと思った。)。

「どうしてソフィーは魔力の無くなった荒地の魔女の介護をしたのだろう」「サリマン先生は結局死ぬほどしょうもない理由で戦争をしていたのかしら」などなど、キャラクターの行動論理で不明な点は多々あれど、「まあ、人間というのはよくわからんもんだ」としてそれはそれで納得するのがいいのだろうか。微妙なところである。千と千尋の神隠しハウルの動く城はストーリーを人に説明するのが難しいなあ。

声優という点でいえば、この作品に限らず、キャラクターはプロの声優にやってほしいわい、というのは前々からの主張で、それを前提にすると、倍賞千恵子木村拓哉はどうか。んー、やっぱりどうしても、彼らの「名前」というのがキャラクターの後ろに透けて見えてしまう。これはどうにもならないところだ。それがウリなのだから、余計透けて見えてしまう。で、その透けて見えるものをさらに頑張って無視したとすると、どうか。個人的には木村さんは「悪くない」レベルというか印象だった。くぐもった声のところはちょっと聞き取りにくいところがあったけれど、そう悪くは無いと感じた。倍賞さんのほうが、若いソフィーというのはちょっとしんどいかなというところ。途中、老人から微妙に若返った状態になるシーンがあるけど、あのあたりナントモいえない中年的な声になっていたのは意図的なのか結果的なのか。ううむ。美輪明宏我修院達也神木隆之介はバッチグーだね。