サイバラ茸 6巻 西原理恵子

サイバラ茸6

サイバラ茸6

内容(「MARC」データベースより)
アル中の元夫・鴨志田穣氏との泣ける共著他から、サイバラ漫画だけを集めた感動の作品集! 「それがどうした」「はじめてわかる国語」「カモちゃんの今日も煮え煮え」「ばらっちからカモメール」など7編を収録。

収録は以下の作品から。

それがどうした
はじめてわかる国語
カモちゃんの今日も煮え煮え
ばらっちからカモメール
続ばらっちからカモメール 最後のラブレター
もっと煮え煮えアジアパー伝
たぬきの皮算用2

鴨ちゃんが亡くなってから出たんだよなあ、この本。しばしば「酒飲みすぎでもう死ぬんじゃないかこの人」といういじり方をしたネタがあって、その後を知っている読者としては妙に切ない。収録作品見ればわかるけど、鴨ちゃんが相当出てくるんだよね、この6巻。「感動の作品集!」と銘打ってあるが、読後感としてはやっぱり「面白かったなあ!」だった。いつものキレキレなりえぞうさんや酒とトラブル人生の鴨ちゃんのあれこれを見ると、面白く楽しませてもらう、というのが(僕が)読者としてありたい姿だと思った。この本自体には悲劇性は特に無くてさ、わりといつも通りのサイバラ茸なんだけど、鴨ちゃんが亡くなってからこの本を読んでいる、という事後的な情報が色々なものを増幅させるんだろうなあ。面白かった。そして面白かった分だけ、しんみりとしたよ。B+

太閤記の人々―「秀吉」ワールドのオールスター勢ぞろい 小和田哲男

 

秀吉を中心とした歴史上の人物にスポットを当て、人物紹介と解説をした本。こういう研究者系の人が書いてる歴史解説ものは、カタい文体で読みにくいことがしばしばあるんだけど、この本は非常に読みやすく面白かった。秀吉周辺の人物が多数網羅されているが、黒田如水北条氏直浅野長政千利休羽柴秀勝(信長四男にして秀吉の養子)・宮部継潤・平野長泰七本槍)・伊達政宗石川五右衛門といった、あまり言及されない人物についてもけっこう分量が割かれていたのは嬉しかった。最近大好きな『へうげもの』に関して、千利休や「茶会」の意義などにも興味があったので興味深いものがあった。軽く読めるので秀吉ファンは一読されてみてもいいかもしれません。B