1998年のロン=ティボー国際コンクール*1の覇者、セドリック・ティベルギアン/Cédric Tiberghien のショパンとブラームスのバラード集を聴いた。ピアノコンクールの覇者と呼ぶに相応しい、大きな手と大きな体を持ったティベルギアンは、ロン・ティボー久々のフランス人優勝者でもあった。
![ショパン:バラード 他 [Import] (BALLADES NOS 1-4) ショパン:バラード 他 [Import] (BALLADES NOS 1-4)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41x3rXoQypL._SL160_.jpg)
ショパン:バラード 他 [Import] (BALLADES NOS 1-4)
- アーティスト: セドリック・ティベルギアン
- 出版社/メーカー: Harmonia Mundi Fr.
- 発売日: 2006/10/20
- メディア: CD
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まず書いておきたいのか、仏ハルモニア・ムンディ(HARMONIA MUNDI FRANCE)の洗練されたグッズとしてのCDについてだ。カヴァージャケットでは、ピアニストは紺色のシャツを着ていて、それが白い背景にとても映えているのだが、それに合わせてCD本体も白と紺が基調になっており、とても丁寧に製作しているなという感じがする。美麗な「商品」だ。
演奏も素晴らしかった。ショパンのバラードは──「バラード集」として全4曲まとまったCD聴くのは、もしかしてポリーニ盤以来かもしれない──、明快なタッチと抜群のテクニックでピアノを響かせるのだが、ロマンティックな詩情も十二分に聴かせてくれる。第3番や第4番の出だしの美しいこと。もっとも2番は、もう少し激情的でも良かったかな、と思うけど。
でも4曲まとまったバラード集としては、録音の良さも含めて、この Cedric Tiberghien 盤を第1に挙げておきたい。
ブラームスの「バラード集」Op.10は、久しぶりに「通しで」聴いた。もちろんCDはいくつか持っているのだが、どちらかという苦手な曲で、パスすることが多かった。しかしこのティベルギアンのCDでは、ショパンの2番と3番の間にブラームスのOp.10が挟まっているというプログラムなので、そのまま「流しながら」聴いていた。
よかった。やはりこのピアニストは手が大きいのか、ブラームスの重厚な響きを存分に聴かせてくれる。ティベルギアンの3番ソナタOp.5や「各種」変奏曲あたりを聴いてみたくなった。
YouTube には、Marie Devellereau というソプラノ歌手の伴奏をしている映像があった。曲は、エリック・サティの≪おまえが欲しい/Je te veux≫。教会でサティ?という映像的にも美しいパフォーマンスだ。
Marie Devellereau - Je te veux (Satie)
ティベルギアンのCDは、やはりHMFからベートーヴェンの変奏曲とバッハのパルティータという「ドイツもの」が出ていて、こちらもジャケ同様、気になる。

- アーティスト: Ludwig van Beethoven,Cédric Tiberghien
- 出版社/メーカー: Harmonia Mundi Fr.
- 発売日: 2003/05/13
- メディア: CD
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- アーティスト: Johann Sebastian Bach,Cédric Tiberghien
- 出版社/メーカー: Harmonia Mundi Fr.
- 発売日: 2005/10/11
- メディア: CD
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