「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」が終わった。放送の翌朝は最新話を見るまでSNSを遮断する習慣もこれで終了だ。新作のアニメを毎週欠かさず見るのは久しぶりだし、それについてみんなが楽しく語り合っているのを見るのもよかった。これほど多くの人が一つのアニメシリーズについて言及していたのはとても珍しいのではないだろうか。そしてその勢いにふさわしい濃密な作品だった。
放送が一週間おきというのも改めてよいものだ。話ごとの間が強制的に作られる。最新話を見たら一週間、寄ってたかって続きや裏話を妄想できる。配信サービスにありがちな「12話一挙配信」ではこうはいかない。
そして若い人に宇宙世紀もののガンダム(特に「機動戦士ガンダム」「機動戦士Zガンダム」「逆襲のシャア」)に興味を持ってもらうのにちょうどよい作品だったと思う。いいですよ宇宙世紀ガンダム。見たらもう一度ジークアクスを見るといろいろ発見があるでしょう。
マチュは最初から最後まで突っ走っていた。最終話でようやく親に連絡していて、おたずね者はあれで足がついたりしないのかな。ニャアンが流されキャラなのは難民という出自が関係しているのだろうか。シュウジは最初の登場から謎めきすぎていたから最後の種明かしにナルホドとなった。前半の重要キャラ、アンキーが事件のあと最終話まで出てこなかったのはもったいなかった。ジオン公国出身という設定はどう使う予定だったのだろうか。
エグザベ君とコモリンはいいキャラでしたな。マチュがコモリ少尉にコモリンとあだ名をつけるまでの様子を見たかった。
ファーストガンダムからやって来たキャラの代表がシャリア・ブルというのは意表を突かれた。「機動戦士ガンダム」の劇場版では省略されたキャラクターである。シャアはジオン独立戦争(一年戦争をこう呼ぶのはジオン公国が勝ったこの世界らしくてとてもよかった。後半でジオン側のキャラが一年戦争呼びするのはちょっと残念だった)でのゼクノヴァのあと、どうやってイオマグヌッソの開発スタッフにおさまったのだろうか。キシリア閣下の掘り下げもよかった。ギレン総帥はあっけなかった。そしてこのへんの旧キャラは声優が総とっかえになったのも新時代らしくていい。名塚佳織は20年前はナナリーだったのに今はキシリア様かと感慨深かった。
ところでハロってこの世界ではどういう扱いなんだろうか。ハロの作者が出てこないのにハロはいる。サイド7の機械好きの少年が自作した自律型ロボットが商品化された? オープンソースハードウェアで自作が流行してる? などと妄想した。
キャラのファンアートはたくさん見たけれど、モビルスーツとなると描く人はめっきり少なくなる。あれだけ複雑で有機的な造形では描くのが難しい。同じ山下いくとのメカデザインではエヴァンゲリオンも難しいがジークアクスは線の数が桁違いだ。本編ではCGでしか描かれなかったのではないだろうか。
そんなこんなで楽しませてもらったジークアクスは最終回ですっぱり終わり、第2期や劇場版の告知はなかった。続編はなくてもサイドストーリーは作られるかもしれない。そうなったらいいな。