菅首相は「来年の6月まで首相を続投させてもらいたい」って、はっきり言うといいのだわ
昨日(12日)菅首相の記者会見がありました。
首相会見とか、このとこ頻繁にあるけれど。この会見は、元々、東日本大震災が起きて1ヶ月めの11日に予定されてたもの。
大きな余震があったんで、延期になって。だから、節目にあたる重要な会見。
会見に際しての首相談話記録の全文も、幾つかの報道メディアが公開。ネットでもアクセスできます。
アタシが読んだとこ、首相談話のポイントは次だと思うな――
- 東日本震災復興の政府プランを、6月中に国会に提出する。
- 東京電力の事故原発は、徐々に安定化に向かっていて、東電に今後の見通しを示すように指示した、近い将来その見通しが公表される予定。
- 原発事故の賠償は、基本的には東京電力の責任だけど、実際もんだい東電が支払いきれない賠償、保障は、国庫が負うしかない(と、政府としては考えている)。
- 震災を大きく被っていない地域では、落ち着いて、平常な生活を心がけてほしい。被災地のことを思うなら、被災地の産物を消費するなども、支援につながる。
- 統一地方選挙、前半戦の結果は「真摯に受け止める」。
会見の席上、産経新聞の記者が、首相に「地位にしがみつくのはなぜか」とか訊いたそうですね。
この類の質問に対しては、菅首相「統一地方選挙、前半戦の結果を真摯に受け止める」では、返答として弱いと思います。弱腰みたいにとる人も、ある程度いるはずだし。
アタシは、菅内閣には、「東日本震災からの復興プラン政府案」をきちんと6月中に国会に提出してもらって、その時までに首相には「来年の6月いっぱい(つまり復興プランを国会に計ってから1年間)、政府を率いさせてもらいたい」って、国民に向けて言ってもらえたらいい、と思います。
国民に向けて言うまでには、民主党内部の調整も済ませてもらって。菅首相が首相を退陣した後どうするのか、とかも党内で決めといてほしい。
あるいは、この6月までに「来年6月に首相を後継する民主党議員」を絞り込めればよし。それができなければ、「来年6月で解散総選挙」でもよし。
その辺は、民主党党内の事情ですから、シンパでも党員でもないアタシは、どうこうするといいとか言う気はないです。
ただ、事故原発対策や、震災復興政策を、これまでの路線でさらに推し進めてほしいから、6月までに民主党内の意思をとりまとめた上で、期間限定の姿勢を強く打ち出してほしいと思います。
もちろん東日本大震災からの復興が、1年間なんかで済むはずないです。
それでも、これから1年間は、方向性を定める時期としてすごく重要なはず。
だから、揚げ足とりみたいなことばっかり言ってる自民党系のノイズを遠ざけるために、「菅内閣は来年6月まで」を打ち出すといいと思います。
産経新聞の記者が、「地位にしがみつくのはなぜか」みたいな質問の仕方をしちゃえるのって、直接の理由は、統一地方選挙、前半戦の結果を重く評価してるからですよね。
ただ、その評価基準って「与党民主党対野党自民党」って旧態依然の対立構図でしか観てないものだろうって思えます。
別にこれ、産経新聞に限ったことでもないですしね。
日本の多くの地域では、大震災の前から動き始めてた地方自治、分権に向かう活力が、震災後の行動にすでに活かされてる。被災地では、互助や復興に向けて。西日本では支援や経済活動の活発化に向けて。今のとこ、浮き足立ってるのって、実は首都圏くらい。
産経新聞みたいな中央集権的な国家観しかもってないメディアは、これらの動きをちゃんと評価できないんでしょうね。
そうでも考えないと「地位にしがみつくのはなぜか」みたいな、愚かな質問の仕方ができちゃうのがどーしてなのか、理解が困難なのだわ(苦笑)。
産経の記者が言外で言わんとしてるのは、「選挙結果はあなたの政権にはNOと出たんだから、とっとと退陣したらいかがですか?」って含意ですよね。
この訊き方が愚かだって言えるポイントを2つ指摘できます。
まず「復興対策、原発事故処理を途中で投げ出す方が、首相としては無責任」。
この点は、いくらなんでも産経記者もわかってはいて、わざと挑発的な訊き方をしたんだろうと思いたい(笑)。
もう1つは「統一地方選の後半戦でも、どうせ自民党が勝ちますから」みたいな腹だから言える、かさにかかった訊き方なとこ。
今のままの政局で進めば、統一地方選後半戦は、いわゆる地域政党が前半戦よりも、もっと伸びるはず。こうした動きを軽視してるとこが、愚かだわね。
だって、今回メディアが「自民党の圧勝」って報じてる自治体、細かく見れば、単に既存政党の組織票が動員された結果でしかないとこの方が多いんだもん。
候補者間の票数を比べれば「大差」に見えるでしょうけど、得票率でみれば圧倒的支持を得てる自治体の方が少ないじゃん。
だから、菅首相はこの6月までに「来年6月いっぱい(つまり復興プランを国会に計ってから1年間)は、政府を率いさせてもらいたい」と、国民に向けて言えるようにできると、いいと思います。
実際は国会でいう事になるはずですけど。
「国民に向けて」言えるよう、今から党内を調整できれば、その方が民主党のためにはなるでしょう。
少なくとも「地位にしがみついてる」なんて時節を踏まえない、愚かな質問されないで済むようになると思うし。
実は、菅首相の内閣が、自民党と従来どおりの与党対野党の駆け引きに興じれば興じるほど、統一地方選の後半戦では、地域政党が伸びる伸びしろが広くなるはずなのよね。
小沢さんや鳩山さんが、党内政治で菅おろし、とかに興じても一緒。
アタシ的には、それでも別に構わないんだわー。
それでも、菅内閣が立ち上げた「復興構想会議」は、自民党の復興再生院構想よりもずっといいし。
原子力安全・保安院の経済通産省からの分離なんて、自民党なんかに任せらんないし。
(原子力安全・保安院なんて作ったの自民党だもん)
もっと言えば、稼働中の原子炉の安全点検だって、自民党なんかに委ねたくない。
(自民党は政権もってた時期からのエネルギー政策を、まず自己検討して修正しなさいよね)
国民の間でも、そう思ってる人の方が多いことでしょう。
だから、菅内閣が、この1ヶ月やってきた、震災対策、事故原発対策を、これまでの路線上でスムースに推し進められれば、その方がいいわよね、ってアタシは思う。
だから、「来年の6月いっぱい」って期限限定を打ち出してもらえたら、その方がいいって思うんです。