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漢方は“代替”医療に非ず

小童が妄言を言ってる、程度に聞いて欲しい事。
俺が東洋医学研究会なるサークルの門戸を叩いて最初に言われたこと、そして俺が代表になって門戸を叩いてきた後輩達に最初に教えた事がある。
「漢方オタクになるなよ」=「漢方を使うことを目的とするのではなく、患者を癒すのが我々の目的なのであって、漢方も西洋医学も、その目的のための一手段に過ぎないのだ」
すっかり「代替医療」の一部として人口に膾炙してしまった漢方医学だが、俺は“代替”医療と呼ばれるのは嫌いだ。何故なら、漢方は西洋医学の“代替”にはならないからだ。
漢方医療の守備範囲はあくまでも“西洋医学の余事象”、つまりは如何ともし難い状態に対して使う“another card”でなければならない。例えば

  • 細菌感染が証明されない初期感冒(明らかに抗生物質が要らない場合)
  • どんな検査をやっても異常所見が出てこない(精神学的異常所見も出てこない)のに自覚症状だけが続く
    • 内視鏡で何も無いのに「喉が詰まった感じがする」
    • 神経学的所見の全くない(見落としは除く)、何年も続く「めまい」
  • 他の手段では緩和し難い副作用に対する緩和目的

逆に言えば、手術なり投薬なりで治療効果が期待できるのにも関わらず漢方治療を行おうなどというのは禁忌だってことだ。必要なら抗生物質ステロイドも使うし、然るべき専門医への紹介を行うのは、漢方云々以前に「医師」としての責務であり、他に効く方法があるのに必然性の無い理由で漢方治療を希望してくる患者にはしっかり話をしてしかるべき治療を勧めるのが、漢方医の仕事。「東洋医学の何たら」を語ってステロイドそのものや帝王切開を非難するなど言語道断、頼むから「東洋医学」語ってくれるな。
改めて。漢方は西洋医学の代わりには、ならない。最後に使うカードが一枚、増えるだけ。

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