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曇り
どこにも出かけず、家でおとなしくしていた。
amazonに注文していた「そらいろのたね」「鋼の錬金術師・12巻」「航空無線ハンドブック2006年版」が届いた。こういう注文をすると、amazonのeCRMソフトウェアは、顧客プロファイリングに戸惑うことだろう。
「そらいろのたね」は、「いやいやえん」「ぐりとぐら」と並ぶ中川李枝子・大村百合子コンビの古典的名作だ。娘たちは、もう絵本を読む年齢ではなくなったが、「ジブリがいっぱいSPECIALショートショート」の近藤喜文演出の映像を観て、原作を手元に置いておきたくなったのである。原作を読むと、近藤の演出が原作の持ち味を損なわずに動画化に成功しているのがわかる。
「鋼の錬金術師・12巻」は、コミックス最新刊。アニメ・映画は、原作からどんどん離れて独自の世界を構築しているのに対し、原作は、ゆったりとしたペースでより深い世界を描いている。人間や生命の本質に関わる主題を扱っているだけに、今後、我々をどんな高みに導いてくれるのか、興味は尽きない。
ハウルの動く城
DVDで「ハウルの動く城」を観た。基本的な感想は、映画館で観たときと同じだ。「魔法をかけられた少女が魔法使いの少年を救済し、自らも解放する。」という主題は、「千と千尋の神隠し」とまったく同じである。しかし、個々のエピソードが難解で、全体的には晦渋だ。過去の宮崎・ジブリ作品からの引用が多く、*1一見、本作もそれらの延長上にあるようだが、ひとつだけ決定的に違うことがある。宮崎作品で初めて、キスシーンをきちんと描いたことだ。ソフィーのキスによってハウルにかかっていた魔法が解けたが、*2それとともに、宮崎世界を覆っていた魔法も寛解してしまったのではないか。ヴァーグナーと同様、「無垢なるもの(多くの場合は女性)による救済」という主題を追求してきた宮崎作品は、これから何を描いていくのだろう。
http://d.hatena.ne.jp/Wilm/20041127