今年の漢字は「嘘」?

偽装列島



 毎年、その年を象徴する漢字一字を、どこかの寺のご住職が書く様子がテレビで報じられます。もうそろそろそんな時期になったんですね。
 夕方、ラジオのニッポン放送<高嶋ひでたけ・特ダネラジオ>を聞いていました。その中で今年の漢字一字を『嘘』と言っていたのを聞いて、思わず「その通り」と思いましたね。番組でも<偽装列島>という言葉を使っていました。

 
 まったくよく次から次へとこのテの話題が尽きることなく出てきます。もう食傷気味で「嘘」が恒常化してきました。姉歯さん、ホリエモンさんから始まって企業の偽装事件は書いても書いても尽きることがありません。
 以前、平河町に小さな出版社を経営している知人が自社の決算書を6枚見せてくれました。銀行用、税務署用などなど、びっくりしました。ご本人は大半の会社の決算はでたらめだよと、涼しい顔してウソぶいていました。こんな決算を見ながら投資家は判断してるんでしょうか。そういえば青山管財は潰れたんでしたっけ。日本列島の空気には酸素や窒素の中に混じって「偽装」という元素が漂っているのかもしれません。


 先日、新聞関係の古い知り合いと電話で話していたら「新聞こそが部数に始まって偽装だらけなのに、知っているのは現場だけで世間の誰も分かってない。上層部は分かっているのか、あるいは周囲が『嘘』のデータを渡しているのかわからん。このまま過ごしているといつかまとめてツケが回って来るような気がするよ」と不安そうに言ってました。確かに他人の偽装は毎日書きたてますが、自分自身のことは書きません。まぁ、それが当たり前の体質で、新聞社を守るためには『嘘』も方便なんでしょうが、世間も知らされなければ世論にもなりませんね。
 数日前、あるホームページを見たら、毎日新聞は部数の70%が「嘘」だという記事を見ました。以前も書きましたが、スポニチを契約すると毎日新聞を無料で毎日配達するという、あきれる条件で購読している人を複数知っています。他の新聞も水増し部数が4割5割は当たり前という地域も出てきて、発行本社の押し売りに裁判という手段で反旗をひるがえす販売店もぞろぞろ出てきました。新聞の部数が水増し2%(新聞社談)以上なら「嘘」ということになり、広告料が詐欺ということになります。
 正論を吐くべき報道機関が「嘘」で固められていては何をか言わんやです。そればかりか、新聞社のナベツネ会長が民主党の小沢党首にサジェッションして、大連立を画策するという異常事態が発覚しましたがこの国の人々は大した騒ぎも起こしませんでした。外国の、特に先進国なら報道という立場の人間がこんなことをしでかしたら大変なことになったでしょうね。なんでもあり、悪いことはやり徳、国民は特段の反応なし、しばらくしたらほとんど忘れる、、、この国は一体どこへ行っちゃうんでしょうね。


 守屋前事務次官がついに接待ゴルフの支払いで<偽証罪>に問われることになりました。毎回1万円払ったというのが嘘であると本人も周囲も認めたからです。防衛省の官僚トップを任ずる立場の人間がこのザマですから、他の役人も推して知るべしということでしょうか。一人の罪状は一人のことなんですが、どうしても<木を見て森を見る>結果になってしまいます。
 そういえば守屋武昌容疑者の座右の銘は「一人を持って国興る 一人を持って国滅ぶ」だそうです。前述の新聞社の会長が中曽根さんに後ろで糸引かれてかどうかはわかりませんが、自分の都合の良いように国をオモチャにするなら、いつか滅んでもおかしくありません。この言葉はなかなか含蓄があり箴言です。それを国会で偽証する人間の座右の銘だって言うから笑っちゃうんですけど。


 昨日、北京五輪のアジア予選が台湾でありました。星野ジャパンの見事な勝利で、野球好きの私は4時間10分をあっという間の感動として過ごすことができました。やはり愛国心が騒ぐんでしょうね。
 韓国は事前の監督会議で、試合開始1時間前に先発メンバーを提出することが決定されていてすでに発表していました。ところが試合直前に先発投手を右腕・柳済国から左腕・田炳浩に変更したばかりか、打順を6人も入れ替えました。規則を逆手に取った「嘘」に近いマナー違反です。
 おまけに内角のボールには、体ごと当たりに来るという仕儀にはあきれるばかりでした。これでは野球ではなく当たりっこの度胸試しです、、、野球とかけ離れた下品な行為に胸が悪くなりました。


 思わず<文化度の低さ>を思い、本来的にはチームの節操の低さだけなのでしょうが、韓国という単位で軽蔑を覚えました。木を見て森を見たのです。
 ところがその瞬間、日本列島の空気に混じっている「偽装」という元素があることに気づき、とても韓国を蔑むことなどできず、口をつぐみひたすら恥じ入ってしまったわけです。