・今月の 『八乙女×2』 感想。
第24話 「新入生襲来の4月」 の感想だ。
4コマ漫画パートが6ページ、ショート漫画パートが10ページ。
ショート漫画パートが普段よりもページ数多めですね、かなり力を入れていると解釈できそうであり、実際面白かった。
新しい登場人物が一挙に2人も登場した回、とも言える? 前から脇役で登場してたり、存在は明かされていた人物たちだけど。
今回とりわけ面白かったのは、新登場人物のデビュー回だから念入りに準備されていたのかも。
ちなみに今月の別冊少年マガジン2024年5月号は、全作品にあらすじページ付き。
当然 『八乙女×2』 にもあらすじページが付いていた。
「生徒会役員共の氏家ト全先生新作、下ネタギャグマンガ!」 みたいな既読者向けではなく、未読の人向けの丁寧な説明。
主要登場人物 (文芸部部員 + 泉ルイ) と第1話から最新話までの流れについて説明されている。
ジャンルの説明は無いですね、"エロボケ" の単語が登場する程度か、まあそこは漫画を読めば分かる話だしな。
前半4コマパートは、中学2年生の新クラスエピソード。
中学2年生の幕開けは、ここぞとばかり中二病ネタでスタートだ。
何か1コマ目の大ゴマ、賑やかだからか良さがありますね。八乙女ハルルが珍しく一般的な笑顔を見せてくれているし。
2本目 【第一印象】 では、2年1組の担任を務める佐久間サクヤ先生が登場だ。
新しい担任の先生だが、初登場ではないぞ! 初登場は週刊少年マガジン特別出張掲載の回だ (単行本2巻収録) 。
その後も何度か登場していたが、名前は今回初めて判明。氏家ト全先生の漫画の中ではハイカラなお名前な気がする。
"皆で楽しいクラスを作りましょうね" のセリフ、何てことないセリフのはずだが、何故か心に刺さってしまった……
学校を卒業したら二度と聞くことのないセリフだからか? 郷愁か……?
教師のお仕事としては決まり文句のフレーズなのかもしれないが、佐久間サクヤ先生が優しそうな人柄だなと感じられるし。
守りたい、この笑顔。そういう感じがある。
ちなみに2本目のオチは八乙女ハルルの下ネタ的空耳であり、八乙女カイのこのツッコミは笑った。
八乙女ハルル的に佐久間サクヤ先生はどのような先生に映っているの……!
3本目 【どんぴしゃ】 は、佐久間サクヤ先生を掘り下げる4コマ。
いきなり佐久間サクヤ先生が下ネタ側の立ち位置だと判明だ。しかもMであるとも判明、体格的にも性的嗜好的にも。
初登場時の佐久間サクヤ先生は結婚指輪をしていたけれど、その後の登場時にはしてないのよね。
どのような事情があるのか、あるいは設定が変わったのか (メタすぎる) 。
一体どのような夜を過ごしているのか描かれてほしいな……! いや、氏家ト全先生の漫画だし夜とは限らずかもですけど。
4本目5本目 【成長しているカイ】 【成長しているアユム】 は、2人の体つきが成長してきたネタ。
身体の成長とかズバリ下ネタに直結しそうなお題だが、氏家ト全先生の個性がここに出ていると感じられる2本だった。
一般的な下ネタ系ギャグ漫画作品なら、男子の成長は男子自身が包皮がむけて喜ぶ、みたいなネタになるところでしょ。
それをやらないのが氏家ト全先生の漫画の個性であり良さだよなって思うのだ。
そして本木アユムの成長はお胸であり、八乙女ハルルだけでなく、クラスメートの川村さんもその発展に気付いちゃう。
何か2年生になって急激にサイズがアップしているような気がするぜ。水着回が今年あるなら、一体どうなってしまうのか。
そして2ページにわたって武隈アキナをいじり倒す。
【疲れ気味のあなたへ】 【気になる】 【ごめんね先輩】 の全部が、武隈アキナのトイレに結びつくネタだ。
武隈アキナの疲れ目とブルーベリーサプリから、芦田ホシノがおしっこの色へと即座に話を切り替える。
ここで芦田ホシノ自身の尿に話題が転換しないのが八乙女ハルルの機転だよなあ。
芦田ホシノと八乙女ハルルの両者の間で、武隈アキナについてのイメージが固まり共有されてる感じを受ける。
サプリを飲んだ直後の真っ黄色なおしっこを出してる芦田ホシノのトイレシーンなどに話を膨らませる余地は皆無だ。
こう発言すれば八乙女ハルルが武隈アキナのトイレに話を繋げるだろうと、そこまで芦田ホシノは予想していそう。
ちなみにサプリメーカーの名前が "四八製薬" という小ネタもある、四十八手からの下ネタであろう。
次の 【プラシーボ的なヤツ】 、まさか氏家ト全先生の漫画で催眠アプリのネタをお目にかかれるとはな。
とはいえ地に足着いた現実世界が舞台の 『八乙女×2』 、本物の催眠アプリが出るはずもなく聞き違いであった。
けれど催眠アプリにかかった場合の八乙女ハルルのリアクションは拝めるぞ。
そして次のネタへの導入役でもあるとはいえ、佐久間サクヤ先生が催眠アプリとは何かを理解していることも描写された。
続く 【ぐっすりタイム】 は、佐久間サクヤ先生が主役。
決め顔で眠りの質を高めるASMR音声を薦めた1コマ目と打って変わって、4コマ目の取り乱しようが可愛いぞ。
18禁系音声作品についてまで知識があるとは……
教え子が不意にアダルトコンテンツに触れてしまいそうになったとき、このようなリアクションを見せるのだな。好き。
門脇先生だったらどのようなアクションを見せていたのだろう。
後半ショート漫画パートは、文芸部に新入部員が入部するエピソード。
風の話題から八乙女ハルルがいつもの調子でボケる実質4コマ漫画でスタートだ。
次ページのフリにもなってて、威勢の良いこと言ってた八乙女ハルルが即座にひよる即オチ2コマ的急展開が面白い。
八乙女カイの後ろに隠れてつつ顔を出してる人見知りっぷりだ。
けれど見知らぬ人が文芸部の入部希望者らしいと判断した途端、3ページ目みたいに勢いづくのが八乙女ハルルの良さか。
文芸部に連れていった見知らぬ新入生、その正体は武隈アキナの妹:武隈フユリであった!
衝撃の正体に一堂ビックリ……ということはなかった。読者的にも正体は明らかであった。何なら先月号の予告時点で予測できた。
初登場時点で道に迷っているっぽく、見た目の他に方向音痴っぽいところも武隈アキナらしさが出ていたし。
「でも先月の予告によると入部希望者らしいじゃん? 武隈フユリは入部したくなさそうじゃん?」 と思ったけどこの後入部した。
本木アユムの小学校時代の思い出として、本木ランと学校で顔を合わせるのが恥ずかしかったというトークもこぼれ出た。
本木ランにも小学生の頃はあったのだよな……まあ小学生の頃から下ネタを言ってた姿しか思い浮かばないけど。
これまでの話で武隈アキナの口から語られた妹像、そこから思うに姉妹仲はあまり良くないのでは、など思っていたが。
実際蓋を開けてみたら、ツンデレ味もある感じに姉が好きなタイプの妹な武隈フユリであった。
昔は慕っていたお姉ちゃんがポンコツな言動を見せるから、もっとしっかりしてほしくて厳しくなっちゃうのかも。
後輩に慰められる姉の武隈アキナを目にしてすぐに入部を決めて、姉妹揃って同じ構図で八乙女ハルルたちにまとわりつかれるぞ。
ていうか八乙女ハルルの "サプリ飲みます?" 発言は笑う。そのいじり方、まだ引っ張っていたのかよ。
前半4コマパートのサプリの時に、もしも武隈フユリがいたならどのような反応を見せていたのだろうか。
八乙女ハルルたちと一緒に武隈アキナお姉ちゃんをいじることは絶対無さそうだよな。
いや最初は八乙女ハルルたち側に付くかもしれないけど、メンバーの中で一番すぐに武隈アキナをトイレに行かそうとすると思う。
そして芦田ホシノはマイペースに急激な重たい下ネタだ。どういうボケ方だ。
でもドンピシャで武隈フユリの心情を皆の前で詳らかにしたのでなく予想を外したみたいに装ってもいて、優しさがあると言えるか。
後輩だからといきなり武隈フユリを "武隈" と苗字で呼び捨てにする八乙女カイ。
リアルな男子中学生らしさってやつなのか……? など思ったが、これは武隈フユリのネタへの導入であった。
武隈フユリが八乙女カイをナメそうになる一面もいきなり見せてきた。属性が多い。
そしてこの武隈の呼び捨ての漫画的意図が明らかになったのは最終ページであり、これもラブコメ的展開のフリだったか……!
初めて会ったその日から、八乙女カイから下の名前で呼ばれる武隈フユリ。
対して八乙女ハルルは小学生の頃から八乙女カイと過ごしているのに、今なお下の名前で呼ばれることは無いのであった。
八乙女ハルルは八乙女カイに下の名前で呼ばれたい。
あらすじにも書かれない秘めた欲求であり、八乙女カイに向けた八乙女ハルルの好意の存在は読者自身が読んで知るべき見所だったか。
全く無表情でセリフは "別に" なのに、こうもラブコメな展開が可能だとはな……!
第13話で "結局名前で呼んでくれないね" と、ぷんすこした表情見せていたときと心中は同じであると思う。
この仕込み、場合によってはいつかは迎えるだろう最終回で下の名前で呼ばれる、みたいな形で回収されるのかな。
今月の感想終了。
次回予告は "次回、なんと【生徒会選挙】!! 一体どうなる!?" とのことだ。
『八乙女×2』 の生徒会メンバーといえは泉ルイなので、泉ルイが主役となるエピソードが来るようだ。
生徒会役員は 『八乙女×2』 では主役ではないので、生徒会長なども別に掘り下げられていない。
さすがに2話連続で名前あり新登場人物が出るとも思えないしな…… 泉ルイが生徒会長になったりする展開はあり得るか?
やはり氏家ト全先生の前作が前作なだけに、かなり気になってしまう次号予告だ。