今月の 『八乙女×2』 第24話 感想

・今月の 『八乙女×2』 感想。

第24話 「新入生襲来の4月」 の感想だ。

4コマ漫画パートが6ページ、ショート漫画パートが10ページ。

ショート漫画パートが普段よりもページ数多めですね、かなり力を入れていると解釈できそうであり、実際面白かった。

新しい登場人物が一挙に2人も登場した回、とも言える? 前から脇役で登場してたり、存在は明かされていた人物たちだけど。

今回とりわけ面白かったのは、新登場人物のデビュー回だから念入りに準備されていたのかも。



ちなみに今月の別冊少年マガジン2024年5月号は、全作品にあらすじページ付き。

当然 『八乙女×2』 にもあらすじページが付いていた。

生徒会役員共氏家ト全先生新作、下ネタギャグマンガ!」 みたいな既読者向けではなく、未読の人向けの丁寧な説明。

主要登場人物 (文芸部部員 + 泉ルイ) と第1話から最新話までの流れについて説明されている。

ジャンルの説明は無いですね、"エロボケ" の単語が登場する程度か、まあそこは漫画を読めば分かる話だしな。


前半4コマパートは、中学2年生の新クラスエピソード。

中学2年生の幕開けは、ここぞとばかり中二病ネタでスタートだ。

何か1コマ目の大ゴマ、賑やかだからか良さがありますね。八乙女ハルルが珍しく一般的な笑顔を見せてくれているし。


2本目 【第一印象】 では、2年1組の担任を務める佐久間サクヤ先生が登場だ。

新しい担任の先生だが、初登場ではないぞ! 初登場は週刊少年マガジン特別出張掲載の回だ (単行本2巻収録) 。

その後も何度か登場していたが、名前は今回初めて判明。氏家ト全先生の漫画の中ではハイカラなお名前な気がする。

"皆で楽しいクラスを作りましょうね" のセリフ、何てことないセリフのはずだが、何故か心に刺さってしまった……

学校を卒業したら二度と聞くことのないセリフだからか? 郷愁か……?

教師のお仕事としては決まり文句のフレーズなのかもしれないが、佐久間サクヤ先生が優しそうな人柄だなと感じられるし。

守りたい、この笑顔。そういう感じがある。


ちなみに2本目のオチは八乙女ハルルの下ネタ的空耳であり、八乙女カイのこのツッコミは笑った。

八乙女ハルル的に佐久間サクヤ先生はどのような先生に映っているの……!


3本目 【どんぴしゃ】 は、佐久間サクヤ先生を掘り下げる4コマ。

いきなり佐久間サクヤ先生が下ネタ側の立ち位置だと判明だ。しかもMであるとも判明、体格的にも性的嗜好的にも。

初登場時の佐久間サクヤ先生は結婚指輪をしていたけれど、その後の登場時にはしてないのよね。

どのような事情があるのか、あるいは設定が変わったのか (メタすぎる) 。

一体どのような夜を過ごしているのか描かれてほしいな……! いや、氏家ト全先生の漫画だし夜とは限らずかもですけど。


4本目5本目 【成長しているカイ】 【成長しているアユム】 は、2人の体つきが成長してきたネタ。

身体の成長とかズバリ下ネタに直結しそうなお題だが、氏家ト全先生の個性がここに出ていると感じられる2本だった。

一般的な下ネタ系ギャグ漫画作品なら、男子の成長は男子自身が包皮がむけて喜ぶ、みたいなネタになるところでしょ。

それをやらないのが氏家ト全先生の漫画の個性であり良さだよなって思うのだ。

そして本木アユムの成長はお胸であり、八乙女ハルルだけでなく、クラスメートの川村さんもその発展に気付いちゃう。

何か2年生になって急激にサイズがアップしているような気がするぜ。水着回が今年あるなら、一体どうなってしまうのか。


そして2ページにわたって武隈アキナをいじり倒す。

【疲れ気味のあなたへ】 【気になる】 【ごめんね先輩】 の全部が、武隈アキナのトイレに結びつくネタだ。

武隈アキナの疲れ目とブルーベリーサプリから、芦田ホシノがおしっこの色へと即座に話を切り替える。

ここで芦田ホシノ自身の尿に話題が転換しないのが八乙女ハルルの機転だよなあ。

芦田ホシノと八乙女ハルルの両者の間で、武隈アキナについてのイメージが固まり共有されてる感じを受ける。

サプリを飲んだ直後の真っ黄色なおしっこを出してる芦田ホシノのトイレシーンなどに話を膨らませる余地は皆無だ。

こう発言すれば八乙女ハルルが武隈アキナのトイレに話を繋げるだろうと、そこまで芦田ホシノは予想していそう。

ちなみにサプリメーカーの名前が "四八製薬" という小ネタもある、四十八手からの下ネタであろう。


次の 【プラシーボ的なヤツ】 、まさか氏家ト全先生の漫画で催眠アプリのネタをお目にかかれるとはな。

とはいえ地に足着いた現実世界が舞台の 『八乙女×2』 、本物の催眠アプリが出るはずもなく聞き違いであった。

けれど催眠アプリにかかった場合の八乙女ハルルのリアクションは拝めるぞ。

そして次のネタへの導入役でもあるとはいえ、佐久間サクヤ先生が催眠アプリとは何かを理解していることも描写された。


続く 【ぐっすりタイム】 は、佐久間サクヤ先生が主役。

決め顔で眠りの質を高めるASMR音声を薦めた1コマ目と打って変わって、4コマ目の取り乱しようが可愛いぞ。

18禁系音声作品についてまで知識があるとは……

教え子が不意にアダルトコンテンツに触れてしまいそうになったとき、このようなリアクションを見せるのだな。好き。

門脇先生だったらどのようなアクションを見せていたのだろう。


後半ショート漫画パートは、文芸部に新入部員が入部するエピソード。

風の話題から八乙女ハルルがいつもの調子でボケる実質4コマ漫画でスタートだ。

次ページのフリにもなってて、威勢の良いこと言ってた八乙女ハルルが即座にひよる即オチ2コマ的急展開が面白い。

八乙女カイの後ろに隠れてつつ顔を出してる人見知りっぷりだ。

けれど見知らぬ人が文芸部の入部希望者らしいと判断した途端、3ページ目みたいに勢いづくのが八乙女ハルルの良さか。


文芸部に連れていった見知らぬ新入生、その正体は武隈アキナの妹:武隈フユリであった!

衝撃の正体に一堂ビックリ……ということはなかった。読者的にも正体は明らかであった。何なら先月号の予告時点で予測できた。

初登場時点で道に迷っているっぽく、見た目の他に方向音痴っぽいところも武隈アキナらしさが出ていたし。

「でも先月の予告によると入部希望者らしいじゃん? 武隈フユリは入部したくなさそうじゃん?」 と思ったけどこの後入部した。


本木アユムの小学校時代の思い出として、本木ランと学校で顔を合わせるのが恥ずかしかったというトークもこぼれ出た。

本木ランにも小学生の頃はあったのだよな……まあ小学生の頃から下ネタを言ってた姿しか思い浮かばないけど。


これまでの話で武隈アキナの口から語られた妹像、そこから思うに姉妹仲はあまり良くないのでは、など思っていたが。

実際蓋を開けてみたら、ツンデレ味もある感じに姉が好きなタイプの妹な武隈フユリであった。

昔は慕っていたお姉ちゃんがポンコツな言動を見せるから、もっとしっかりしてほしくて厳しくなっちゃうのかも。

後輩に慰められる姉の武隈アキナを目にしてすぐに入部を決めて、姉妹揃って同じ構図で八乙女ハルルたちにまとわりつかれるぞ。

ていうか八乙女ハルルの "サプリ飲みます?" 発言は笑う。そのいじり方、まだ引っ張っていたのかよ。

前半4コマパートのサプリの時に、もしも武隈フユリがいたならどのような反応を見せていたのだろうか。

八乙女ハルルたちと一緒に武隈アキナお姉ちゃんをいじることは絶対無さそうだよな。

いや最初は八乙女ハルルたち側に付くかもしれないけど、メンバーの中で一番すぐに武隈アキナをトイレに行かそうとすると思う。


そして芦田ホシノはマイペースに急激な重たい下ネタだ。どういうボケ方だ。

でもドンピシャで武隈フユリの心情を皆の前で詳らかにしたのでなく予想を外したみたいに装ってもいて、優しさがあると言えるか。


後輩だからといきなり武隈フユリを "武隈" と苗字で呼び捨てにする八乙女カイ。

リアルな男子中学生らしさってやつなのか……? など思ったが、これは武隈フユリのネタへの導入であった。

武隈フユリが八乙女カイをナメそうになる一面もいきなり見せてきた。属性が多い。

そしてこの武隈の呼び捨ての漫画的意図が明らかになったのは最終ページであり、これもラブコメ的展開のフリだったか……!

初めて会ったその日から、八乙女カイから下の名前で呼ばれる武隈フユリ。

対して八乙女ハルルは小学生の頃から八乙女カイと過ごしているのに、今なお下の名前で呼ばれることは無いのであった。

八乙女ハルルは八乙女カイに下の名前で呼ばれたい。

あらすじにも書かれない秘めた欲求であり、八乙女カイに向けた八乙女ハルルの好意の存在は読者自身が読んで知るべき見所だったか。

全く無表情でセリフは "別に" なのに、こうもラブコメな展開が可能だとはな……!

第13話で "結局名前で呼んでくれないね" と、ぷんすこした表情見せていたときと心中は同じであると思う。

この仕込み、場合によってはいつかは迎えるだろう最終回で下の名前で呼ばれる、みたいな形で回収されるのかな。


今月の感想終了。

次回予告は "次回、なんと【生徒会選挙】!! 一体どうなる!?" とのことだ。

『八乙女×2』 の生徒会メンバーといえは泉ルイなので、泉ルイが主役となるエピソードが来るようだ。

生徒会役員は 『八乙女×2』 では主役ではないので、生徒会長なども別に掘り下げられていない。

さすがに2話連続で名前あり新登場人物が出るとも思えないしな…… 泉ルイが生徒会長になったりする展開はあり得るか?

やはり氏家ト全先生の前作が前作なだけに、かなり気になってしまう次号予告だ。

今月の 『八乙女×2』 第23話 感想

・今月の 『八乙女×2』 感想。

第23話 「3月は花粉症の季節」 の感想だ。

4コマ漫画パートが6ページ、ショート漫画パートが6ページ。

ページ数の配分的には通常運転ながら、今月は見所が多い回だった。



前半4コマパートは、日常エピソード。

心優しい武隈アキナのほのぼのとしたシーンで始まったのに、オチの下ネタがひどくて笑う。この凄い飛躍を見よ!

武隈アキナの一番の友人だろう芦田ホシノも "うん" とか素直に下ネタに同意してるのも面白すぎる。

芦田ホシノにとっての武隈アキナ像と一致してるの? 仮にそのまま穿くとしても、どういう表情で穿く想定なの?

想像すればえっちすぎる下ネタでもあり、開幕からフルスロットルだ。


2本目 【ホワイトな関係】 は、泉ルイと八乙女カイのホワイトデーな8コマ漫画だ!

芦田ホシノの乱入により普段の泉ルイと八乙女カイの関係でオチたけど、邪魔が入らなかったらどうなってたのだろ。

まあ普段の関係であっても、泉ルイの魅力が集約されたネタと言えよう。

素直になれない泉ルイやツンツンしてるっぽい泉ルイに、こういう怒り方をできるのも素敵だなっていう泉ルイ。

これぞ泉ルイというか、氏家ト全先生の漫画におけるメイン男子とメイン女子の掛け合い、という味わいがある。

氏家ト全先生の作品における王道ラブコメ展開、とまで言って良さそうに思う。どうか?


3本目 【春がきた】 、ここは垂れ目のモブ女性教師に注目だ!

『八乙女×2』 単行本第2巻に収録の週刊少年マガジン特別出張掲載回第18話に登場した先生ですよ。

過去にはマジでモブの役目で登場だったけど、今回は門脇先生とがっつり絡んでオチにも関係する役割だ。

普通にネームドな登場人物でもおかしくない出番! むしろそのうち名前が付きそう。

初登場時は結婚指輪をはめてましたが、今回は陰に隠れてるのか見えないですね。今後の出番にも期待だ。


4本目 【八乙女ハルル(13)】 では、八乙女カイ母が謎の職業に就いていると判明。

八乙女ハルルへの返答、どういう返しだよ。笑っちゃうね。

素直に解釈するに、八乙女カイ母が描いているのは官能小説やアダルトライトノベルの挿絵であるようだ。

イラストレーターじゃあなく普通に漫画も描いてそうと妄想が膨らんだけど、どうなのだろう。

特に根拠は無いが、男性向けのR-18作品ではなくBL作家としてのイラストなのでは、という直感が働いた。

どういう絵を描いているのか、明らかになる日は来るのだろうか?

明らかになるなら、『八乙女×2』 の連載があと5年続いて18歳になったので見せてもらえる、という形が美しいと思う。

でも八乙女カイじゃなく八乙女ハルルが母親の部屋に忍び込んで盗み見る、というのも思春期らしくて良いかもしれない。


5本目 【どっちもどっち】 は、8コマ漫画。

本木アユムの姉:本木ランも台詞ありの形で再登場だ! しかも今回は制服姿である。

回想シーンとして、第20話で見せてくれたバスタオル姿も再度拝めるし。

オンライン女子会回では高身長のスタイル抜群女子に見えたけど、今回は泉ルイと同じくらいの身長だ。

むしろ泉ルイより微妙に背が低いようにも見えるぞ? 泉ルイの背が高いのか、本木ランの背が低いのか?

2019年の統計によれば、16歳女子の平均身長は158.0cm、13歳女子の平均身長は154.8cmらしい。

まあ単に今回のコマが作劇上のデフォルメで、実際は泉ルイよりも背が高いのかもしれないけど。

他に、ぷんすこ怒る本木アユムというレアなシーンを拝める。今まで描かれたことのない、家族相手限定のレアな態度だ。


6本目 【あふれる涙】 、『フェティシズム大全』 の書名が気になっちゃう。

『フェティツズム大全』 ではないぞ、『フェティシズム大全』 だ。

氏家ト全先生の描く字はデビュー作の頃から "シ" が "ツ" に見えると言われていたが、今も変わっていないことを確認できる。

そしてこの6本目から9本目までが、先月の次回予告にあった花粉症ネタ。

八乙女ハルルが今年から急に花粉症になって、部室に加湿器が来たり、ティッシュの減る速度があがったりする。


4コマパートラスト 【なっとく】 は、「八乙女」 の苗字被りを活かした誤解ネタで嬉しいね。

ティッシュを大量消費する方の八乙女……それはどっちの八乙女なのか!?

芦田ホシノが笑みを堪えた表情を見せてくれるの良いけれど、笑いをこらえるタイプなのだなという発見がある。

下ネタに笑顔を見せてくれても良いじゃあないですか、まあその下ネタがそもそも誤解なのですけど。


後半ショート漫画パートは、何と八乙女ハルルが1人だけの浴室で過ごすほぼ全て入浴シーンだ。

氏家ト全先生の漫画でも屈指の激レアシチュエーションと言えそう。


後半1ページ目は自室でスマホをいじる八乙女ハルルであり服を着てるけど、2ページ目から最終ページまでは全裸だ。

とはいえ氏家ト全先生の漫画につき、お約束のように裸体はコマの外に押し出されてR-12指定にも届かない健全さだ。

胸元より下が描かれたのも、バスルームの曇りガラス越しの完全シルエットという徹底ぶり。

ついでに入浴のため髪をひとまとめにするシーンというフェチに刺さりそうなシーンもシルエットだ。


そしてこのショート漫画パートである意味最大の見所だろうのは、八乙女ハルルが風呂に持ち込んだ雑誌の表紙だろう。

ファッション誌っぽいこの雑誌の表紙に見えるは、氏家ト全先生の過去作 『アイドルのあかほん』 登場人物:如月カルナだ!

トリプルブッキングの如月カルナが作中雑誌の表紙グラビア役として営業スマイルを見せてくれている! やったね。

ちなみに雑誌の記事としても他のモデルが見えるけど、そちらはトリプルブッキングの誰かではなさそう。

しかしまあ、『アイドルのあかほん』 からトリプルブッキングが再登場OKなら、他作品についても期待しちゃうね。

濱中アイ』 や 『妹は思春期』 など、他の過去作品の登場人物も再登場してくれまいかと願ってしまうよ。贅沢な望みなのかな。

あるいは氏家ト全先生にとって、『アイドルのあかほん』 だけがまだ描き切っていないとか何か特別なこだわりがある作品なのかも。


排水溝にめがけて下から老廃物を出す八乙女ハルルの姿は想像するにえっちすぎると思うのですが、その展開は描かれず。

しかして実際に描かれたのは、廊下を全裸で移動する八乙女ハルルの姿であった。

懐かしい如月カルナの再登場に続いては、昔懐かし "スチームガード" も再登場だ。本当に裸か分からないくらい湯気で姿は隠された。

その光景を八乙女カイが目撃する展開ですが……八乙女カイの視界的には、一体どうだったのか。

"湯気により健全性は保たれた" と、読者的にはスチームガードで鉄壁の湯気だけど、八乙女カイの目に映ったのはどこまでだったの?

まるで何も見えなかったのか、それとも全部が丸見えだったのか。

八乙女カイや八乙女ハルル、八乙女ハルル母が次の瞬間どのようなアクションを起こしたのかは読者の想像に委ねるエンドだし。

次回で八乙女ハルルと八乙女カイの態度が何か微妙に変化していたら面白いな、という妄想も膨らんだ。


今月の感想終了。

次回予告は "次回、中2に進級。文芸部に新入生の入部希望者が来る~!!" とのことだ。

おお、先月号の感想で予想した次回予告の内容が概ね当たったぞ。やはりそうか。

とりあえず新しい登場人物が出るようだが、新入生ということ以外は不明だ。男子の可能性もあろう。

もしかして武隈アキナの妹だったりするのかな? これが一番手堅い予想だろう。

でも武隈アキナから語られた人物像的に、文芸部には入部しなさそうなのがネックだよなあ。


うーむ、過去作の登場人物に喩えて考えるなら、新入生はパリィ・コッペリンみたいな天然留学生あたりでどうか?

だが氏家ト全先生の漫画に外国籍の登場人物が出るのは、割と連載終盤になってからみたいなイメージもある。

いっそここは新しく、氏家ト全先生の漫画にいなかったタイプの王子様系女子を予想しておく。

『八乙女×2』 が週刊少年マガジンに再録で出張掲載

・前号の次号予告にあった通り、『八乙女×2』 が週刊少年マガジン2024年13号に出張掲載された。



過去にマガジンに再録で出張掲載があった時は、事前に何の予告も無かった。

しかし今回は、次号予告で掲載告知があった上での完全再録だ。

内容は全て、過去に掲載されたもの。

昨今の週刊少年マガジンでは 『八乙女×2』 に限らず、他誌に掲載済み他作品の再録が急激に増えつつある。

まさか 「誌面を埋めるのに苦労するほどマガジンでは新人漫画家を育てられていない」 という可能性がある?

昔に比べて、不定期に掲載される新人漫画家さんの読切作品も面白くないのが増えてきている気がするし。


話がずれた。

今回再録された 『八乙女×2』 の内容は、中学1年生編の4月~7月から4コマをいくつか抜粋した形での再録だ。

ショート漫画パートは無いし、4コマが全部再録されたわけでもない。

写植とかも貼り変えられてないですね。当たり前だけど、欄外のアオリ文句などは新しくなっている。

そして目次ページにある氏家ト全先生のコメントも新しいものだぞ。


この調子で行くと、今後もたびたびマガジンに 『八乙女×2』 が再録で出張掲載されるのだろうか?

個人的には、まあ 『八乙女×2』 の宣伝になってくれてよろしい気がしますね、とも思ったりするが……

やはりマガジンでの再録の多さや新人読切の不調が心配になってくる、というのが総括だ。

センターカラー付き! 今月の 『八乙女×2』 第22話 感想

・感想の前に抽選プレゼントのお知らせだ。

今月の2024年3月号の別冊少年マガジンでは、『八乙女×2』 がセンターカラー!

カラーページは単行本表紙2巻のイラスト流用なのですが、何と氏家ト全先生描きおろしの抽選プレゼント企画が来た!

抽選で3名に氏家ト全先生の直筆サイン色紙、おまけに当選者の名前を書き入れてプレゼントだ!

応募券が付くのは紙版の別マガのみだ。電子版の別マガでは応募不可。

こいつはマストバイじゃない? 買うしかないじゃない? 別冊少年マガジン、1冊770円だよ。

ちなみに 『八乙女×2』 の絵柄のクリアファイルに応募することもできる。直筆色紙かクリアファイルの選択式だ。

応募するなら色紙を選ぶ人が多いだろうので、クリアファイルは狙い目となるのかもしれない。まあ当選者数3名だが。


・そして本編、今月の 『八乙女×2』 感想。

第22話 「文芸部バレンタイン」 の感想だ。

4コマ漫画パートが4ページ、ショート漫画パートが8ページ。ショート漫画パートに多くページ数を割いてきた回である。

ちなみにセンターカラーという事で、表紙にも八乙女ハルルの姿がある。描きおろしではないけれど。



前半4コマパートは、冬の日常エピソード。

開幕のネタは、2月でもコタツである。当然のごとく、八乙女ハルルが八乙女カイ家のコタツに入り浸るぞ。

八乙女カイの方が八乙女ハルル自身よりもスカートのめくれを気にしちゃうの良いですね。

八乙女ハルルを女子としても意識してるのだなと伝わる。微塵も気にしてなさそうだった第2話の頃とは違うのだな。

八乙女ハルルの身体の固さは第17話では女子の体育の時間に描かれたので、八乙女カイが目にするのは初めてみたい。


2本目 【真理】 、"えっち" を "英知" "叡智" "叡知" と置き換えるの近年のネットの一部の流行りと感じるけれど。

氏家ト全先生の漫画では、この言い換えネタはもしかして初めてか?

八乙女ハルルは1コマ目から会話を聞いていたうえで、この下ネタ空耳をやっていそう。

スマホいじっていたのもそういう理由だと思っていると思うぜ。


3本目 【寒いのだ】 は、第20話にあった会話を踏まえたネタですね。

過去にあった出来事や会話が作品の中でもきちんと積み重なっている感じがあって良いな……

もしも 『八乙女×2』 がアニメ化したら、20話とこの22話の着太りネタは1話の中に収められそうと夢想した。

1コマ目の普段とは微妙に違う言葉遣いの八乙女ハルルにも目が行ってしまう。それほどまでに寒くてだるいのか。


4本目 【白のブラウス】 、門脇先生がついつい服装でうっかりしちゃうネタって何気に繰り返されてるね。

門脇先生自身は下ネタ側ポジションではないから、下ネタがこういう天然な形の発生にどうしてもなるのかも。

意図せず下ネタ発言をしてしまってもツッコミ入れられそうな登場人物もいないしな。


後半ショート漫画パートは、バレンタインのエピソード。

バレンタインの2日前から八乙女ハルルが真剣なまなざしで独りごちる始まりだぞ。

無論チョコを贈る相手を想っての話ではなく、15日以降に売れ残ったチョコを安く買える定番の発想ゆえの真剣さだ。

最初読んだとき何故バレンタイン前日ではないのだろうと思ったけど、2日も前からそれを言うか、ってギャグか。


芦田ホシノに言いくるめられる門脇先生の様子は、もはや描かれずカットされ2コマで終わる。既にお約束の展開なのか。

バレンタインデーと言えばチョコを "女性から男性へ贈る" のは、もう昔話なの?

友チョコとして贈り合う展開で話はスムーズに進展した。特に誰も何も異論は挟まないよ。


バレンタイン当日も、八乙女ハルルがもうノリノリ。

20%OFFのシールが貼られたチョコを取り出し "心をこめて贈ります" の一言だ。普段とは違う完全に狙ったボケじゃん。

表情もいつもと違って何だこの慈愛に満ちたような安らかな笑顔はよ……! 八乙女ハルルの表情筋も第二次性徴期かー?

チョコを用意したのは前日だろうし、バレンタイン前なのに割引品を買えてホクホクという笑顔か? とも思ったが違うはず。

まあそれはそれとして、セール品のチョコを八乙女ハルルは自分用に多数買っていそう。


氏家ト全先生の漫画では、漫画でよくあるように実在の固有名詞がちょびっと名前を変えて登場しますが。

やはりと言うか何と言うか、ポッキーは作中でボッキーの名前で登場だ。

ド定番のド王道とも言える置き換えだけれど、下ネタギャグ漫画としての面目躍如とも言えるだろう。

ちなみにボッキーを持参したのは八乙女カイ。文芸部の皆が食べる! 八乙女カイのボッキーを!

流石にこのギャグは作中ではごく普通の商品名として誰も反応しない小ネタで終わらせているので安心してほしい。


突如として武隈アキナが料理の腕も抜群で手作りチョコを作っても美味しいという個性が明らかに。

第18話を見るに運動神経も良いみたいだし、もしかしてスペックが高いのでは。

それなのに万能超人みたいな雰囲気は一切感じられないので凄いね、これが約1年積み重ねてきた武隈アキナの実績か。


本木アユムの友チョコは、魔法ビンに入れて持ち込んだホットミルクに生チョコを溶かして飲むもの。

おいおい1人だけ方向性がやっぱり違うよな……! 本木アユムの良いご家庭で育ってる感、その片鱗がまた感じられた。

この頂き方自体は "本で調べたんです" とのことで、ご家庭での実体験として知っていたわけではない様子だが……

その発想に辿り着く、本で調べるところに行きつくのが利発なお子さんって感じじゃあないかッ!

他の皆も文芸部で本で調べるところに行きついて良い同じ立ち位置だっていうのによ。

正直、このショート漫画パートで一番の好感度アップに繋がる登場人物は普通だったらド直球に本木アユムだよな。

普通の一般的漫画だったら本木アユム、お前がヒロインで優勝だ。デカい決めコマではにかんだ笑顔も見せてくれているし。


まあそのような本木アユムを前フリにして、オチをかっさらうのが八乙女ハルルであり、その直前の武隈アキナの下ネタだ。

ホットミルク (比喩ではない) が武隈アキナの顔に跳ねる! その様子はさながらBUKKAKE!

"感謝じゃなくて顔射になっちゃいましたね" と笑いを隠し切れぬ顔で言うのが、本作でおそらく正ヒロインの八乙女ハルルだ。

やはり 『八乙女×2』 は氏家ト全先生の下ネタ漫画…… 武隈アキナと八乙女ハルルの尊顔2連続こそが氏家ト全先生の作品だ。


ラストの1ページでは、泉ルイのバレンタインもフォローされちゃうって寸法よ。

ここは氏家ト全先生の天性のセンスと言うより氏家ト全先生が長年の漫画家生活で獲得した技術によるバランス感覚を感じたね。

泉ルイから八乙女カイにチョコレートを渡すのではなく、八乙女カイから泉ルイにチョコレートを渡す! これも時代の流れか。

泉ルイのポニーテールが上空に跳ねあがるギャグ描写は絵的に楽しいね。

前号の次回予告にあった "あのキャラがチョコもらえます!!" とは、泉ルイだったってことかー。正直これは上手いことやられたな。

個人的には1コマしか出てなくセリフも無いけど、本木アユムが妙に可愛くて気になる。ヒロイン力がまだ残っているのか?


今月の感想終了。

次回予告は "次回、花粉症に悩むハルルに助け船が………!!" とのことだ。

八乙女ハルルの花粉症ネタがあること以外、全てが不明だ…… ショート漫画パートのネタか4コマ漫画パートのネタかも謎である。

うーむ、しいて言うなら次号4月号での次回予告は 「中学2年生編スタート!! 文芸部に後輩が入ります!!」 あたりと予想してみる。

『八乙女×2』 単行本第2巻の内容紹介

2024年2月8日は 『八乙女×2』 単行本第2巻の発売日! 嬉しいね、そして安堵したね。

氏家ト全先生の前作 『生徒会役員共』 は、連載終了の初報が単行本の作者コメントで発表された。

この前例がある以上、雑誌で連載が続きそうと思えても単行本のコメントは油断ならないわけですよ……!

今回は無事、作者コメントでの連載終了発表はなかった! 良かった良かった。そのようなわけで2巻の内容を紹介だ。


単行本の詳細。

第1巻の収録内容は、第11話から第21話まで。

第21話は2024年1月発売号に掲載された話なので、2024年2月発売号の別マガを買えば単行本の続きから読める!

週刊少年マガジンでの特別出張掲載の回も収録されているので、マガジンを買い逃した人も安心だ。

なお、登場人物の紹介ページは無し。

表表紙の折り返しページには、氏家ト全先生の自画像と単行本コメントが掲載だ。

裏表紙の折り返しページは、八乙女ハルルのデフォルメ顔が掲載。本編でよく見る顔だけど、描きおろしっぽい。

単行本カバー下は、裏表紙側だけ情報が減って八乙女ハルル単独となっている。

背表紙は、単行本1巻同様に表紙の八乙女ハルル (一部) だ。指先までは見えないね。


そのようなわけで単行本表紙ですが、ご覧の通りだ。



八乙女カイと八乙女ハルルが背中合わせで、指を立てているポーズ。単行本1巻と2巻で同じ構図だね。

生徒会役員共』 と同様に、立てた指の本数で単行本の巻数を表している。

生徒会役員共』 4巻表紙はダブルピースだったが、『八乙女×2』 4巻でもダブルピースとなるのだろうか?

そして単行本1巻より2巻の方が、八乙女カイたちが大腿部の下の方まで写っている。身体の成長を表現した描き方だろう。

……ここまでは自分で気付いたのだけど、身長差が1巻表紙と2巻表紙で違うとは自分では気付かなかった。

言われてから見れば、そもそも表紙は背中合わせのポーズでもあるが、背比べのポーズでもあるのだった。

細かすぎるポイントとしては、表紙背景に散りばめられた 「×」 と「2」 の文字で、「2」 の場所が1巻と2巻で違う。


『八乙女×2』 単行本第2巻で一番重要なことは、描きおろしの "おまけマンガ" 2ページ付きってことですよ!

内容は、武隈アキナと芦田ホシノが本木アユムを文芸同好会の勧誘するエピソードだ。

2ページあるとは嬉しいね。描きおろしがあっても1ページかと思っていた。

言葉を噛んじゃう登場人物と言えば、氏家ト全先生の過去作 『アイドルのあかほん』 を思い出されて懐かしいぜ。


ちなみに 『八乙女×2』 単行本2巻の帯には、天草シノが登場だ (※描きおろしではない)。

ヒット作 『生徒会役員共』 の作者による漫画ですよ、という広告塔としての登場だ。

単行本1巻よりも天草シノのカットは小さいし、『生徒会役員共』 の文字サイズも小さい。

生徒会役員共』 読者へのアピールは済んだ、という感じなのか?


『八乙女×2』 単行本第3巻発売予定は、同じペースなら2024年12月か2025年1月となる計算。

久しぶりに氏家ト全先生の単行本が年に2冊出るかもですね!

第3巻では1巻発売時と同じように、別冊少年マガジンの表紙を飾って欲しいぜ。

ちなみに別冊少年マガジン表紙イラストは、単行本2巻には未収録だ。表紙なら講談社のサイトでも閲覧できるとはいえ。


なお、単行本化に際しての変更点は、普通に読んだ限りでは見付けられなかった。

ここは変更されるか? と思っていた黒松君が入部した部活や、"WELCOM" の表記なども連載時のまま。