ブログ「ローのライブラリアン」、更新を停止

法科大学院の図書館員が運営するブログ「ローのライブラリアン」が2007年4月以降の更新の停止を伝えている(2007-03-17)。運営者の島亜紀さん自身が理由を述べている。

法律家の少ない地域で市民のための法的支援に携わりたいと考えております。
その勉強を始めるため、退職し、LawLibraryでの勤務からも離れることになりました。

重宝するブログであるが、この事情を思えばやむをえない。早い時期の再開を期待しつつ、いまは島さんの夢が叶うよう祈りたい。

・「ブログ更新停止のお知らせ」(ローのライブラリアン、2007-03-17)
http://lawlibrary.blog28.fc2.com/blog-entry-227.html
・ローのライブラリアン
http://lawlibrary.blog28.fc2.com/

鹿児島大学附属図書館、奄美古文書所在目録データベースを公開

鹿児島大学附属図書館が奄美古文書所在目録データベースを公開した(2007-03-16)。奄美古文書は江戸時代に薩摩藩による焼却処分により失われたと思われていた古文書群だが、鹿児島県歴史資料センター黎明館の調査によって県内を中心に各地の図書館等に約1万点が残っていることが明らかになっている。このデータベースでは発掘された1万点のうち約8000点の所在情報を検索できる。

奄美古文書所在目録データベース
http://reo.lib.kagoshima-u.ac.jp/~amami/
・「奄美古文書所在目録データベースを公開」(図書館からのお知らせ、2007-03-16)
http://www.lib.kagoshima-u.ac.jp/modules/news/article.php?storyid=340
・「鹿大ジャーナル」167(2004-11)
http://www.kagoshima-u.ac.jp/pub/koho167/
・鹿児島県歴史資料センター黎明館
http://www.pref.kagoshima.jp/reimeikan/
鹿児島大学附属図書館
http://www.lib.kagoshima-u.ac.jp/

広島大学高等教育研究開発センター、RIHEメールマガジンの配信を終了

広島大学高等教育研究開発センターが2003年10月から発行してきたRIHEメールマガジンの配信を終了した(2007-03-12)。同大学が拠点となっている21世紀COEプログラム「21世紀型高等教育システム構築と質的保証」が2006年度で終了することに伴い配信停止となったという。RIHEメールマガジンの創刊は2003年10月6日。以来、約3年半の間に毎月1回発行されてきた。最終的な発行部数は800通になったという。
事実の羅列のみといった平板なメールマガジンが多い中、毎回充実した記事を誇っていただけに終了は惜しまれる。しかし、最終版となる第42号には、

しばらくは、従来の編集体制やコンテンツ等を見直し、読者の方々や寄稿者の方々に喜んでいただける高等教育のメルマガとは何かを初心に返って考えてみることにします。その解が見つかった時、再びお目にかかりたいと思っています。

とあり、再開の可能性がゼロというわけではないようだ。時間をおいての再開を心から期待したい。

・RIHEメールマガジン
http://rihe.hiroshima-u.ac.jp/m_mag.php
・「RIHEメールマガジン」第42号(2007-03-12)
http://rihe.hiroshima-u.ac.jp/viewer.php?i=235
・「RIHEメールマガジン」第1号(2003-10-06)
http://rihe.hiroshima-u.ac.jp/viewer.php?i=75
21世紀COEプログラム「21世紀型高等教育システム構築と質的保証」
http://rihe.hiroshima-u.ac.jp/html/center_021_1.html
広島大学高等教育研究開発センター
http://rihe.hiroshima-u.ac.jp/

鹿児島大学附属図書館、更新情報のRSS配信サービスを開始

鹿児島大学附属図書館が更新情報のRSS配信サービスを開始した(2007-02-07)。同図書館が配信しているRSSは、

  1. 電子ジャーナルRSS
  2. 附属図書館新着情報RSS

の2種類。これだけなら特段のニュースではないが、「NEWSヘッドライン」のコーナーを新設し、第三者RSS経由で配信している情報を表示している点が新しい。このACADEMIC RESOURCE GUIDE (ARG)のRSSも活用していただいているが、図書館ですべてを抱え込むのではなく、目利きとしての図書館員の力を発揮し、外部のリソースを活用・紹介することは一つの見識だ。

・更新情報のRSS配信サービス
http://www.lib.kagoshima-u.ac.jp/modules/xfsection/article.php?articleid=117
・NEWSヘッドライン - ACADEMIC RESOURCE GUIDE (ARG)
http://www.lib.kagoshima-u.ac.jp/modules/xhld1/index.php?id=7
鹿児島大学附属図書館
http://www.lib.kagoshima-u.ac.jp/

ブログ「東大理学部生物学科図書室」、公開

東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻・理学部生物学科図書室がブログ「東大理学部生物学科図書室」公開している(2006-12-06)。東京大学の図書館のブログとしては、2005年9月27日から始まった東京大学薬学図書館の「東大薬学図書館にっき」に次いで二例目となるだろうか。ただし、「東大薬学図書館にっき」は担当者の異動により2006年6月30日で終了している。その経緯や経験は「情報の科学と技術」56-11(2006-11)に掲載された山崎裕子さんの「図書館ブログの運営−「東大薬学図書館にっき」を例として」に詳しい。ブログ「東大理学部生物学科図書室」には、こうした先行事例に学びつつ、独自のスタイルを確立し継続していってほしい。

・東大理学部生物学科図書室
http://biolib.seesaa.net/
・「生物学科図書室です」(東大理学部生物学科図書室、2006-12-06)
http://biolib.seesaa.net/article/29036099.html
東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻・理学部生物学科図書室
http://www.biol.s.u-tokyo.ac.jp/users/library/library.html
・「東京大学薬学図書館、ブログ「東大薬学図書館にっき」を公開」(新着・新発見リソース、2005-12-18
http://d.hatena.ne.jp/arg/20051218/1134896609
・東大薬学図書館にっき
http://d.hatena.ne.jp/yakutosho/
東京大学薬学図書館
http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~ytosho/index.htm
山崎裕子「図書館ブログの運営−「東大薬学図書館にっき」を例として」(「情報の科学と技術」56-11、2006-11)
http://www.infosta.or.jp/journal/200611j.html#7

みすず書房、サイトをリニューアル

みすず書房がサイトをリニューアルした(公開日不明)。書籍の表紙のみならず背表紙、裏表紙の画像を公開している点には、これまで刊行したきた本一冊一冊への思い入れが感じられる。
書籍ごとのページでは、「この本を購入する」という欄が設けられ、

みすず書房ホームページで購入
紀伊國屋書店BookWebで購入
Amazon.co.jp で購入
オンライン書店ビーケーワンで購入
7&Yオンライン書店で購入

という形でオンライン書店へのリンクがある。本を一冊でも売るためのこういう当たり前の努力をしない出版社が少なくない中、さすがにみすず書房といったところだろうか。また、著訳者のデータも充実している。たとえば、

・著訳者一覧 - 丸山眞男
http://www.msz.co.jp/book/author/13994.html

の場合、丸山眞男の著書だけでなく、その略歴も掲載されており、人名事典としても役立つだろう。ぜひ著訳者一覧だけで独立したトップページを設けてほしい。あえて難点を挙げれば、検索エンジンで探しやすくなるようにする配慮が若干不足しているところだ。これほど優れた内容を持つだけに、検索エンジン最適化(SEO)を徹底してほしい。

みすず書房
http://www.msz.co.jp/
・「ウェブサイトをリニューアルいたしました」
http://www.msz.co.jp/news/misuzu/20070314_renewal.html

2007-03-28(Wed): 最近の「デジタルアーカイブ百景」

サイト「アートスケープ」の笠羽晴夫さんの連載「デジタルアーカイブ百景」をまとめ読み。数か月分、呼んでいなかった……。

・「残っていることへの感謝」(アートスケープ、2006-12)
http://www.dnp.co.jp/artscape/artreport/hyakkei/0612.html
・「「今も未来の過去」 デジタルアーカイブがつくる北海道」(アートスケープ、2007-01)
http://www.dnp.co.jp/artscape/artreport/hyakkei/0701.html
・「リンクすると鹿児島が見える−デジタルアーカイブの力」(アートスケープ、2007-02)
http://www.dnp.co.jp/artscape/artreport/hyakkei/0702.html
・「青森 今の熱さをアーカイブ」(アートスケープ、2007-03)
http://www.dnp.co.jp/artscape/artreport/hyakkei/0703.html

特に「青森 今の熱さをアーカイブ」の次の文章は深い。デジタルアーカイブは自分には関係ないと思っている展示施設の関係者にはぜひ読んでほしい。

デジタルアーカイブの立ち上げ方にはいろいろある。収蔵物に関するデータベースを構築しそれを公開する、というかたちばかりではない。ミュージアムをオープンする段階の記録をアーカイブしておくことも大変有効なことがわかってきている。とりわけ著作権がまだ存在しデータの公開許諾を取得できない、あるいはその形態から静止画像でも動画像でも記録しにくいなど、さまざまな困難がある場合、いわば2次的な情報でもアーカイブしておくことには意味がある。またそれは、地域によっては、人々がその地域をどう認識しどう活動したのかを物語る情報発信ともなりうる。
すなわち、当初その対象と考えたもののデジタルアーカイブが不可能なときに、できるものだけ拾って記録しておくというのも、アーカイブのまたデジタルアーカイブの本質である。