41. D-グルコースはどれか。
- 正解
- a
- 解説
- グルコース(Glucose)は分子量約180の単糖で、1位にアルデヒドをもつアルドヘキソースに分類される。直鎖型では2位から5位まで4つの炭素がいずれも不斉炭素であり、16種類の立体異性体をもつ。D-グルコースは水酸基の向きが2位から5位に向かって右左右右である。1位がアルデヒド、2位から6位までに水酸基があり、「みぎひだりみぎみぎ」の順のものを選ぶ。bは1位がカルボキシル基(アルドン酸)のうちグルコースと同じ水酸基の配置をもつD-グルコン酸である。cは6位が酸化されてカルボキシル基になった物でウロン酸(グルクロン酸)dはアルデヒドが還元されたもので等アルコール(ソルビトール)eは六炭糖ケトースのD-フルクトースでD-グルコースとは構造異性体の関係にあります。
43. アノマー炭素はどれか。
- 正解
- a
- 解説
- ヘミアセタールを作ることで新たに不斉炭素となるものをアノマー炭素といいます。グルコースの場合は1位がアノマー炭素に該当します。
50. ヘパリンの構造上の特徴はどれか。
- 数残基ごとにα1-6結合の枝分かれがある。
- グルコースのホモ多糖である。
- 極めて疎水性が高い。
- 高度に硫酸化されている。
- プロテオグリカンの軸を構成する。
- 正解
- d
- 解説
- ヘパリンはD-グルコサミン、L-イズロン酸、D-グルクロン酸よりなる多糖のN-硫酸、N-アセチル、o-硫酸置換体。二糖単位の中で硫酸基を多く含む。典型的にはイズロン酸とNアセチルグルコサミンがβ1-4結合でつながった二糖単位がα1-4結合で直鎖状となる。イズロン酸はL-体である。小腸や肺に多く、巨大分子として合成された後に酵素消化されて低分子量化される。血液中のアンチトロンビンIIIによる血液凝固阻害を促進する。また、リポタンパク質リパーゼを血管内皮細胞表面から血液中に放出する作用を有する。 ヘパラン硫酸(HS)はヘパリンに似るが、組成は不定で硫酸基が少ない。 プロテオグリカンの軸になるのはヒアルロン酸(グルクロン酸β1-3N-アセチルグルコサミンがβ1-3で結合)である。
54. グリコサミノグリカンの特徴はどれか。
- 多数の枝分かれ
- ホモ多糖
- 強い疎水性
- 比較的均一
- 硫酸基を含む
- 正解
- e
- 解説
- グリコサミノグリカンは様々な糖質の誘導体による直鎖状のヘテロ多糖で様々な程度の硫酸化を受けているものが多く、比較的不均一である。親水性が高く高度に水和することで、組織中でクッションの役割をする。ムコ多糖と呼ばれ、プロテオグリカンに含まれる。
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