40. グルコースの特徴として正しいのはどれか。

  1. 非還元糖である。
  2. アルデヒド基をもつ。
  3. フルクトースのジアステレオマーである。
  4. 五炭糖である。
  5. 分子量は約1800である。
正解
b
解説
グルコースは単糖で、分子量約180,六炭糖のアルドースである。還元棟であり、フルクトースとは構造異性体の関係にある。

41. D-グルコースはどれか。

正解
a
解説
グルコース(Glucose)は分子量約180の単糖で、1位にアルデヒドをもつアルドヘキソースに分類される。直鎖型では2位から5位まで4つの炭素がいずれも不斉炭素であり、16種類の立体異性体をもつ。D-グルコース水酸基の向きが2位から5位に向かって右左右右である。1位がアルデヒド、2位から6位までに水酸基があり、「みぎひだりみぎみぎ」の順のものを選ぶ。bは1位がカルボキシル基(アルドン酸)のうちグルコースと同じ水酸基の配置をもつD-グルコン酸である。cは6位が酸化されてカルボキシル基になった物でウロン酸(グルクロン酸)dはアルデヒドが還元されたもので等アルコール(ソルビトール)eは六炭糖ケトースのD-フルクトースでD-グルコースとは構造異性体の関係にあります。

42. 不斉炭素原子でない炭素原子はどれか。

正解
f
解説
図はヘミアセタールを作り環状になったグルコースです。aが1位の炭素で図は水酸基が上向きのβアノマーです。それぞれの不斉炭素原子の水酸基が1つだけ逆を向いている関係をエピマーといいます。2位(b)の水酸基が上を向いているものをD-マンノース。3位(c)が下を向いているものをD-アロース、4位が上を向くものをD-ガラクトース、5位が逆向きになっている場合はL-イドースといい、いずれもD-グルコースとエピマーの関係にあります。6位(f)は水素が2つついているので不斉炭素ではありません。

44. グルコースのジアステレオマーはどれか

  1. グルコサミン
  2. シアル酸
  3. フコース
  4. ガラクトース
  5. ラクトース
正解
d
解説
ジアステレオマーとは不斉炭素に基づく立体異性体のうちエナンチオマー以外のものをいう。エピマーはすべてジアステレオマーである。a:グルコサミンはグルコースの2位水酸基がアミノ基に置き換わったもの。b:シアル酸はN-アセチルマンノサミンの1位にピルビン酸が結合した構造です。c:フコースは6位のデオキシ糖でL-型が特徴です。d:ガラクトースグルコースと4位のエピマーの関係にあります(正解肢)e:ラクトースグルコースの4位にβ配置のガラクトースグリコシド結合でつながった二糖です。アルドヘキソースはdのガラクトースのみです。

45. D-グルコースの構造を示す。D-グルコースとエピマーの関係にあるものを全て選びなさい。

正解
b, e
解説
エピマーとは不斉炭素に基づく異性体のうち水酸基の向きが1カ所だけ異なっているものを指す。aはD-グルコース鏡像異性体(エナンチオマー)の関係にあるL-グルコース、bはグルコースの4位エピマー(ガラクトース)、cはケトースのフルクトース(構造異性体)、dは1位がカルボキシル基になっていることからD-グルコン酸(異性体ではない)、eは2位のエピマー(マンノース)です。

48. グルコースの1位の酸化により生ずるのはどれか。

  1. グルクロン酸
  2. シアル酸
  3. グルコン酸
  4. 2-デオキシリボース
  5. ソルビトール
正解
c
解説
グルコースの様なアルドースは酸化されやすく、特に1位のアルデヒドが酸化されカルボン酸を生じる反応は糖質の還元性を生じる重要な反応である。アルドースの1位が酸化されて生じるカルボン酸をアルドン酸という。グルコースの場合はグルコン酸という。6位が酸化されて生じたカルボン酸をウロン酸といい、グルコースの場合はグルクロン酸という。

49. フェーリング試薬で検出できるのはどれか。

  1. アミロース
  2. ガラクトース
  3. ソルビトール
  4. スクロース
  5. セルロース
正解
b
解説
フェーリング試薬は糖質の還元性を調べる試薬である。青色の試薬であるが、還元糖と反応して酸化第一銅の赤褐色の沈澱を生じる。多糖は還元性を示さない。二糖でも還元末端同士でグリコシド結合を作っているスクロースやトレハロース(グルコースがα1−α1で結合)では還元性を示さないので検出出来ない。ソルビトールも糖アルコールであり還元性がない。アミロースセルロースは多糖であるため還元性は示さない。

50. ヘパリンの構造上の特徴はどれか。

  1. 数残基ごとにα1-6結合の枝分かれがある。
  2. グルコースのホモ多糖である。
  3. 極めて疎水性が高い。
  4. 高度に硫酸化されている。
  5. プロテオグリカンの軸を構成する。
正解
d
解説
ヘパリンはD-グルコサミン、L-イズロン酸、D-グルクロン酸よりなる多糖のN-硫酸、N-アセチル、o-硫酸置換体。二糖単位の中で硫酸基を多く含む。典型的にはイズロン酸とNアセチルグルコサミンがβ1-4結合でつながった二糖単位がα1-4結合で直鎖状となる。イズロン酸はL-体である。小腸や肺に多く、巨大分子として合成された後に酵素消化されて低分子量化される。血液中のアンチトロンビンIIIによる血液凝固阻害を促進する。また、リポタンパク質リパーゼを血管内皮細胞表面から血液中に放出する作用を有する。 ヘパラン硫酸(HS)はヘパリンに似るが、組成は不定で硫酸基が少ない。 プロテオグリカンの軸になるのはヒアルロン酸(グルクロン酸β1-3N-アセチルグルコサミンがβ1-3で結合)である。

51. ヒトが栄養素として利用できないのはどれか。

  1. スクロース
  2. マルトース
  3. アミロース
  4. セルロース
  5. グルコース
正解
d
解説
スクロース(ショ糖)はフルクトースとグルコースが還元末端同士で結合している。αグルコシダーゼ、またはβフルクトシダーゼで単糖単位となり栄養素として利用出来る。マルトースはαグルコースが1−4結合でつながる。α−グルコシダーゼでグルコースになる。

52. α1-6結合を含むのはどれか。

  1. スクロース
  2. マルトース
  3. アミロース
  4. セルロース
  5. グリコーゲン
正解
e
解説
a:グルコースα1-β2フルクトース、b:2分子のグルコースがα1-4結合。c:多数のグルコースがすべてα1-4結合する。d:多数のグルコースがβ1-4結合で直鎖状につながる。e:多数のグルコースがα1-4結合でつながり、約10残基ごとにα1-6結合の枝分かれがある。(正解肢)

53. β1-4結合を含むのはどれか。

  1. スクロース
  2. マルトース
  3. アミロース
  4. セルロース
  5. アミロペクチン
正解
d
解説
a:グルコースα1-β2フルクトース、b:2分子のグルコースがα1-4結合。c:多数のグルコースがすべてα1-4結合する。d:多数のグルコースがβ1-4結合で直鎖状につながる。(正解肢)e:多数のグルコースがα1-4結合でつながり、二十数残基ごとにα1-6結合の枝分かれがある。

54. グリコサミノグリカンの特徴はどれか。

  1. 多数の枝分かれ
  2. ホモ多糖
  3. 強い疎水性
  4. 比較的均一
  5. 硫酸基を含む
正解
e
解説
グリコサミノグリカンは様々な糖質の誘導体による直鎖状のヘテロ多糖で様々な程度の硫酸化を受けているものが多く、比較的不均一である。親水性が高く高度に水和することで、組織中でクッションの役割をする。ムコ多糖と呼ばれ、プロテオグリカンに含まれる。

55. α1-4結合を示しているのはどれか。

正解
d
解説
それぞれ、aはグルクロン酸β1-3Nアセチルグルコサミンでヒアルロン酸の構造である。bは同じくグルクロン酸β1-3Nアセチルガラクトサミンでコンドロイチン硫酸である。cはグルコースα1-β2フルクトースで、ショ糖である。dはグルコースα1-4グルコースアミロースの構造である。eはグルコースβ1-4グルコースセルロースを示している。