いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



放課後トゥーランドット (一迅社文庫)

「放課後トゥーランドットみかづき紅月一迅社文庫
放課後トゥーランドット (一迅社文庫)

再会した幼なじみの彼女は学園の独裁者?!
始業式の直後に生徒会長を糾弾して追い落とし、自ら学園権力を握った彼女の名前は姫ノ咲楼蘭。ドイツ帰りの帰国子女。
サムライ魂を胸に秘めた楼蘭が掲げる『部活道不覚悟制度』の旗印のもと、活動実績の無い部活が淘汰される中、なんと僕の吹奏楽部と渚さんの演劇部も文化祭で公演の一つもしなければお取りつぶしの危機に。
え、オペラ公演のために僕は楼蘭をスカウトしてくる任務なの? しかも、そのために、彼女が出す「答えのないなぞなぞ」を解かねばならない!?
青春と音楽、そして恋。吹奏楽部と演劇部を守るための僕たちの戦いが始まる。


やあ、これはいいツンデレといい天然ですね。
楼蘭は典型的なお嬢様ツンデレで、デレ成分が適度に少ないのが素晴らしい。
対する渚は天然系。ノリの良さとバカじゃないのがいい。やっぱ天然は、頭は良いけどどこか抜けているキャラがベストだ。
ただ、キャラは良かったけどストーリーが微妙。
中盤までは楼蘭の正義の基準に一貫性がなくて首をひねる場面や、イベントが突拍子がなくてポカーンとなる場面がちらほら。
後半は千尋楼蘭、渚の距離が縮まっていく様子と3人で一つの舞台を作り上げていく過程は青春ものらしくて良かったのだけど、如何せん駆け足なので三人の心理描写が足りない気がする。楼蘭のトラウマの克服はもっと丁寧に扱って欲しいイベントだった。
キャラが良かっただけに、もう少し話を作りこんで欲しかったなぁと感じる作品だった。