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枳棘庵漫画文庫 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2009年-11月-13日

第一部、完!

「更新が途絶えたのに、blogだけ生き残っているなんて滑稽だわ」

 いや、全くその通りで。

 しばらく忙しくしておりましてすっかり更新をせんでおりましたが

 さすがに放置してスパムコメントばかりが増えていくその様子を

 傍観するのも忍びないので一度仕切り直しをしようと思います。

 というわけで、引っ越しをします。

 ちょいと名前を変えての再出発ですが、もしまだ見ている人がいたら

 まあ、時間のあるときにでも見てやって下さいな。

 →引っ越し先

2009年-04月-20日

東冬『嵐ノ花 叢ノ歌』1巻

嵐ノ花 叢ノ歌 (アラシノハナ ムラクモノウタ) (1) (リュウコミックス)

嵐ノ花 叢ノ歌 (アラシノハナ ムラクモノウタ) (1) (リュウコミックス)

 

 まず、とにかく美麗で繊細、達者な画に引き込まれる作品。その筆が描くのは動乱の満州国を舞台に、中国の古き神々の名を持つ「神農」の一族と、それを追う者達の中国の物語。

 日本と中国の神話に連なる要素・意匠が数多くちりばめられ、創世神話をめぐる伝奇物語であります。

 古い神々の名を持ち、その血脈に歴史の秘密を取り込んでいる神農一族。鑪師・傀儡師の技術によって創り出された日本軍の秘密兵器「蔵王」。いわくありげな軍人や特務機関、などなど、心躍る登場人物・設定の数々。

 しかしあくまでその動乱の時代を描くことが主眼ではなく、その時代の中での人物達の秘密と謎を秘めた人物、そして彼等の歴史を描くことを主としております。

 というわけで、神農一族の少女「真珠血」と、その神農が生み出した「渾沌」と、「蔵王」の戦いに巻き込まれて記憶を失った少年「シュテン」。この二人の出逢いが「血」と戦乱の物語を紡いで行くことになりそうです。

 満州国、という言葉や神話などに心くすぐられる人には特にお勧め。

2009年-04月-09日

千石寛子『背伸びして情熱』

背伸びして情熱 (まんがタイムKRコミックス エールシリーズ)

背伸びして情熱 (まんがタイムKRコミックス エールシリーズ)

 教師に告白した男子生徒と、告白された女教師の心の揺れを描く表題作と、実の姉弟間の恋愛の葛藤を描く「赤くない糸」、この2作品を中心に、他7編を収録した連作4コマ漫画集。

 切なくもあり、痛々しくもあり、しかしほんのり甘く暖かくもあり、そして透明感がある恋愛を描いていて、ぎゅっとハートを掴まれます。

 特に「背伸びして情熱」「赤くない糸」については4コマである必要は無いんじゃないかしら、と思う作品ではありますが、そこに描かれた心の機微を描く筆の繊細さ要注目。

 その他の短編連作では、喋る酒瓶が可愛らしくもちょとジンと来る「お酒さん」が好きです。

 今後の作品がものすごく気になるデビュー単行本であります。

2009年-04月-01日

09年4月購入予定

 この世のことはみんな嘘、ただ明日来る鬼だけが本当――でありますので、四月馬鹿だからといって別に何もなく。

 色々あって先月はほとんど更新がありませんでしたが、今月はぼちぼち頑張ります。そんなわけで今月の購入予定。

  • 4/3
    • 宇佐悠一郎『放課後ウィンドオーケストラ』3巻(集英社)
  • 4/7
    • 綱島志朗『オリハルコン・レイカル』3巻(富士見書房
    • 千石寛子『背伸びして情熱』(芳文社
    • 青木俊直『なのはなフラワーズ』1巻(芳文社)
    • ボマーン『ヒントでみんと!』2巻(芳文社)
  • 4/11
    • 一文字蛍『転成神機メロウガイン』1巻(フレックスコミックス)
    • 内田征宏『神様のパズル』2巻(フレックスコミックス)
    • 草野紅一『お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!』(双葉社
    • 浜田よしかづ『つぐもも』2巻(双葉社)
    • むつきつとむ『いきなり☆ねこキック』1巻(芳文社)
  • 4/27
    • 緋鍵龍彦『唐傘の才媛』1巻(AMW)
    • 森ゆきなつ『いんどあHappy』2巻(竹書房)
    • うおなてれぴん『まん研』2巻(芳文社)

 ――何だか妙に購入点数の多い月となりそうですけれども、そんな中で個人的に一番の注目は岡戸達也『DoLL』。男と女とダッチワイフ。そんな奇妙な三角関係(?)。

 続刊ものとしては、いけ『ねこむすめ道草日記』、『空色動画』がやはり楽しみ。

 あと、原作も連載も未読ですが、山田風太郎ミーツ長谷川哲也という『アイゼンファウスト』がものすごく気になります。この組み合わせはインパクトでかいなあ。

 今月も頑張って生きていきます。そして読みます。

2009年-03月-30日

伊藤悠『シュトヘル』1巻

シュトヘル1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

シュトヘル1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

 十三世紀初頭・モンゴル軍の西夏侵攻を背景に、「悪霊(シュトヘル)」と呼ばれる西夏の女戦士と、チンギスハーンの胤であるモンゴル従属部族長の息子・ユルール出逢いから始まる生と死と戦いの物語。

 ひ弱で役立たずな一兵卒だったシュトヘルがどうやってモンゴル軍に恐怖と憎悪を与える戦士になるのか、モンゴル軍の先鋒として西夏を焼き払っていく中、その西夏が持つ文字に惹かれたユルールがどうなっていくのか、多くの戦いとそこで喪われるものを通じて、シュトヘルとユルールの運命の歯車が動き出す様を描き出しております。

 しかしまあ、一巻終了時では物語は導入も導入、といったところで、この1巻時点では「現代」を物語に絡ませる必要があったのかしら――という疑問符はついたまま。

 モンゴルの西夏攻め・西夏文字、とどう料理するのか非常に興味深い題材を採っているのだから、焦点を絞った方が良かったんじゃないかしら、と思ったりもしますが、今後の展開でそれを払拭してくれることを期待。

2009年-03月-29日

カトウコトノ『将国のアルタイル』4巻

将国のアルタイル(4) (シリウスKC)

将国のアルタイル(4) (シリウスKC)

 ポイニキア陥落後、その同盟国であるヴェネディックに対して援軍を送らなかった事を問い詰めるマフムート。しかし、彼の言葉は国家の存続と利益を冷静に判断する元首に否定されるのでありました――。

 青い、青いよ! マフムート!

 しかし、そんな彼がその理想から来る青さを自覚した上で、現実的な手段を取れるように成長していくのがやはり魅力的。彼の世界と才が大きくなっていく様にはワクワクと気持ちよさがあります。

 人たらしの才も覚醒しはじめたマフムート次なる活躍に大期待。

 そしてこの4巻には作者のデビュー作である「アナスタシアの親衛隊」も収録。逃亡する皇女アナスタシアを護る最後の一人となった親衛隊と皇女の交流を描いた64Pの短編。ちょっとビターだけれどほの暖かいこちらも作者の力量を感じる良作であります。

2009年-03月-26日

三上小又『ゆゆ式』1巻

ゆゆ式 (1) (まんがタイムKRコミックス)

ゆゆ式 (1) (まんがタイムKRコミックス)

 いやー。すごいなー。ゆるーいけれどもすごい作品であることだなあ。

 特段の事件や物語もなく、女の子3人が仲良くつるんでいる様をゆるゆると描いておりますが、これが大変にかわいらしくて、そして驚くべきセンスがあふれております。

 ゆずこの行動の突拍子の無さ、縁の感性のワンダーっぷりが、無意味なんだけれどもものすごくユニークで、そのユニークさがまたかわいらしさをまとっていて、何というかもう大変に大変でステキ。天才的ですよこれは。

 特に71Pの「水って…何?」という感性のゲシュタルト崩壊的なものがゆずこに伝染するネタとか、すごいなあ、と。

 突拍子もない行動で物事のスタートを切るゆずこ、ユニークな思考でほわほわと、しかし思い切りブーストをかける縁、それを(いろんな形で)受け止めて収束させる唯、と3人のキャラ立ちをはっきりさせた上で、バリエーションある――と言うよりは寧ろフリーダムにスピンアウトしていく――ネタ展開も侮れません。

 そんな3人が戯れている様はなんとも微笑ましくて、思わず頬が緩むこと請け合いです。

 いやー、実にかわい楽しい作品で強烈にお奨めでありますよ。

2009年-03月-25日

春日旬『あねとむち』

あねとむち (MFコミックス フラッパーシリーズ)

あねとむち (MFコミックス フラッパーシリーズ)

 弟への愛が暴走するお姉さんは、その教育のために鞭をふるったり、ご褒美のアメをあげてみたり。

 指導を受ける際はメガネで巨乳のおねーさんにぶたれるなんて、そりゃあ「アメとムチ」ではなくて「アメとアメ」である、としか言いようがない。

 大変にバカバカしいお話で「バカだなー」と思いながら軽く読めるギャグ漫画ですが、そのギャグよりも、メガネのおねーちゃんが妙なテンションでおかしなボケ・ツッコミを連発するくだらなさと、そのくだらなさに似ない達者な画というアンバランスさが一番の可笑し味を醸しております。

 こんだけ肉感的で可愛らしいな女の子を出して起きながらこういうくだならい方向に突っ走っているというのは贅沢な作風だなあ、と思ったり。