Accenture「新興経済の銀行がインクルーシブになることでいかに収益を上げつつ成長できるか」

アクセンチュアが公開しているレポートをご紹介します。


Within Reach: How banks in emerging economies can grow profitably by being more inclusive(PDFファイル)


開発途上国におけるファイナンシャルインクルージョンをビジネスの機会*1ととらえ、銀行がどう対処していけばいいかが考察されています。


横軸に商業的持続性を、縦軸に規模をとり、ファイナンシャルインクルージョンに対する銀行のモチベーションを整理したのが次の図です(p. 8)。



各段階は次のように描写されています。

  • A: 慈善事業やCSRなど、本業と関係が乏しい限定的な関与にとどまる段階
  • B: 規模は広がったが、当局の命令や指示にしたがって受け身で取り組んでいる段階
  • C: 銀行として、短期的な収益や成長のチャンスを限定的に追求している段階
  • D: 収益をあげながら、長期的かつ広範囲に関与しているインクルーシブな段階


どの銀行もインクルーシブな段階を目指してくれるのであれば、コンサルタントにとって非常に好ましい展開が期待できますね。

23ページのINSIGHT 6では、ファイナンシャルインクルージョンに向けて銀行が採るべき戦略が、以下の切り口からハイレベルで簡潔にまとめられています。

  • データ分析
  • 組織文化
  • リスク管理
  • 人材獲得・開発
  • 基幹システム


Accenture「ニューヨークのフィンテック
http://d.hatena.ne.jp/branchlessbanking/20150705/1436102538

Accentureフィンテックと銀行の未来」
http://d.hatena.ne.jp/branchlessbanking/20150419/1429427603

Accenture「銀行業のデジタルな変容」
http://d.hatena.ne.jp/branchlessbanking/20150322/1427025812

*1:アクセンチュアの試算によると、銀行は2020年までに、新興市場から3,800億USドルの収入を上げることができるといいます(p. 5)。