現代語訳・源氏物語を読む
随分と涼しくなってきましたね(^^)
前回は林真理子さんをお届したのですが、
今回は『源氏物語』を特集してみようかと思います。
今年は『源氏物語』が描かれてから千年目の年。
色々なメディアで紹介されているので、
このことをご存じの方は多いと思いますが、
改めてこの壮大なスケールの物語を読み返してみましょう。
では、まず手始めに・・・
超初心者の方や
興味はないけど読まなくちゃいけない!(笑)という学生の方へ
大和和紀さんの『あさきゆめみし』(講談社まんが文庫全七巻)を
おススメします。
- 作者: 瀬戸内寂聴
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/01/12
- メディア: 文庫
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- 作者: 大和和紀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/07/31
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『源氏物語』を原文で読むのは至難の業。
その点寂聴さん訳はとっても読みやすくて、
昼メロを見ているような感覚で読めてしまいます。
『あさきゆめみし』も同様。
こちらの方がマンガである分更にイメージし易いかも
しれません。
余談ですが、寂聴さんの『源氏物語』は箱入りハードカバーが
おススメかも。とっても美しい表装で、
お部屋の本棚に飾っておくだけで箔が付きます。
わたくしこの本の刊行当時京都の書店にいたので、
沢山売らせて頂きました(^^)
『源氏物語』は寂聴さん以外にも訳をされています。
代表的なところでいきますと、
といったところでしょうか。
其々個性ある口語訳をされていて大変面白く、
読み比べをしてみるのもまた興味深いと思います。
短歌により焦点を当てています。
自身の歌が各章ごとに散りばめられた香り高い文体を愉しめます。
主人公にちょっと批判的(笑)
けれども、さすがは谷崎潤一郎。
豊かな表現力で原文に忠実に訳された麗しい文体です。
田辺さんは谷崎潤一郎とは打って変わって
光源氏大好き(笑)
とっても庶民的な感じのする源氏物語が楽しめます。
円地さんの訳はとっても艶麗な文体にもかかわらず、
読みやすくなっています。
『源氏物語』を更に追及したい方には
これらの本もおススメです。
口語訳以外にも『源氏物語』は
エッセイや評論など数多くの本が出版されています。
海外に及ぼした影響も量り知れず、
フランス人女性作家マルグリット・ユルスナールは
『東方綺譚』(白水社Uブックス)という短編集の中で
『源氏物語』の中の「雲隠」の章の補足をしています。
死にゆく源氏に最後に寄り添ったのは花散里だという物語です。
他には同じくフランス人で二十世紀を代表する作家の一人と
言われるマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』
も源氏物語に一番近い文学だと言われています。
本当に凄い影響力ですね。
話がどんどんそれてしまいそうですが、
最後に一点だけ。
- 作者: 俵万智
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/04/10
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俵さんはこの本で2003年に紫式部文学賞を受賞されています。
短歌に重点を置かれたエッセイなんですが、
万智訳(!)をされていて大変興味深いです。
ところから考えると、さすがは俵さんといったところでしょうか。
源氏物語の入門書としても最適です。
いかがだったでしょうか?
今回は少し長くなってしまったのですが、
『源氏物語』に関するお話は沢山あって、
書ききれなかった部分もあります。
またいつか特集してみたい記事ですね。