Hatena::ブログ(Diary)

老兵は黙って去りゆくのみ

2017-05-23

じじぃの「パレイドリア効果・脳が現実と空想を混同してしまう幻覚!フューチャー・マインド」

06:08

What Is Pareidolia? 動画 YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=Af1kWzTbIjo

雲に表れるパレイドリア

主な認知症 (tokyo.med.or.jp HPより)

オノ・ヨーコの病状・幻覚認知症とはどんな病気?現在と今後について調査 2017/05/17 Pinky

オノ・ヨーコさんが患っていると言われる幻覚認知症とは、認知症の一つです。

認知症になる原因は様々なものがあるそうですが、有名なのは「アルツハイマー型」「脳血管型」などで、その次に多いと言われているのが幻覚認知症です。幻覚認知症レビー小体型認知症(DLB)と言われ、下記のようなことが原因だそうです。症状としては、幻聴や幻視、臭覚や自律神経の障害などがあります。

http://pinky-media.jp/I0022096

『フューチャー・オブ・マインド 心の未来を科学する』 ミチオ・カク/著、 斉藤隆央/訳 NHK出版 2015年発行

意識と精神疾患 (一部抜粋しています)

変容した状態の意識として、大きな苦しみを本人とその家族にもたらすものがある。それが精神疾患だ。脳スキャンなどのハイテクで、この疾患の原因を明らかにし、場合によっては治療につなげることができるだろうか? もしできるのなら、人間にとって最大の苦しみのひとつを取り除けるかもしれない。

たとえば、昔からずっと、統合失調症の治療は野蛮で手荒なものだった。全人口のおよそ1パーセントを占めるこの消耗性精神障害の患者は、一般に、実際にはない声が聞こえたり、偏執的な妄想や支離滅裂な考えに悩まされたりする。いつの時代も彼らは、悪魔に「取りつかれている」と考えられ、追放されたり、殺されたり、閉じ込められたりしてきた。ゴシック小説にはときどき、秘密の部屋や地下室の暗がりで暮らす、異様で気の触れた身内が登場する。聖書にさえ、イエスが悪霊に取りつかれたふたりに出会った出来事が触れられている。悪霊はイエスに、豚の群れのなかへ追いやってくれと訴える。するとイエスは「では行け」と言った。悪霊が豚の群れに入ると、群れ全体が猛然と崖を駆け下り、水のなかで溺れ死んでしまった。

     ・

心は絶えず独自の幻覚を生み出しているが、その大部分は容易にコントロールできる。たとえばわれわれは、ありもしないイメージを見たり、聞こえもしない音を聞いたりする。そのため、現実と作り物とを区別するのに前帯状皮質が不可欠となる。脳のこの部位は、外部からの刺激と、心そのものによって内部から生じた刺激とを区別するのを手助けしてくれているのだ。

しかし統合失調症の場合、このシステムがダメージを受けていて、患者は本物の声と架空の声との区別がつかないと考えられている(前帯状皮質が不可欠なのは、これが前頭前皮質辺縁系のあいだという要衝にあるからだ。一方の領域は理性的な思考を、もう一方の領域は感情を司るため、両者のつながりは脳内で最高に重要なもののひとつにかぞえられる)。

幻覚は、ある程度は自在に生み出せる。だれかを真っ暗な部屋や隔離したスペース、気味の悪い環境に置いて異様な音を聞かせたら、幻覚は自然と起こる。これは「目がわれわれを騙す」ような例だ。実のところ脳は、みずからを騙し、偽りのイメージを脳内に生みだして、世界を理解しようとしたり、危険を見つけ出そうとしたりする。この現象「パレイドリア効果」という。空の雲を見るたび、われわれは動物や人、好きな漫画のキャラクターの姿を目にする。しかたがない。脳にその機能が組み込まれているのだ。

ある意味で、われわれが目にするイメージは、実在のものであれバーチャルなものであれ、すべて幻覚と言える。脳が「ギャップを埋める」ために、つねに偽りのイメージを作りつづけているのだから。前に見たとおり、現実のイメージさえ、部分的には作られたものなのだ。しかし精神疾患では、前帯状皮質などの脳領域にダメージがあるのかもしれず、それで脳が現実と空想を混同してしまうのである。

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どうでもいい、じじぃの日記。

天気の良い日に空を見上げると、雲がいろいろな動物の姿に見えたりする。

これは、脳が勝手に作り出した幻覚なのだそうだ。

若い時は幻覚幻覚だとすぐ気が付くが、老人だと幻覚状態がしばらく続くのだろうか。

そういえば先日、昼飯を忘れていたら、体がブルブル震え出したことがあった。

これは何かの前兆だろうか。

じじぃの「科学・芸術_174_スイス・アルプスの少女ハイジ」

06:05

Heidi Full Animation 動画 YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=RkdKGRkivP0

Johanna Spyri

なんで「アルプスの少女アデレード」はヒットしなかったんですかね?? 2010/4/13 Yahoo!知恵袋

スイス人女性作家ヨハンナ・シュピリ1880年に書いた小説「ハイジ」が、その50年前にドイツ人作家が書いた別の作品によく似ていると若手文学研究者が指摘、スイスメディアは、「ハイジの“父親”はドイツ人だった」などと大きく報じている。

回答

アルプスの少女ハイジがヒットしたのは日本だけとTVで聞いたことがある。

現地のひとにハイジの格好をしても奇異な目でみられてた。

ただあまりにも日本人がスイスで「ハイジハイジ!」と連呼するので、定着しつつあるのだとか。

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1039426805

スイスを代表する作家、ヨハンナ・シュピリの世界(前編) 2013/11/17 スイス情報.com

ヨハンナ・シュピリ1827年6月12日、医者であった父と作家であった母の間、6人兄弟の番目として生まれました。

1852年弁護士であった夫と結婚するまで、彼女はここHirzelでハイジと同様美しい自然の中、のびのびと暮らしたようです。

彼女が初めて執筆活動を行ったのは44歳の頃。

その9年後である53歳の時にその後何年も世界中で愛されることとなる『アルプスの少女ハイジ』が出版されました。

http://4travel.jp/travelogue/10851044

スイスを知るための60章』 スイス文学研究会 赤石書店 2014年発行

ヨハンナ・シュピリ 『ハイジ』の作家の生涯 (一部抜粋しています)

1852年、25歳の時にヨハンナは兄の友人だった法律家のヨハン・ベルンハルト・シュピリと結婚、チューリヒで暮らし始める。結婚の3年後には一人息子のベルンハルト・ディートヘルムが誕生した。夫は初め弁護士や新聞の編集者として働いていたが、後に、市の書記を務めるようになる。一見幸福な生活に包まれていたかのように見えるが、知人に宛てた手紙からは、のどかな村の生活から町の生活へ変わり、なじめないでいる様子や、子育てにも喜びを見出せず、夫は仕事に忙しすぎて家庭での時間がないので、疎外感や孤独感を感じている様子が窺える。

そもそもシュピリの伝記の数は決して多くはない。1番大きな理由は本人が伝記というものに懐疑的であり、個人的な資料を破棄してしまっていることである。自分の手元にあったものを処分したけではなく、自分が送った手紙まで送り返してくれるように知人に依頼している。さらに「女性の伝記」というものに、シュピリの生きた時代が関心を示さなかったこと、その後フェミニズムの時代に入って陽の目が当たるようになったときには、シュピリはすでに「時代遅れ」と見なされたということも理由の1つである。そういう状況の中でシュピリ像は、物語の主人公のイメージと重ね合わされたり、親族によって家庭的な面が誇張されすぎたり、必ずしも正確な姿が伝えられているとは言えなかった。しかし新たな資料が出たことをきっかけとして、1980年代以降にシュピリ像が再構築されるようになった。

シュピリの処女作は『フローニーの墓上の一葉』という作品だが、これは母の知人だったブレーメン牧師に頼まれて書いた短編で、1871年、44歳の時に匿名で出版された。当時のドイツ文学界は男性中心で、女性が書くものは娯楽・通俗小説であり、まともな文学とは見なされないという傾向があったため、この偏見を避けようと男性の名前や匿名で作品を発表する女性作家が普通だったのだ。シュピリは、この作品が好評を博して増刷されたことで、作家としての基礎を築くことになった。1872年および73年にはブレーメンの読者に向けて全部で4つの物語を書き、それが出版社を経営していたエーミール・ペルテスの目にとまり、最初の児童文学『故郷を失って』が1878年に出され、さらに『ハイジ』の出版につながった。シュピリの代表作『ハイジ』は52歳の時、1879年の12月(出版は翌年の日付)に『ハイジの修行時代と遍歴時代』というタイトルで、やはり匿名で発表された。しかしかれが大成功を収め、1881年に第2版が増刷されたときにようやく実名を載せることができた。さらに同年、続編となる『ハイジ、学んだことを生かす』を出し、その後も毎年少なくとも1つは作品を発表し、文学的には実り多い時代を迎える。

その一方、家庭生活では悲しみが続き、1884年に療養中だった息子が結核で亡くなり、同じ年に夫も肺炎で死亡する。当初の孤独と悲しみから立ち直ったシュピリは収入も十分あったのでたびたび旅行をし、1901年7月7日に74才で永眠するまで意欲的な創作活動を続け、全部で48の物語を構成に遺した。シュピリが故郷ヒルツェルで通った学校が現在ではヨハンナ・シュピリ記念館となっており、チューリヒで晩年住んでいた建物には2002年までは、彼女の作品(翻訳されたものを含む)、写真類や資料などを保存するヨハンナ・シュピリ文書館が入っていた(現在はスイス青少年メディア研究所の1部門として別の場所に移動)。

2017-05-22

じじぃの「光合成・エントロピーの増大の法則に逆らうネゲントロピー!分子生物学」

06:06

Photosynthesis and respiration | Chemistry for All | The Fuse School 動画 YuTube

https://www.youtube.com/watch?v=3XIyweZg6Sw

宇宙に漂う「地球号」 (nextwisdom.org HPより)

レポート・ 生命とネゲントロピー エントロピーの話し(5)

●閉じた系と開いた系

図1に示すように、高いところにある水槽Aと低いところにある水槽Bをパイプでつなぎます。

水槽Aに水を入れると、水はパイプをつたって水槽Bへ落ちていきます。一度低いところへ落ちた水は、自ら高いところに戻ることはありません。このような過程を『非可逆過程』といいます。

http://washimo-web.jp/Report/Mag-Entropy5.htm

『図解入門 よくわかる分子生物学の基本としくみ』 井出利憲/著 秀和システム 2015年発行

ナノマシンは一見、物理法則に反する反応を司る より

ぬるいコーヒーの入ったコーヒーカップの真ん中を薄い膜で仕切り、ここに水分子の速度を見分けるポンプタンパク質を組み込みます。そして、早い分子は右へ、遅い分子は左へ輸送させると、右にはホットコーヒー、左にはアイスコーヒーができます。

現実にはこういうポンプタンパク質は見つかっていませんが、細胞のやっていることは、分子選別という作業を通して、均一な分布から不均一な分布を作る、無秩序から秩序を作るという反応です。マクロ的に見れば、エントロピーが減少する反応を進めているわけです。エントロピー減少反応は、一見、熱力学の法則に反するものですが、生物内では頻繁に見られるものであり、ネゲントロピー(ネガのエントロピー)こそが生物の特殊性を示す不思議の一つと理解されてきました。

近年、生体の仕組みが分子レベルで理解できるようになり、この特殊性は、きわめて精巧なナノマシンエネルギーを消費しながら行っていることによるものと理解されるようになりました。つまり、ミクロに似れば、物理学の法則に反しているわけではないということです。酵素のところで触れた吸エネルギーも同様で、マクロに見れば自然界では起きない反応ですが、ミクロに見れば酵素というナノマシンエネルギーを移動させて行う反応として納得できます。

エネルギー反応の最たるものは、葉緑体ナノマシンです。太陽光エネルギーを吸収して、低エネルギー分子である炭酸ガスと水分子から、高エネルギー分子であるグルコース等の有機化合物を合成しています。光合成です。動物はこうしてできた高エネルギー分子(たとえばグルコース)を食べて、それを分解するときに出るエネルギーを使って活動しているので、結局は動物も太陽エネルギーを消費して生きているわけです。

自然界ではエントロピーが増大する方向(秩序から無秩序へ)に変化する、自然に起きる反応は発熱反応(高エネルギー状態から低エネルギー状態へ)である、というのが原則です。自然界には、生物以外にナノマシンに相当する装置が存在しないので、エントロピー減少反応や吸エネルギー反応は見られないか、あっても希でしかないのです。生物の不思議さは、ナノマシンの存在によるものです。

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どうでもいい、じじぃの日記。

エントロピーは、水にインクを垂らすと広がるように必ず増大する方向に向かう。

それならば、なぜ、地球を含む現在の宇宙が存在するのだろうか。

生物界では、エントロピーの低い状態が保たれている。これを「ネゲントロピー」という。

よく地球のことを宇宙に漂う「地球号」という呼び方をする。

実は、地球は閉じた系ではなく、開かれた系なのだという。

太陽の光が生命の源らしい。植物の光合成はネゲントロピーの代表的なものだ。

太陽が無くなれば、我々の「地球号」はエントロピーが増大する方向に向かう。

じじぃの「人の死にざま_1762_マーティン・ライル(天文学者・電波干渉計)」

06:05

2 TODAY IN HISTORY Birthday of Radio Astronomer Sir Martin Ryle 27 Sept 2010 動画 YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=bgd6j2Z1mPU

Martin Ryle

 電波干渉 (vsop.isas.jaxa.jp HPより)

干渉計 (interferometer)

複数の電波望遠鏡をつないで、それぞれの観測データを合成する観測設備です。

簡単のため、2つのアンテナを組み合わせた干渉計を考えます。

2つのアンテナで観測された波がピッタリ重なる(=干渉する、相関する)ときの時間差を測定することによって、その天体がどちらの方向にあるかを知ることができます。

http://wwwj.vsop.isas.jaxa.jp/yougo/k02_interferometer.html

マーティン・ライル ウィキペディアWikipedia) より

マーティン・ライル(Sir Martin Ryle, 1918年9月27日 - 1984年10月14日)はイギリス天文学者。1974年に「電波天文学における先駆的研究」により、アントニー・ヒューイッシュとともに天文学分野の研究者として最初のノーベル物理学賞受賞者となった。

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『巨大ブラックホールの謎 宇宙最大の「時空の穴」に迫る』 本間希樹/著 ブルーバックス 2017年発行

新しい目で宇宙を見る――電波天文学の誕生 (一部抜粋しています)

ピンボケ写真しか撮れなかった電波天文学を劇的に変えたのが、電波干渉計です。干渉計とは、小さな望遠鏡を多数並べて、それを組み合わせることで、大きな電波望遠鏡と同等の機能を合成する手法です(図.画像参照)。θ〜λ/D(分解能θは電磁波の波長λを望遠鏡口径Dで割った値にほぼ等しい)の式で観測波長λを固定してしまうと、視力を上げるには(θを小さくするには)、望遠鏡口径Dをできるだけ大きくするしか方法がありません。しかし、大きな望遠鏡は構造物としても高い技術が必要ですし、加えて、莫大な予算も必要です。実際、地球上で可動式の電波望遠鏡はもっとも大きいものでも100メートル程度が限界です。この限界を工夫によって打ち破るのが干渉計、ということになります。

      ・

現代の形の電波干渉計を開発して、電波天文学を大きく進歩させたのは、イギリスマーティン・ライルら、ケンブリッジ大学大学のキャベンディシュ研究所のグループです。ライルは第二次大戦中、英国軍で電波による通信の研究をしていましたが、大戦後はケンブリッジ大学電波天文学の研究を進めました。豪州シドニー郊外ドーバー・ハイツ(のアンテナ)の場合も、またマーチン・ライルの場合もそうですが、電波天文学第二次大戦後劇的な進歩を遂げた理由には、第二次大戦中に競ってレーダー技術の開発を進め、大戦終了後にその技術が電波天文学に広がったことと大いに関係しています。

ライルたちは複数のアンテナからなる電波干渉計を開発し、それを使って電波天体のカタログを作りました。天球のさまざまな方向を観測し、見つかった電波源の位置と電波の強さをリストしていったのです。もちろんその目標は、これらの電波を出す天体が何か、という謎を解くことです。ジャンスキーやリーバーの観測から、天の川から電波が出ていることはわかっていましたが、それ以外の方向からやってくる電波天体がどのようなものなのかは、まったく不明でした(ちょうどオーストラリアで海面干渉計の観測が進められているころです)。彼らの作ったカタログはケンブリッジカタログと呼ばれ、第1版が1Cカタログ、第2版が2Cカタログ、第3版が3Cカタログというように、順を追って数字+ケンブリッジの頭文字の”C”を合わせた名前で呼ばれています。1Cカタログは1950年に出版され、記載された天体数はわずか50個程度でした。それが5年後の2Cカタログ、さらに1959年の3Cカタログへと改訂されると、3Cカタログでは471もの電波天体がリストアップされました。また、この過程で天体干渉計で1分角くらいの精度で決められるようになり、ブラックホールの研究につながる大きな発見がなされていきます。

2017-05-21

じじぃの「人の生と死・ダリの怖い絵『晩鐘』を超えられるか?AI・人工知能」

06:06

【閲覧注意】Google人工知能が書いた怖すぎる絵をまとめてみた 動画 YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=X2qfdML1AqU

 晩鐘 (ダリ)

Google's artificial picture

【衝撃】Google人工知能が描いた絵が凄すぎる! 絵を見た人「ぎゃあああああ怖すぎる!!」「芸術的だ!!」 2015.06.22 Buzz+

Googleが研究と開発に取り組んでいる、ニューラルネットワーク(人間の脳をシミュレートする技術)。その人工知能(Artificial Intelligence)を駆使し、コンピュータに写真を参考にして絵を描かせてみたところ、人間では理解不能芸術作品が完成した。

http://buzz-plus.com/article/2015/06/22/google-art/

AI 人工知能 知るほどに驚き!の話』 ライフ・サイエンス研究班/編 KAWADE夢文庫 2017年発行

怖すぎる! 人工知能が描く絵 より

人工知能は膨大なデータを解析したり、データから特定のパターンを割り出したりすることは得意だが、前例のないことを直感で考えたり、ひらめきを生んだりすることは苦手としている。そのため、芸術をはじめとするクリエイティブ系は後者にあたり、これは人工知能の苦手分野だとされてきた。

しかし、苦手なはずの芸術分野でも、人工知能は意外な”才能”を発揮することがわかったのである。

2015年6月、グーグル社のエンジニアが「DeepMind(ディープマインド)」という人工知能に社員を参考にして画像をつくらせたところ、ふつうの人間の発想ではとうてい描くことができそうにない作品がいくつもでき上がった。

どれも奇抜で独特な作品ばかり。非常に写実的なところがあれば、逆に極めて抽象的なところもあり、とらえどころがない。

強いていうなら、サルバドール・ダリルネ・マグリットジョアン・ミロなどのシュルレアリスムの画家、もしくはピカソなどの世界感に近い作風といえる。

だが、「とにかく怖い」「鳥肌が立つ」「不気味」、「理解不能」といった感想が大半を占めた。

人工知能による画像がこうした絵になったのは、その作成手法に原因があるとされている。

人工知能はベースとなる写真から共通のパターンを見出し、それを蓄積データから抽出して新たな画像にした。つまり、人間や動物、自然などに共通するパターンを割り出し、膨大なデータを参照にしたうえで作画したのだ。その結果、人間の発想ではなかなか生まれない、奇抜すぎる画像になってしまったと考えられている。

これを新たな芸術と評価する人がいる一方、機械が描いただけであって魂がこもっていないと貶(けな)す人もいる。

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どうでもいい、じじぃの日記。

中野京子著 『怖い絵 2』という本に、ミレーの『晩鐘』のことが書かれていた。

「恍惚への期待? 死の恐怖? いったい何のことやらさっぱりわからない、というのがふつうの感覚ではないのか。ダリの断片的草稿による『ミレー≪晩鐘≫の悲劇的神話』(未発表に終った論文を集めたもので、さまざまな時期にさまざまな主張をしているため不統一)をもとに、見てゆこう。

まずダリは、女の足もとに置かれて手籠を不自然と感じる(そう言われればそんな気がしないでもない)。最初は籠ではなく、小さな――おそらく彼らの子どもを入れた――棺(ひつぎ)を描いたのではないか。つまりこれは1日の終りを感謝する祈りではなく、亡き子を土に埋めた後、母は祈り、父は泣いている情景だった。ところが誰かに忠告されたか、ミレー本人の気が変わったかして最終的にこのような形に変更したのではないか、と。」

天才画家ダリがミレーの『晩鐘』を見れば、まったく違ったものに見えるのかもしれない。

人の死を前にしたとき、人々はその人が辿ったであろう生きざまを想像する。

人工知能は、「愛」をどこまで理解できるのだろうか。

じじぃの「科学・芸術_173_中国と北朝鮮の関係」

06:04

北朝鮮中国を激烈に非難 20170226 動画 YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=12TNXQiFko4

中国北朝鮮の微妙な関係

中国は北にどこまで経済制裁をするか? 2017年5月1日 ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

●中朝貿易には政府レベルと辺境レベルがある

ひところテレビでよく見られたロシア国境でのごった返した市民レベルの貿易や北朝鮮国境の延辺などにおける光景が、その最たる例である。本来は20キロ以内となっていたが、どんどん広がっていき、2000年には中朝貿易は、たとえば一般貿易「90」に対して辺境貿易は「3,000」に達するに至っている。

http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/05/post-7530.php?utm_source=antenna

ワイドスクランブル 2017年5月16日 テレビ朝日

【司会】橋本大二郎大下容子 【コメンテーター】遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

●国境封鎖&同盟破棄も 北朝鮮中国「最後のカード」

中国の「一帯一路」サミットの直前にミサイル発射した北朝鮮に対して、中国は今後どう出るのか。

習近平の怒りたるや、尋常ではないに違いない。

残されている手段は 々餠封鎖、断油、C翊軍事同盟 の破棄だ。

今、辺境貿易ではかなり民間で自由に貿易が行われている。国境封鎖はこれを止める効果がある。

第三次世界大戦に発展しない範囲内で、これまで見せつけてきたカードを、実際に切る以外にないところに、今度は中国が追い詰められた。

http://www.tv-asahi.co.jp/scramble/

『現代中国を知るための40章【第4版】』 高井潔司、藤野彰、曽根康雄/編著 赤石書店 2012年発行

朝鮮半島との微妙な関係 (一部抜粋しています)

北朝鮮朝鮮民主主義人民共和国)の最高指導者金正日朝鮮労働党総書記2011年12月17日、心筋梗塞のため、69歳で急死した。父親金日成主席が1994年7月に死去して以降、約17年間にわたって独裁権力をもって北朝鮮に君臨してきた金総書記の死は、東アジア情勢の行方に不透明感を投げかけただけでなく、中朝関係にも流動的な要素を増大させた。金総書記死亡によって北朝鮮は三男の金正恩党中央軍事委員会副委員長をトップとする統治体制へ移行したが、三世代におよぶ世襲という異常な権力継承のもとで北朝鮮が安定を維持できるかどうかは最大の支援国である中国の対応にかかっている。

     ・

北朝鮮の食糧危機が深刻化した1990年代半ばごろから、いわゆる「脱北者」が急増し、中国国内に潜り込んだ後、各国大使館、総領事館などに駆け込む事件が相次いだ。2002年5月には在瀋陽日本総領事館亡命を求めて駆け込んだ脱北者5人が中国武装警察官に連行される事件が発生、日中間で外交問題化した。中国領内に潜伏している脱北者は相当数に上ると推測されているが、中国経済的理由による不法入境者と見なし、難民とは認定していない。

一方、北朝鮮は国際的孤立経済困難を顧みずに、体制生き残りの切り札にしようと、核・ミサイル開発を推進し、中国との摩擦を増大させた。2003年8月、中国をホスト役として北朝鮮の核問題解決を目指す6ヵ国協議がスタートし、北朝鮮は一時、すべての核兵器および既存の核計画放棄に同意したにもかかわらず、テポドンなど弾道ミサイル発射実験、核実験と挑発的な行為に走り、中国の神経を逆撫でした。

     ・

北朝鮮に対する中国の「本音」は外部からはなかなか見えにくいが、中国戦略管理研究会が編集・発行する専門誌「戦略と管理」(2004年第4期)が注目すべき北朝鮮批判論文を掲載したことがある(王忠文・天津社会科学院対外経済研究所研究員)。要点は以下のような内容である。

ゞ畴の自然災害で人民の生活は困苦を極めているが、(金正日は)家族による世襲統治を維持するため、極左政治と政治迫害を大々的に行っている。

中国がこれまで行った政治的支持と経済援助に対し、いささかも感激の気持ちを表さない。国際問題においては、つねに中朝友好を無視し、肝心要のときに、中国を十分理解し、全面的に支持するということができない。このような性質の国を、中国全面的に支持する道義的責任はない。

北朝鮮は無責任な行動によってしばしば中米関係の改善を妨げている。重要なときに、より大きな争いを平気で引き起こし、米国と対抗する受け身の立場に中国を引きずり込む。悪辣な下心がある。中国は警戒心を持ち、それを防ぎ止めなければならない。

北朝鮮の核開発は、国際社会に対する蔑視と挑発である。中国朝鮮半島の非核化を主張し続け、米国国際社会を支持して朝鮮問題を平和解決しなければならない。

タ靴燭理念をもって北東アジア情勢を見つめ直し、中国の根本的国益に最も合致する外交政策をとらなければならない。

この論文中国当局の対北朝鮮政策の新たな観点を反映していると速断することはできない。ただ、少なくとも中国側関係者の北朝鮮観の本音部分を、ある程度代弁していると解釈することは可能であろう。こうした考えが中国側の一定範囲内で共有されているとすれば、「中朝友好」を演出する表の顔と、「北朝鮮不信」の裏の顔の落差は、じつのところ、かなり大きいと想像される。

2017-05-20

じじぃの「チューリング・テスト・機械は人間をだませるか?AI・人工知能」

06:09

NAO robot drives autonomously it's own car 動画 YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=oBHYwYlo1UE

Computer AI passes Turing test

Let the Robot Drive

AI 人工知能 知るほどに驚き!の話』 ライフ・サイエンス研究班/編 KAWADE夢文庫 2017年発行

機械が知性的か否かをはかる「チューリング・テスト」とは? より

機械がどんなに高度な知的思考能力をもっていたとしても、人間とまったく同じように振る舞うのは容易なことではない。いまのところ、機械はあくまで機械であり、人間らしい振る舞いをするのは機械にとって困難なのだ。

しかし、人工知能は少しずつ進化しており、2014年6月には人間を真似ることに成功した機械が現れた。史上初めて「チューリング・テスト」に合格した機械が登場したのである。

チューリング・テストとは、ひと言でいえば機械の振る舞いが知性的であるかどうかを判断するテストで、「機械は思考するのか?」という疑問を抱いたイギリス科学者アラン・チューリング1950年に考案した。

具体的には、人間ひとりと人間らしく振る舞う機械1台を用意して、判定者が質問を投げかける。その質問の回答を受けた判定者が、人間と機械の区別をつけられないようなら、その機械は知性を備えていると判断される。

つまり、機械が人間を真似してだませるかどうかをはかるテストなのだ。

人間を高度なレベルで真似できる機械はなかなか現れなかったが、チューリングがテストを考案してから64年たった2014年に、ついに歴史的快挙が起きる。

ロシアのスーパーコンピュータが、ウクライナ在住の13才の少年ユージンに成りすましてテストを受けたところ、判定者の33パーセントがこれを人間だと判断した。機械が人間をだましたのである。

英語が母国語でなく、知的レベルの定かでない10代の少年を摸倣したことに批判の声が上がったが、半世紀以上まったくクリアされなかったチューリング・テストをパスしたことは事実である。機械が人間と同じ知性をもつという新時代の将来を予見する出来事といえるだろう。

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どうでもいい、じじぃの日記。

2016年グーグルの「DeepMind(ディープマインド)」が、囲碁で最強といわれた人間に対して勝った。

しかし、ディープマインドも所詮、人間がプログラミングしたアルゴリズムで動いているのであって、自ら思考しているのではないのだそうだ。

先日、犬が車を運転している動画を見た。

なんとなく、人間と同じように運転できれば、そのロボットは知性的な感じがする。

じじぃの「科学・芸術_172_中国の言論弾圧」

06:06

中国政府が隠したがる映像 動画 YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=kIuufd1gml8

中国サイバー部隊

中国Google天安門」の検索結果が海外で話題に、外国人たちのコメントは… 2008年9月22日 Labaq.com

中国インターネット共産党政府によって検閲されています。

政府に都合の悪い検索結果はブロックされ、Googleでさえも中国国内から「天安門事件」「ダライ・ラマ」「台湾」「法輪功」といったキーワードで調べると、それらに関するサイトは表示されません。

時折ニュースになるので何を今更と思われる方もいるでしょうが、海外のソーシャルニュースサイト天安門"tiananmen"の検索結果を中国版と米国版とで比較したものが、トップ人気になっていました。

Googleで「天安門」を画像検索すると、1989年に起こった事件の写真がずらっと並びます。

ところが中国国内から同じ検索をすると、事件のイメージは一切出てこないのです。

http://labaq.com/archives/51100574.html

『現代中国を知るための40章【第4版】』 高井潔司、藤野彰、曽根康雄/編著 赤石書店 2012年発行

変化する情報空間とその管理 (一部抜粋しています)

インターネットの発展は中国情報環境を大きく塗り替えた。とくにミニブログなどの新しいチャンネルの出現はこれまで大衆が利用していたインターネットのチャンネルの使用にさえ影響している。たとえば、以前、重要なインターネットの情報ツール、チャンネルとして利用してきた社交系ウェブサイトや論壇(BBS)などは今回の統計でマイナス成長となった。

新興メディアを中心とする中国メディアの発展とそのほかの国との比較において無視できない特徴は、インターネットマスメディアの発展時期がほぼ同時期に起きたことだ。

よく知られているように、中国メディアは1980年代まで、党と政府の宣伝機関にすぎなかった。政府の財政によって運営され、人事管理もまったく党と政府機関と同じ扱いだった。1980年代に企業管理のメカニズムが導入され、独立採算制の実現に努めたが、しかし、新聞、雑誌の出版、ラジオの番組制作が本当に大衆を対象とするようになったのは1990年代以降だった。1992年以降、中国市場経済体制への転換に向って加速し、広告需要の急増がメディアの商業化改革へのエンジンの役割を担った。とくに1995年、都市部の住民を対象とし、広告収入が重要な財源となる。「都市報」が誕生し、メディアの大衆化時代の幕開けを告げた。10年後の2005年には、都市報は287種類となり、中央、省、市の各級の党機関紙の438種類に比べ少ないものの、総発行部数では党機関紙に比べて2倍、広告収入も約2倍となった。

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党がメディアを警戒するという党の原則に基づく制度は、中国の伝統メディアの発展と言論空間としてのその職能を著しく制約している。

その結果、中国の大衆が蜂の巣をつつくようにインターネットに集まり、意見を発信する大きな原因となっていると言わざるをえない。伝統メディアの側も仕方なく、インターネットメディアが幹部の腐敗事件を暴露したのち、社会問題として、あるいは政府の対応を遅れているといった形で、批判したり、責任を問う報道となる場合も出ている。

たとえば、2011年7月に発生した死者40人を出した温州の高速鉄道の追突事故では、ミニブログが世論形成のうえで、とくに重要な役割を果たした。またミニブログなど新興メディアに対して、伝統メディア従事者の積極的な利用が人びとの注目を集めた。しかし、メディアが管理制度に対して対抗したり、挑戦したりするたびに、あるいはインターネット空間で世論にかなり大きな影響を与える事件があるたびに、政府メディアに対する管理の強化が進められ、管理強化はインターネットにも及んでいる。

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現在、党と政府機関、社会団体、国有企業関係の職場には、世論情報工作の組織とネット世論情報員が張り巡らされ、厳しくネット情報を観測し、管理している。こうしたネット情報の管理、監督は一種の産業の形成を促進している。つまり、政府部門と大きな企業では、インターネット世論の動向を掌握しなければならないので、すでにネット世論の観測を専門とする機構やコンサルティング会社を生み出している。これらの貴行と会社はネットの削除や危機広報などの業務を下請けに出している。

つねに変化する情報空間をめぐって、政府と民衆はまさに様々な場面でせめぎ合いを展開している。

2017-05-19

じじぃの「勘違いの動物行動学・キリンの涙・カラスが文字を読む?話のネタ」

06:06

【衝撃的!!発見!】「カラス侵入禁止」警告文、なぜか効果 東大の研究施設 動画 YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=pEDPkI4KW50

カラス侵入禁止 (asahicom.jp HPより)

カラス侵入禁止」警告文、なぜか効果 東大の研究施設 2017年5月12日 朝日新聞デジタル

カラス侵入禁止」。そう書いた紙をつるしたら、本当に来なくなった――。岩手県大槌町にある東大の研究施設は春になると、カラスに「警告文」を出す。研究者が放つ奇策だ。今年で3年目、東大が連勝している。

竹田研究員によると、警告文を目にした職員や学生がカラス視線を向けたり指さしたりすることで警戒して寄りつかなくなる、ということらしい。「不思議に思って、みんな空を見るでしょ」

http://www.asahi.com/articles/ASK4L2VWFK4LUJUB003.html

『話のネタ―会話がはずむ教養読本』 毎日新聞社/著 PHP文庫 1998年発行

動物どうしは助け合うのか? より

ワニチドリという鳥が、ワニの口の中にはいって歯の掃除ををしたり、口中のヒルなど寄生虫をとったりする――という話は、動物の助け合いの一例として紹介される有名な話だ。ところが、そのような事実を確認した学者はほとんどいない。

もともと、この話の始まりは、ギリシャの大旅行家・ヘロドトスが、エジプトを旅行したときに聞いた話と記載したことによるといわれる。それをギリシャローマの動物学者たちが受けうりし、19世紀なかばにフランスドイツの学者2人も「見た」と報告した。しかし、その後、100年もの間、この2人の報告を確認した人は、1人も現れていない。くわしくワニを観察した学者たちは「ワニは口を開いたまま陸上で昼寝をするし、多くの鳥がワニを恐れずに、そばに近寄る。頭の上に乗るものもいる。だが口の中にはいるのは、一度も見られなかった」といっている。熱帯の強い光線の下、かげろうなどの関係で、ワニの口の近くを歩いている鳥が、ちょうど口の中にいるように見えたのだろう、というのが、真相さしい。

ワニとワニチドリの例でもわかるように、野性の世界では、人間世界の意味でいう”助け合い”は、ほとんどない。たいていは人間が勝手に擬人化して、作り上げたフィクションである。

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どうでもいい、じじぃの日記。

ずいぶん前だが、チップ・ウォルター著『この6つのおかげでヒトは進化した―つま先、親指、のど、笑い、涙、キス』という本を読んだ。

人間を人間たるものにしているのにつま先、親指、のど、笑い、涙、キスがあるという。

確かに、涙なんかも笑いと同じく感情表現のひとつである。

涙を流している人に「気がすむまで泣きなさい」と言うと、とめどもなく泣く。

人間の他に、涙を流す動物はいないのだろうか。

キリンの涙」というのがある。

アフリカ大陸の港で7頭のキリンが大型貨物船の甲板に箱づめされた。キリンたちはいま離れようとしていく陸をいっせいに見つめていた。

その内の1頭が、大きな悲しそうな目から大粒の涙を流していたという。

じじぃの「科学・芸術_171_中国の人権弾圧」

06:03

【閲覧注意】 流血の天安門事件 動画 YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=c7u-JBwZOrc

劉暁波と妻の劉霞 (2010)

習近平 民主化弾圧

中国 : アムネスティ日本 AMNESTY

死刑・・・世界一の死刑執行

現在、世界の死刑執行のうち、80%以上が中国に集中していると言われています。

アムネスティは、入手できる公の報告をもとに、2006年に中国で少なくとも1010人が処刑されたと見積もりました。しかし、実際の年間の執行数は、これをはるかに上回る8000人から1万人と考えられています。しかし公式な統計は、依然として国家機密扱いです。

http://www.amnesty.or.jp/human-rights/region/asia/china/

『現代中国を知るための40章【第4版】』 高井潔司、藤野彰、曽根康雄/編著 赤石書店 2012年発行

論議呼ぶ人権問題 (一部抜粋しています)

中国共産党政権は、経済発展を追求する一方で、民主化を拒否し、強権支配に依拠して一党支配体制を維持している。経済ではグローバル化が進んでも、国内民主派への弾圧は緩むことはない。2010年のノーベル平和賞は、懲役11年の刑で服役中の中国反体制作家劉暁波が受賞した。作家の劉暁波は2008年12月、直接選挙の実地、言論や集会、宗教自由などを求める19項目の政治要求を盛り込んだ「08憲章」を起草し、ネット上に発表した中心人物だ。中国当局は、劉暁波言動政権転覆を狙ったものだとして、「国家政権転覆扇動罪」で逮捕・起訴し、2010年2月に控訴審実刑が確定した。1989年の天安門事件に指導者の1人として参加、多くの指導者が国外に脱出するなかで、国内にとどまり、当局と闘い続けた。その実績が認められての受賞だった。ノーベル賞委員会は、劉暁波の長年にわたる非暴力的な人権活動を評価し、中国に対し、言論の自由など国民の権利を尊重するように注文をつけた。

中国外務省報道官は、「劉暁波中国法律を犯し、有罪判決を受けた人物。平和賞の趣旨に背く行為だ」と非難した。中国当局は、体制転覆を狙う欧米社会からの挑戦だと受け止め、劉霞夫人北京の自宅に軟禁し、劉暁波の兄弟まで出国禁止とした。オスロで開かれた授賞式では、受賞者の座席は空席で、傍らに本人の写真が飾られた。中国の特異性を示す光景だった。

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中国人権問題が国際化したのは天安門事件がきっかけだ。中国当局武力によって、市民、学生の民主化運動を鎮圧して以来、欧米諸国は、民主化人権問題の改善を求めた。小平は、共産党政権を平和的に転覆する動きとして強く反発しつつも、経済を発展させることで、中国国民の支持を獲得し、経済交流を拡大させることで国際的な圧力を弱め、中国が決定的な打撃を受けないよう、したたかな戦略を描いた。欧米諸国からの人権批判に対しては、欧米とは異なる独自の「人権」概念で反論した。中国人権の柱とするのは、個人の信条や表現の自由などではなく、「生存権」や「発展権」と言われるものだ。中国政府が2005年10月に発表した「中国民主政治建設」白書は、「中国人権事業の基本的立場は、生存権や発展権の堅持を最も重要な位置に置き、同時に公民の政治、社会、文化的権利の発展にも務めている」としている。経済発展を優先させることが、国民の人権向上につながるとの発想で、欧米社会が求める政治的権利としての民主化少数民族自治宗教自由などは二の次に追いやられてきた。同白書の発表は11月のブュシュ米大統領訪中を前に、米国の対中批判をかわす外交的な狙いもあった。

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天安門事件は2009年6月、20年を迎えた。民主化運動のリーダーの1人で「反革命宣伝扇動罪」で指名手配され、台湾亡命中のウアルカイシは、「出頭」しようとマカオに入境しようとしたが、マカオ当局から入境を拒否され、強制退去処分となった。天安門事件後、ノーベル平和賞を受賞した劉暁波らを除き、ウアルカイシ、王丹、柴玲子ら学生運動指導者の多くは海外に亡命した。事件の印象が強かった1990年代は、彼らが欧米社会を中心に中国人権弾圧国際世論に訴え、各国政府議会による対中外交圧力に結びつけることができたが、2000年代以降、影響力を休息に失っている。むろん、海外に出た瞬間、中国国内での影響力自体も一気に失ってしまうのだ。