ETV 悲劇の島チェジュ(済州) 四・三事件

もう二年以上前、ETV特集で「悲劇の島チェジュ(済州)」という番組があり見た。

http://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2008/0427.html

(以下はその番組を見た時の感想)


済州島四・三事件は、すこしだけ聞きかじったことはあったけれど、詳しい経緯は今まで何も知らなかった。

朝鮮半島が分断されて、韓国ができた間もない頃、済州島で島民の十分の一が虐殺された事件。
記憶すら抹殺され、ずっと事件は沈黙させられてきたらしい。

戦後も、九州のすぐ近くの隣の島で、こんなにひどいことがあっていたんだなあ。

やっとつい最近、韓国政府も公式に謝罪して、事件についての真相の究明や、虐殺によって亡くなった人たちの遺骨の発掘が始まったという。

思想の違いなどが理由で、同じ国民同士が争うというのは、なんとも悲惨なことだと思う。
朝鮮半島は、朝鮮戦争といい、済州島といい、内戦や同じ国民同士で殺しあう悲惨さをずいぶん体験してきた。

日本は、戊辰戦争西南戦争以後は、基本的に内戦の悲惨さはあまり今まで体験せずに済んできた。
きっと、そのことは、とても幸運なことなのだろう。

西北青年会や、南労党のことなど、今まで何も知らなかったけれど、いろいろ考えさせられる。

なんというか、カロやゴヤの絵を見た時のように、済州島の話を聞いていると、人類や人間に嫌気がさしてくる。

人間って、何なんだろう。

人間が本当に寛容であり、平和であることは、とても困難なことで、稀有なことかもしれない。
不断の努力や叡智がないと、ふとしたことで簡単に失われてしまうのかもしれない。

日本も、すぐ隣の国の済州島の話や朝鮮戦争の話を、他人事とせずに、寛容や平和について考えるきっかけにしていった方がいいのかもしれない。