おひとりホテルの愉しみ/富田昭次

休日の過ごし方に少しマンネリ感を感じていた今日この頃、視点を変える一冊でした。

休日にリフレッシュするには旅行ってのが一般的だけど、
個人的には旅と言えば、Jリーグのアウェー戦を見に行くだけで、一泊二日の温泉の旅とかめったに行かない。
長期休みに実家に帰ることが旅代わりになっているところもあるし、十分くつろげている。
だからめんどくさがりの自分としては、都心のホテルでも十分にくつろげるよって提案する本書に惹かれるものは大いにあった。

ホテルに求めるのは、

  • ふかふかのベッド
  • 落ち着いたラウンジ
  • おいしい珈琲
  • ちょっとしたオーディオシステム

これだけあれば十分なので、きっと満喫できるんじゃないかなと思う。
初日午後にチェックインして、ずっとホテル暮らしを楽しんで、翌日ぎりぎりチェックアウトしてぶらっと浅草でも回ったらって考えると、結構理想的な週末の過ごし方かもと妄想できたことは良かった。半年に一度くらいはやってみたい。

おひとりホテルの愉しみ (光文社新書)

おひとりホテルの愉しみ (光文社新書)

ホルモー六景/万城目学

鴨川ホルモーのスピンオフ企画。

どの話も程よい長さで良かった。気に入ったのは凡ちゃんの話と丸の内ホルモー。

映画化されるそうだが、ゆる〜い空気感を壊さないでくれたらそれで良いです。

ホルモー六景

ホルモー六景

螺鈿迷宮/海堂尊

医療のタブーを観たくも無いのに観てしまった感じ。

終末医療の影をこれでもかと書ききって、それを読んだら「安楽死って患者が望んでいるなら別に…」とか簡単に言えない。
しかし現在の医療ってどこもお金が回って無さそうで、なんだかお先が真っ暗ですね。

肝心の物語は終始敵方優勢というか、しおらしい白鳥も良いかもと思った。
最後の描き方は森博嗣すべてがFになる」の方がスタイリッシュでドクドクしたけど、今後に期待ですかね。
イマイチ生存者の凄みとか感じるモノがなかったので。

螺鈿迷宮 上 (角川文庫)

螺鈿迷宮 上 (角川文庫)

螺鈿迷宮 下 (角川文庫)

螺鈿迷宮 下 (角川文庫)

すべてがFになる (講談社文庫)

すべてがFになる (講談社文庫)

さあ、才能に目覚めよう/マーカス・バッキンガム&ドナルド・O・クリフトン

斜に構えないでもっと早く手に取っとけば良かった本。

180もの質問に答えれば自分の性格が判るそうですが、1問20秒ってところでできるだけ無意識で選択されるようにしているんでしょうね。
出力された結果に驚きは無かったけど、これからの舵取りを考えた次第。

  1. 原点思考
  2. 最上志向
  3. 目標志向
  4. 回復志向
  5. 達成欲

出てきた結果を2,3個組み合わせて、指針とか目標をいろいろ考えるのが楽しそうだ、それだけでポジティブになれるから。

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

ジェネラル・ルージュの凱旋/海堂尊

久々に更新。本は継続して読んでたけど、ブログに書かないと読むペースは落ちますね、なぜか。

この本は寝る前にちびちびと読んでいたのがようやく読み終わった本です。

このシリーズで期待している白鳥のペテン師振りがまるっきり速水に乗り移り、最後は次期救急センター部長の佐藤にまでぶっちゃけさせて、エンタメ路線全開でした。

今のところこのシリーズで最もお気に入りの一冊となりました。でも映像化はないかな、完全に主役二人を喰っちゃってるから…。

(追記)
映像化はないと思ってたらすでに映画化が決定してるし…。主役喰いのこの原作をどう料理するのか楽しみだ

ジェネラル・ルージュの凱旋

ジェネラル・ルージュの凱旋

スティル・ライフ/池澤夏樹

WEB時間つぶしで目に留まって読んだ本。

なぜ目に留まったか憶えていないが読んだ感想は今後も思い出したいと思える小説でした。

話はどこかでありそうな設定でいて、どこかSFっぽいところがある。まあ物理学とか語られているんでSFぽく感じたかもしれない。

読んでいて高揚感とか盛り上がりとか無縁のどこまでも淡々と進んで行く、そんな話を魅力的なものにしているのは、登場人物に語らせている作者の視点でした。

「なるべくものを考えない。意味を追ってはいけない。山の形には何の意味もない。意味のない単なる形だから、僕はこういう写真を見るんだ。意味ではなく形だけ」

写真の見方にについて語った所だが、とても写真だけに当てはめているとは思えない。まあその深読みが意味を追っていることになり、意図していることにはならないでしょうね。
そんな素敵な語りが短い文章の中に散りばめられています。

スティル・ライフ (中公文庫)

スティル・ライフ (中公文庫)

爆笑問題の日本の教養「生き残りの条件≠強さ」/吉村仁

NHKで絶賛放映中の小説版。
吉村仁先生に教えを受けたものととしては抑えておかなきゃいけない本です。

自分が受けた講義は環境ホルモンについてだったかな。その辺の話も少し語られてて良かった。
あの時は何が正解かわからんかった。奇形動物の原因であるかどうか分からないけどどうやら怪しい。さて今後どうするかってのが試験課題だったと思う。現段階でジャッジするには材料が乏しい(本当に環境に影響を与えているのかとか)が、グレーだったら使わないに越したことないやって身も蓋もない逃げの結論を出したと記憶している。

地球温暖化についてもさらりと別の視点が提供されています。気温が上昇することが問題ではない、空気の構成が変化することが恐いってことですね。古代トンボの例が判り易かった。

それで肝心の素数ゼミですが、感動を憶えるぐらい美しい証明でした。

爆笑問題のニッポンの教養 生き残りの条件≠強さ 数理生態学

爆笑問題のニッポンの教養 生き残りの条件≠強さ 数理生態学