今日の大手紙社説

 台風と地震災害の話、それとミャンマー情勢。前者はテンプレ社説が多いなか、日経がかなり踏み込んだ。地震予知の研究は大切だがそこから国を介して安全というパスが強化されるのは違うはずだ。後者については、朝日・読売が北朝鮮核施設に言及していた。以前ならシリアの疑惑のときのように、朝日なんかが率先してネグったものだが、時代が変わった。中国内部の対立を反映して書いているのかもしれないが。日経がこの問題を事実上ネグった。この問題、日本にとっても重要なのだが、どうもかなりタブー化している。

日経春秋 春秋(8/12)

路肩をざっくりと削り取られた東名高速道路の惨状が、一段の備えを促していることだけはたしかだ。

 これなんだが。私の常識というか私の感覚からすると、この程度の地震でこんなことになるわけないと思った。でも、あった。あったことは否定できないので、気になっていたら、この部分は盛り土だったらしい。工事に問題があったように思うのだが。

日経社説 「東海」を想起させた静岡地震の衝撃 : NIKKEI NET(日経ネット)

 おや、これは随分と踏み込んだ良社説。

 今回の地震は岩板の境界面ではなく、岩板の中で発生し、断層のタイプも跳ね上がりの逆断層とは違う。規模もM6.5とM8に比べると100分の1以下である。発生場所、メカニズム、規模の3点で、想定される東海地震とは大きく異なり、直接的な関連性は薄いと見るのが合理的かもしれない。

 まあ、それはそう。

 私たちは「予知幻想」が、日本の地震研究と地震防災に影を落としている、と指摘してきた。31年前に東海地震対策としてつくられた大規模地震対策特別措置法=大震法は、時間と場所と規模を特定して、発生の2、3日前に地震を予知する直前予知を、防災の大前提にしている。
 研究が進んで、予知が極めて困難なことが判明しても、行政と学界はそれを率直に認めず、予知にこだわり続けている。今回の地震の評価で、気象庁や判定会の談話に盛んに登場する「プレスリップ」という言葉はその象徴でもある。
 大規模地震では本震の前に断層が緩やかに滑り始めることがあるという。このプレスリップ現象を観測できれば、予知が可能になる。しかし、東海地震は必ずプレスリップを伴うのか、プレスリップは必ず捕捉できるのか、何の保証もない。
 地震学の研究と議論は大いに歓迎する。しかし、防災に直結する分野で、科学的検証があいまいなまま、行政や学界の都合で決めた想定や前提が一人歩きする愚は避けたい。

 お見事。ただ、世論にはならないだろうし、あまり踏み込みたくないところでもあるな。

産経社説 【主張】靖国神社参拝 指導者の務めはどうした - MSN産経ニュース

 ポジションというだけの社説でどうでもいいのだが。
 そこはノダっち⇒asahi.com(朝日新聞社):野田消費者担当相「私人として15日に靖国参拝」 - 政治

毎日社説 社説:西日本豪雨被害 「町で何が?」徹底検証を - 毎日jp(毎日新聞)

人口約2万人の中山間地域の町に、なぜこれほどの被害が集中したのか。疑問がぬぐいきれない。

 と問い掛けているがたいして答えは出ていない。

 今年は伊勢湾台風から50年を迎える。5000人以上の犠牲者をだした反省から治水対策が進み、その後死者1000人を超す台風被害は起きていない。しかし、数十人規模の被害が姿を消さないのはどうしたことか。人的被害をなくすため、あらゆる技術と知恵を動員すべきだ。

 逆ではないか。1000人を越える被害を出す自然災害が50人以下に縮小されたということではないか。
 昨日の地震でも、なにかの不運で50人くらい被害が出ても不思議ではなかった。

朝日社説 asahi.com(朝日新聞社):社説 2009年8月12日(水)ミャンマー―軍政がアジアを脅かす

 この問題、気にはしているみたいだ。この問題は民主党にまかせましょう……なんてね。

 軍事政権の独善的な行動は、アジア全体に深刻な影を落としつつある。とくに心配なのは、北朝鮮との軍事協力が進んでいる疑いが出てきたことだ。
 6月、国連制裁で禁止されている武器などを積んでいる恐れがあるとして、米軍が追跡した北朝鮮船舶は、ミャンマーに向かっていたとされる。首都ネピドー付近で核関連施設と疑われる地下トンネル網が北朝鮮の協力で建設されている、という報道もある。
 クリントン国務長官は先月、訪問先のタイで北朝鮮からミャンマーへの核技術移転の可能性に懸念を示した。
 もしミャンマーが核開発に手を染めているとすれば、アジアの安全保障の構図はがらりと変わる。
 日本政府は、軍事政権をあまり追い詰めると、もともとミャンマーと関係の深い中国の影響力がますます強まってしまうとして、激しい政権批判を控え、対話を維持してきた。しかし、ミャンマーに核関連疑惑があるとなれば、悠長なことは言っていられない。中国に対して影響力を行使するよう働きかける必要があるし、中国自体も事態を深刻に受け止めるべきだ。
 北朝鮮に対する国連制裁を実効あるものとするためにも、政府はミャンマー問題で国際的な連携を強めなければならない。

 ⇒北朝鮮支援によるミャンマー核施設疑惑メモ: 極東ブログ

朝日社説 asahi.com(朝日新聞社):社説 2009年8月12日(水)震度6弱―「東海」の備えは大丈夫か

 防災の日のテンプレ以上の内容はない。しかたないとはいえるが、新聞社なのだから、今回の地震でこういう点が不安だくらいの事例があってもよかった。

曇り

 蒸し暑い。天気は安定してなく明日はまた雨になるのではないか。そういえば明日の未明はペルセウス座流星群だ。見れないだろうと思う。この二日ほど地震が続く。関連はないのだろう。また駿河湾地震東海地震とは関係ないとされる。専門家がそういうならそうかとは思うし、関連あるとの議論ができるわけではないが、影響くらいはありそうだなとは思う。夢は忘れた。なんとなく覚えていて体に残っているのだが思い出せない。枕を変えてから首コリが変化しているようだ。人生の1/3は寝ている。寝ている自分というものは、覚醒時の自分ではなく、にもかかわらず自分というものがあればそれを統合したものだろう。古代の人というか、人間種は基本的にそう考えてきたし、現代人でもあらかたはそうだ。若い頃、まわりにクリスチャンが多く、なぜ信じられたのかと聞いたことがある。すべてではないが信仰にはだいたい3つくらいあって、1つは家の宗教、2つめは神秘体験、3つめは生活の調和、そんな感じだった。神秘体験とは彼ら自身が名づけているわけではないがそういう経験と受容のコアを持っている人は多い。おそらく、宗教なんてという人でもそういう体験に遭遇すればころっと信じるのではないか。いわゆる懐疑的な人でもそれが無意識に偏っているなら無意識のトリックで神秘体験くらいは起きる。3つめの生活の調和というのは、ライフスタイルとしてのクリスチャンといったものだ。