朝日新聞社説 年金改革―民主案は税方式なのか : asahi.com(朝日新聞社):社説

 これまでに民主党は月額7万円の最低保障年金をつくるとし、その財源は税で賄う「税方式」としてきた。これに対し、経済財政相に就任した与謝野馨氏は「社会保険方式」を主張していることから、食い違いが指摘されている。菅直人首相と民主党は早急に、この問題を解決すべきである。

 まあそう。

 ところが、民主党が昨年6月に示した「新年金制度の基本原則」では「未納・未加入ゼロの原則 保険料の確実な徴収により無年金者をなくす」と、保険方式を強調した。
 さらに12月、藤井裕久・現官房副長官が会長をつとめた税と社会保障の抜本改革調査会は「社会保険方式である所得比例年金を基本に、税を財源とする最低保障年金を補足給付する」と「中間整理」に明記した。
 これなら「社会保険方式で改革するのが合理的」という与謝野氏と根本的な違いはない。現行制度は受給者全員について基礎年金の半分を税で賄うが、民主案では、年金が一定額以上の人には税で賄う最低保障部分を減らしたり、払わなかったりするだけだ。
 民主党が政権獲得後、保険方式に傾斜したのは現実的な動きともいえる。税方式にこだわると必要な財源が膨らみ、消費税などの増税幅が大きくなる可能性が高いからだ。保険方式を是としている自民党公明党などと協議する上でも有効だ。
 現行制度の最大の問題は、未納者が多く発生し、いずれ低年金・無年金になってしまうことだ。貴重な税財源をどう使ってそれを防ぐのか。与野党で一致できる点を見つけ出して改革を進めるには、政府・与党案の骨格を早く示すことが欠かせない。

 というわけで、朝日新聞社説も政権交代はなかったと。