Hatena::ブログ(Diary)

fishing with johnの日記 Twitter

2017-03-16 草とten shoesの周辺

私の参加している新バンド「草とten shoes」の次回ライブが4月8日に予定されており、近頃はそれに向けあれやこれやと準備などをしています。今回は私の書いた新しい曲を演奏する予定なのですが、アレンジやらメンバーの演奏するフレーズやらを考えたり、リハでみんなの演奏をまとめたりと奮闘中です。等々力の巣巣にて4月7日から23日まで永井宏さんの作品展が行われるのですが、それのオープニングライブとして山田稔明さん、ヒックスヴィル中森泰弘さん、カーネーション直枝政広さんという豪華な面子が出演し、そこにしれっと前座として新人の草とten shoesも出るという、店主の特権をフルに活かしたブッキングなんですけどね。直枝さんは去年貸切り図書館でmolnに出演していただいたり、山田氏のバンド広島フェスに出演した時にご一緒したりと最近縁があるのですが、ライブで共演するのは各駅停車カーネーション対バンした時以来なので実に16年振りくらいでしょうか。中森さんとライブで共演するのも15年振りくらいかもしれません。先輩方の前座として勉強させていただこうと思っている次第です。前売りはすでに売り切れたのですが、そこにさらに追加ゲストとして生前永井さんとご縁のあった女優片桐はいりさんの出演も決まったそうで。店主岩崎さんの神ブッキングたるやです。ご予約をされた方はぜひ楽しみにしていただきたく思います。私もはいりさんと共演出来るのを楽しみにさらに練習せねばと思っているところです。

片桐はいりさんも出演とのことで、ボーカル担当する妻も気合いを入れて今回ボイトレなんぞを受けたりしたのですが、ボイトレを受けた次の日こそ絶好調に声が出てピッチも安定し、効果絶大や!と喜んだものの、その次の日にはまた元の状態に戻ってしまい、何だトレーニング効果は1日しか保たぬのかと叱咤しつつ練習しているのですが、取りあえず以前よりは格段にうまくなって来ているようです。もうライブも今回で3回目ですしね。岩崎さんも演奏を間違える度に「間違えちった!」とテヘペロ的な可愛い仕草のあと「でも大丈夫〜」と相変わらずのポジティブぶりを発揮しているので当日もきっと大丈夫なのでしょう。(大丈夫だと良いのですが。)安定のアユミさんは草tenだけでなくメインのステージでも山田氏たちと演奏するそうなのでこの日は大活躍です。当日はぜひ女子メンバーたちの活躍をぜひ見ていただきたく。

フロントに立つシンガーとしてもダイエット継続中の妻ですが、ストレスが溜まると物を食べてしまうきらいがあり、近頃はなかなか苦戦しているのです。「あれ、また太ったんじゃないか?」などと言うものなら「シャー!!」と凶暴猫の如く威嚇して来るので、注意を促すのも大変なんですけどね。この件に関しては山田氏がなぜか監視役を買って出ており、定期的に「おま、間食してないやろな?」「あれから体重増えてないやろな?」とラインが入り、「このままだとアラバマシェイクスみたいになるで!」とアラバマシェイクスの画像が送られて来たり、「キャ〜!」というおぞましい楳図かずおのスタンプが来たり(山田氏が楳図スタンプを多用するのは吉祥寺つながりなのでしょうか)、「ママス&パパスみたいになるで!」とママス&パパス画像が来たり(どちらのビジュアルもピンと来ない方は画像検索して下さい)、何かと注意をしてくれるのです(これをネタに遊んでいるだけという説もありますが)。私も「山田兄さんが監視してるで!」と日々呼びかけているのですが、油断すると隠れて間食に走るのであり。先日も気が付くとお徳用サイズポテチの袋を購入しおもむろに開封しボリボリ食べ出したので、「少しだけにしときや」と注意したものいつまでもポテチを摘むその手がブレーキの壊れた汽車の如く止まらぬので「いい加減もう終わりにしろ!」とポテチの袋を奪おうとすると「まだ食べるんだ!シャー!!」と威嚇してくるのであり。これに怯んだら負けだとばかりに私がポテチの袋を引き剥がそうとするも強力にくっ付いた磁石の如く、運命によって結ばれ永遠の愛を誓った恋人たちの如く離れないのであり。仕方なく私はミル坊を操作し「ほーら可愛いミル坊が甘えてるよ〜」と注意を逸らし、「わ、ミル坊〜」と妻が油断した隙に電光石火のスピードポテチをガバッと奪い取り「で〜い!!!!」と渾身の力を込めて遠くへ捨てやり、何とか間食の完食を防ぐ事に成功したんですけどね。斯様な事件山田氏に報告すると「おま、ライブの日は留守番な」「来なくていいからな」と突き放され、「え〜ん、すみません〜」と反省するという、そういう繰り返しを経ている我々なのです。そのやり取りを見ながら岩崎さんやアユミさんは「ガンバ!」などとスタンプを送ったり「歌うにはどっしりとした身体必要だし!」などと無責任ポジティブなことを言ったりするのであり。困ったものです。

そんな草tenと山田氏と豪華ゲストの繰り広げるステージ、ぜひ来られる方は楽しみにしていただきたく。よろしくお願いします。f:id:fishingwithjohn:20170317000204j:image

2017-03-14 焼き鳥迷子

気が付けば3月も半ばなのです。早いのです。2月は短かったな、あっという間だったなと思っていたら3月も同様の早さで過ぎて行こうとしているのです。何とか振り落とされぬようついていかねばと思いつつ、桜の開花などを待ち望んでいるこの頃です。

先日は高橋徹也から「今週鎌倉に遊びに行きますね!」とメールが来たので「じゃあいつもの焼き鳥屋で!」と返したのですが、というのも近頃はタカテツさんが鎌倉に来るイコール焼き鳥を食べるという恒例行事のようになっており、タカテツさんとどこか他所で顔を合わせても「また焼き鳥行きたいっすね」という会話になるほど我々の中で定着しているコースなのです。

そんな恒例と化した鎌倉焼き鳥会を催すべくタカテツさんと直接お店の前で待ち合わせと相成ったのですが、その日はたまたま開店が早かったようで、私と妻が焼き鳥屋の前に着くともうすでに開いていたので先に入って待っていようとなり。その旨をタカテツさんに連絡して先に入店ビールなど飲みながら待っていたのですが、約束時間になってもなかなかタカテツさんがやって来ないのです。電車が遅れてるのかな、どこか寄り道でもしてるのかな、などと心配になり彼に電話をしてみると「すみません、道に迷ってます!」というまさか迷子宣言が飛び出しまして。果て、もうこの店には何回も来ているはずだが?恒例行事のはずだが?と思いつつも、確かに細い脇道に入るのでちょっとわかりにくいかもと思い、「ちなみに今どの辺にいます?」と尋ねると「molnの先のよくわからない場所にいます」と言うのであり。そもそもこの店はmolnとは反対口にあるので駅を降りる方向からして間違っているのです。最初から道を見失っているのです。何度も行っている場所を目指しているのに結果よくわからない場所を歩いているとは彼の書く歌詞みたいじゃないかと思いつつ、「えーとまずは駅の反対側に来て貰ってですね」と細かく道順を教え、しばし待っていると果たしてタカテツさんは春風のように颯爽と現れ。「いやーmolnの方向かと勘違いしてました〜」と濁りのない瞳で言うので、改めて面白い人だなと思った次第です。ここに来るの今回で4度目なんですけどね。タカテツさんには現実の道や風景が何かのフィルターがかけられたように見えているのでしょうか。それとも単なる方向音痴なのでしょうか(笑)

そんなタカテツさんと美味しい焼き鳥に舌鼓を乱打しつつ、世間話などしつつ。楽しい時間を過ごしました。ちょっと前に山田氏と共に名古屋京都を回ったツアーを「ただただ楽しい旅でしたねー」と振り返ったり、ちょうど前日にはベース鹿島さんの30周年ライブを終えたばかりで、そちらも「楽しかったなー」と振り返っておりました。レコーディングも再開したようで充実の活動っぷりが伝わって来ましたね。タカテツさんが山田氏に対して「佐賀の狂えるひとりっ子」という秀逸なキャッチコピーを付けていたのが面白かったですね。さすがの言語チョイスだなと。

そしてアフター焼き鳥カフェディモンシュに立ち寄り。美味しいコーヒーパフェいただきました。ちょうどタカテツさんが店主の堀内さんに渡すものがあったそうで、手渡しつつレコード話を交わしておりました。タカテツさんはブラックコーヒーにミルクを入れず砂糖だけ入れるスタイルなのですが、カップの持ち方にもこだわりがあるらしく。取っ手部分を持たず中指と親指でカップの端と端を持ち口に運ぶのだそうです。昔デヴィッド・ボウイがそうやってコーヒーを飲んでいたらしく、「つい真似してしまうんです」と嬉しそうに語っておりました。ボウイと同じ飲み方でコーヒーを飲む男。そして何度も行った場所を目指すもよくわからない場所に至ってしまう男(笑)タカテツさんはそんな人です。愉快な一夜でした。

そんなタカテツさんには夏頃にまたmolnでライブをやって貰う予定です。みなさんもぜひ鎌倉で彼と待ち合わせをしてみて下さい。そしてその時にはくれぐれも。迷子にならぬようお気を付け下さい。

f:id:fishingwithjohn:20170314225712j:image

f:id:fishingwithjohn:20170312182722j:image

2017-03-02 VHS牧場

先日実家に行った際、「これをどうにか処理せい」と段ボールを寄越され、何ごとかと中を見やればビデオテープなのであり。お笑い音楽番組映画など長年録り溜めた無数のVHS群はビデオデッキ故障と共に燃やすゴミとして怒涛の勢いで処分したのですが、自分が映っているビデオだけは捨てられず残しておいたのですね。その中身を確認すると私が昔やっていた各駅停車というバンドライブ映像や、fwjの初期ライブ映像、張子関連でテレビ出演した際の映像などであり。各駅停車時代鈴木茂さんのプライベートパーティー演奏した映像などもあり、それを確認すると共演者南佳孝かせきさいだあ、キリンジヒックスヴィルなどの豪華な面々が見られ、資料としても大変貴重なのです。これはさすがに処分するわけにはいかない、DVDに焼くなどして保存せねばと思いつつも、手元には再生するデッキもないし、ダビングする術もないのです。

仕方なしに「VHS DVD ダビング」などと検索するとそれを請け負ってくれる業者がいくつかヒットし。しかし某有名店を見てみると1本ダビングするのに3000円だかかかるのです。テープは7、8本あるのでえらい金額かかるな、もっと安いところはないかと調べると北海道業者が1本400円弱だかで請け負ってくれるらしく。業者によってこの料金の違いは何なのかとよく見ると画質だのカビの処理だの色々ある中でも特に早さにあるようで、大手のところは頼むとすぐに作業してくれあっという間に手元に届くのですが、その北海道業者は「時間かかっても良いならこの安さでっせ」と謳っているのです。まあ急がないし安さの方を選ぶかと、今頼むといつ頃仕上がるのか見積もりを問うてみると「仕上がりは7月です」と出て来るのであり。し、しちがつ?この寒風吹き荒ぶ2月に震えながらストーブの温風を貪りながらPCをカチカチと操作し依頼したものが暑さに汗をダラダラかきながら扇風機強風を貪りながら過ごす7月に届くとは如何なる理由なのか、季節をスキップし過ぎではないか、この業者はたったひとりで経営ビデオデッキも1台しか稼働しておらず全国から届くVHSを1本1本手作業ダビングし発送を行う過酷な零細なのか、それとも全国から途轍もない量のVHSが届き毎日ダビング作業に追われ夜も眠れぬくらい時間がかかるのだろうか、ビデオ文化が廃れてかなり経つ現在果たしてそんな需要があるのかと訝しんだ私なのですが、まあ夏の自分への思い出ギフトということでいっかと思い、ポチりと依頼したのですが、思えばビデオ文化昭和から平成までかなり長きに渡って浸透していたわけで、その思い出は無数にあるのかもしれません。これを読んでいる方の家にも再生されぬまま眠っているビデオテープがあるのではないでしょうか。深い夜の闇に呑まれた羊のように。

そんなわけで早速VHS群を北海道業者宛まで送りひたすら夏を待つ身に投じたのですが、それから1週間も経たぬうちに「ダビング作業完了しました!」というメールがその業者から届き。は、早っ!7月じゃなかったんかい!と私は驚き、これは予定を遅めに告知しておいてそれよりも早く仕上げて喜ばせようという業者サプライズ手法なのか、単に暇だったのかよくわかりませんが、何しろすぐに手元にDVDが到着したのです。眠っていた羊が再び牧場へ放たれたのです。一応中身を確認すると画質の粗い中、若き日の己がそこにいるのであり。ギターを弾いて歌ったりしているのであり。しかしいざダビングしたとて、中身を全部見ることはしないのですね。以前このブログにも書きましたが、写ルンですカセットテープなどと同様、懐かしく振り返るのにはまだ早過ぎるのです。あと10年は寝かさないといけません。折角のDVDですが中身の確認だけをしてそっとケースにしまった私です。私の若き日の歌声を聞いて妻が「ゆうくん、歌ヘタだね」と直球の感想を投げかけたのもその一因ではあるのですが。

しかしその写ルンですカセットテープのようにビデオテープリバイバルが起きないのは何故なんでしょうか。単にデッキ生産が終了しているせいなのでしょうか。地方中古ショップVHSが投げ売られている光景もやがて見られなくなるかもしれません。ツメを取って永久保存を誓ったはずの映像は何処へ。VHS消滅を持って初めて私たち昭和が終わる気がしてなりません。

2017-02-23 情熱ナイツ

先日、依頼を受け招き猫の絵付け教室出張に出向いたのですが、その場所が少し変わったところで、レクサスという車の販売所なのですね。そこではレクサスオーナーさん対象に様々なワークショップを催しているそうで、招き猫縁起物だし幅広い年齢層にも受けるとのことで今回我々に白羽の矢が立ったらしく。そんなわけで2時間近くかけて千葉営業所まで出向いたのですが、いざ現場に着くとピッカピカの新車レクサスが屋内にずらりと展示されており。私は車の知識が皆無なのでレクサスがどういう車なのか知らず、勝手名前の語感から機動戦士ガンダム」に似た、「情熱騎士レクサス」みたいな架空の巨大ロボットアニメイメージして行ったのですが、いざ現物を見たらそれがあながち間違いでもなく、美しい光沢のあるボディと洗練されたデザインはSFロボット的魅力に溢れており。商品のネーミングって大事なんだなと思った次第です。

そんな情熱騎士たち(じゃないけど)はおいくらなのかとふと値段をチェックしてみると、今まであまり見たことのない桁の数字が羅列されており。思わず一の位から「いち!じゅう!ひゃく!」と開運なんでも鑑定団方式数字を追ってしまったのですが、私が見たそれは1300万するのであり。いっせんさんびゃくまんてあなた、下手したらマンションが買える金額でっせと私は驚き、そんな高級車を日常的に近所の安売りスーパーエリンギ79円もやし39円を買いに行くのに使ったりするのか、凄いぞ!と眩暈がしたのですが、そんな高い車は自分は怖くて乗れないなあとすぐさまビビってしまった次第です。(まあその前にまず買えないですけどね。)話を聞くと来月発売の1800万のスポーツカータイプのものがそこですでに7台売れているとのことで、お金持ちというのは確実にいるのだなと日本経済格差に想いを馳せた次第です。私自身は車に興味がないのでそこまで惹かれませんでしたが、実際内装を見ると高級な革張り仕様の動く応接間といった極上空間で、これを所有したい人がいるというのは理解出来ましたね。車が好きでお金に余裕があればこんな良い物そりゃ買うよという感じで。情熱騎士レクサスに乗り込みレクサスビームレクサススーパーキックなどを駆使して日本平和を守るよと。

その後会場に集まった情熱騎士(じゃないけど)オーナーさんたち相手に絵付け教室を行ったのですが、みんなこの高級車を買った人たちなのか〜とついお金持ち認定してしまっている自分がいて、実際そういう目で見られるためというか、他人から信用を得るという意味でも高級な物を所有するのって大事だったりするんだなと、成功した人が高価なものを身に付ける理由が少し理解出来ましたね。みなさんマナーの良いお客様ばかりで楽しいワークショップになりました。さすがは騎士たちです。(だから騎士じゃないんだけど)

私は移動となるとだいたい徒歩か1万2000円で購入したママチャリなのであり、機動戦士にも情熱騎士にもなれないのですが、朝急いでいる時にはガンダムの如き機敏な動きで漕ぐし(「ユウスケ行きま〜す!」の台詞込みで)、天気の良い日はレクサスの如き寛ぎの極上空間サドル上に作り出しているので、ある意味では機動戦士でもあり情熱騎士でもあるのです。個人的にはそれでも良いような気がします。なあミル坊もそう思うだろう?と靴の箱に入って寛いでいるミル坊に話しかけたら「にゃあ」と優雅あくびをされました。ただの靴箱もミル坊にとっては極上空間レクサス情熱騎士なのです。

f:id:fishingwithjohn:20170219110353j:image

f:id:fishingwithjohn:20170216193934j:imagef:id:fishingwithjohn:20170220142128j:image

2017-02-19 赤く塗れ!

浅草台東区民会館という施設で定期的に行われている「伝統的なおもちゃや動くおもちゃを作ろう!」という催しに毎年講師として参加してるのですが、今年もそこで張子の雛人形の絵付け教室を行いまして。この催し、参加費が無料ということもあって毎年たくさんの親子連れで賑わうのですよね。張子の他にも独楽に絵付けをしてみようとか、レゴを組み立ててみようとかゴムの銃を作ってみようとかコンテンツ豊富で。

今回もわらわらと子供たちが集まり絵付けをするのを「わー上手だね〜」とか「いい色使いだね〜」などと褒めつつ指導していたのですが(基本褒めることにしているのです)、ひとり元気のいい4歳くらいの女の子が絵付けをし始めまして。この子は色々世話を焼いてくれるお母さんに向かって「いいの!向こう行ってて!」などと突っぱねたりするやんちゃな子で。その子は赤を塗ったと思ったらその上から青を塗ったり、緑を塗ったと思ったらその上から黄色を塗ったり、そこにまたオレンジを塗ったりと最早お雛様の顔や着物など関係なく色を塗り重ねることに夢中になり始めたのですね。最初は私も「わー、アート作品だね〜」などと褒めていたのですが、こういう「塗るという行為気持ち良くなってしまう子」というのは結構多くて、そういう子の作品は最終的には全部真っ黒になるとか全面灰色になるとか一色に終着してしまいがちなのですよね。途中まではカラフルな配色でそれこそアート作品として成り立っているんですが。こういう最終的に一色になってしま工程を見る度に、当初カラフルな配色でお洒落を楽しんでいた人が最終的にそれを突き詰めて全身黒ずくめのファッションに落ち着いたりする現象と似ているのかしらと思ったりするのですが、何しろの子も色々な絵の具を塗りたぐった挙げ句全部真っ赤になるという仕上がりになりまして。その子のお母さんはというと、最初は「お雛様のお顔は描かないの?」「着物の柄は?」などと大人常識範囲で聞いていたのですが、途中からああこれは子供特有芸術作品だと理解したのか「カラフルで良いね〜」などと褒めるという路線に変更したのですが、最終的に赤単色に仕上がったので「あれ?全身真っ赤で良いの?」と疑問を呈しまして。いやそういうものですよ、と私は心の中で思いながら眺めていたのですが、その子が他の子と違うのは真っ赤になった雛人形にさらに赤を塗り重ねるという行為に及んだことで。もう真っ赤で塗る余地もないのに赤色の絵の具を執拗に塗り続けるのです。お母さんも「もう塗るところないでしょ、終わりで良いのね?」と聞くもその子は「まだ塗るの!」と言って聞かないのです。塗るという行為気持ち良さにトランス状態に陥ったのか、筆を派手にぶん回し赤色を塗り重ねているのです。お母さんは「赤の上に赤色を塗っても同じでしょ!」「結果的赤色で変わらないでしょ!」と正論を述べてやめさせようとするのですが、その子はもう赤色の虜になっているので聞かないのです。お母さんも業を煮やしたのか「ほらもう終わりにしよう!行くよ!」と筆を取り上げようとするとその子は「キ〜!」と怒り、「まだ続けるの!人にはそういう時があるの!わからないの?!」と大人びた台詞でお母さんを制止するのであり。「人にはそういう時がある」という台詞を4歳の児童から聞くとは思いませんでしたが、赤色一心不乱に塗り続ける行為を止められない時というのはどういう時だろうとふと自分に当てはめるにつけ、飲み過ぎとわかりつつも「もう1杯!」「いやまだもう1杯!」「まだ飲むの!人にはそういう時があるの!わからないの?!」と酒を浴びるように飲んでしまう荒れた夜みたいなことかしら、それならわかるわかると思い、何だか深いことを言う女の子だなと感心してしまったのですが、赤色の絵の具ばかり無駄に浪費されてもかなわないという冷静な判断をする私もいて、「はいはい、もう赤色は終りね〜」と赤の絵の具をしまうという抵抗をもってその子の荒れた夜を終わらせるに至ったのですが、その子は「やだ!まだ塗るの!」と発狂したようにわんわんと泣き出し、最終的にはお母さんが強制的に外に連れ出すという結果に着地したので、子供の執着というのは凄いよなと思ってしまった次第です。その子の中で赤を塗り続ける美学みたいなものが生まれて、それを全うしようとしたのでしょうか。確かに人にはそういう時があるのかもしれませんが、4歳にしてそれを自覚しているのは凄いなと思った次第です。

こういう子がそのまま成長したら良く言えば頑固、悪く言えば人の言うことを聞かない協調性のない人と思われるのかもしれませんが、この執着を芸術方面に向かわせれば凄いものを作り出しそうな気もします。赤色の向こう側を発見するかもしれませんし。ルシファー吉岡ネタではありませんが「こういう奴がiPhone作るぞ!」みたいな独創性に繋がるかもしれません。もしくは赤に赤を重ねても結局赤にしかならないという真理を獲得してしまい、平凡に落ち着いてしまうという可能性もありますし。人がどう成長するかはわからないものです。未来はあらゆる方向を向いているのです。赤を巡る未来は。

しかしこういう「様々な色を塗り重ねて結果的に一色になってしまう」という現象は様々な場面で見られるような気がします。この現象を言い表す的確な言葉がないものかと思いつつ、その子の汚した赤にまみれたテーブルをせっせと掃除した私です。「掃除をするのは結局大人たち」という。その真理はすでに獲得している私なのですが。

f:id:fishingwithjohn:20170211103147j:image