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fishing with johnの日記 Twitter

2017-07-25 7月の現状

7月に入りいよいよ夏全開といったところでしょうか。元々暑さに強い(寒さには滅法弱い)体質ゆえ、未だエアコンレスで過ごしています夕方時間があれば海まで散歩に行き、夕焼けの瞬間を見送るようにしています。毎回行く度に海に向かってトランペット練習をしている人に遭遇するので、その人のつっかえながらの旋律音色をバックに波と夕焼けの融合をスマホカメラに収め、インスタにアップし、いいねを貰うという世のOLさんの如き所業を重ねていますトランペットの音は小々波に吸収され、やがて夜の海の奥へと消えて行くのです。あと何回夏の夕焼けを見送ることが出来るのだろうかと思いながらスマホ越しに紅い空を眺めています。家の近所ではヒグラシの鳴き声が聞こえるようになりました。夏の短さと長さを同時に体感しながら7月を過ごしている私です。

先日は鎌倉引っ越して来て初めて、鎌倉花火大会を見に行ったのですが、やはり花火は良いものだなとしみじみ思いましたね。開催時間に海に着くと、いつもトランペットを吹いている人がいる海岸にすでに埋め尽くすほどの人々が集い、シートを敷いたり椅子を設置したりし、波の音に包まれながら今か今かと花火を待ちわびておりました。私は妻と友人と3人で見に行ったのですが、どうせなら最前列が良いと波打ち際ギリギリ場所にシートを敷き、酒とつまみいただきながら、やがて始まった夏の夜に華やかに開かれる祭典を存分に堪能しました。ドンドンという音と煙の匂いとカラフルな色彩が相まって、これまでの夏の記憶の断片も蘇り、切なさのようなものが去来するのですが、この感覚がまた良いのですよね。夏独特のセンチメンタルが。今や手元にスマホがあり、動画写真両方でこの花火大会の模様を保存出来、後でまた味わえるだけでなく、インスタにアップし、いいねを貰えるというオマケまで得られるのですが、スマホカメラもなかった幼少や思春期の頃の花火や夏にまつわる記憶も鮮明に思い出せるし、それに伴う感情も覚えているのでまあそんなものはいらないと言えばいらないんですけどね。(その実、私も妻も写真動画を撮りまくっていましたが・笑)きっとこの日の光景も後に鮮明に思い出すのであろうなと思いながら帰路に着きました。いつもトランペットを吹いている人もあの花火を見上げていたのでしょうか。いつも自分旋律を放っているあの海岸で。

毎年夏になると聴き返してしまアルバム真島昌利の「夏のぬけがら」という名盤で、もう20年近く愛聴しているのですが、アナログ盤で再発されないかなあと以前から思っていたところ、この夏アナログ化されるとの知らせに歓喜し、早速入手して夏の空気再生しています。夏の切なさがぎゅっと詰まったレコードです。CDデータで持っているものレコードで買い直すという行為をしばしばしてしまうのですが、これは決して無駄なことではなく、愛着や思い出を更新し直すという意味でとても大事ことなのです。好きな本が文庫化されたり新装版が出たら買い直すのも同様です。というのはまあ自分への言い訳で、端から見たら何で同じ物を複数買う必要があるんだという感じでしょうけどね。好きという気持ち再確認するためにする買い物もあるのです。レコードって素晴らしい発明だなあとしみじみしながら針を落としています

ミル坊はというと、暑さにも負けず一日中寝ています。寝ても覚めてもその可愛いさは揺らぎません。猫が可愛いとか、夕焼けが美しいみたいな世の真理を再確認しながら過ごしています国会で頭の良い人たちが次々と記憶や記録をなくしたり忘れたりしている様を見ながら、私は夏の思い出を忘れぬよう更新し続けていこうなどと思っています国会と言えば、いつぞやの菅官房長官の「怪文書がひとり歩きしている」という言葉の、己の発言への責任感のなさと距離感正当化にぞっとしたのですが、彼の全ての感情ゴミ箱に捨て去って来たかのような空虚な様子を見ていると、果してこの人は生きていて幸せなのだろうかとふと思ってしまう私です。彼も猫が可愛いというような感情を抱くのでしょうか。それが総理意向と違えばその指摘は当たらないと本気で思うのでしょうか。猫の絶対的な可愛さを前にして。

それはさて置きミル坊の可愛さはひとり歩きしているなと思いながら7月を過ごしています暑い日が続きますが、みなさまもご自愛くださいf:id:fishingwithjohn:20170719200545j:image

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2017-07-21 夜の科学 夏の日の記憶と記録

先日恵比寿天窓Switchにて行われた山田稔明with夜の科学オーケストラライブ、無事終了しました。この日は満員御礼ということで、ステージからもたくさんのお客さんの笑顔が見えました。ご来場下さった方々、どうもありがとうございました。

この日もうだるような暑さで、汗だくになりながら会場入りしみんなで機材を搬入し、リハーサルが始まりまして。今回も私はベース担当したのですが、山田氏の歌う後ろ姿を見ながら演奏する立ち位置にも慣れて来ましたね。文字通り裏で支えてるといった感じで。

リハの間、喉を温存するために山田氏が歌わない場面もあるのですが、その時は「綾香、代わりに歌って!」とコーラスの綾香ちゃんにその場で歌わせるという先輩の無茶振りがあるのですが、「光と水の新しい関係」という曲が始まった時も「綾香、ボーカル!」と振られ、急で慌てたのか冒頭の「街のはずれのひなびた〜路地に〜」という一節を「街のはずれのしなびた〜路地に〜」と間違えて歌ってしまい、「しなびたじゃねえよ、ひなびただよ!」と山田先輩に注意されるという一幕がありました。辞書を引くと「ひなびた」は田舎めいた風情という意味であり、「しなびた」は水分をなくした張りのない状態という意味なのであり、綾香ちゃんの歌う風景は水気のないダルダル路地が広がるユル〜い感じになるわけですが、これだけの猛暑で水分を奪われればそんな萎びた路地存在するのかもしれないと後でしみじみ思った次第です。(その場では「茄子じゃねえんだからよう〜」と全員で笑いながらツッコミまくりでしたが・笑)

そんなしなびた騒動など経てリハも終わり、いよいよ本番を迎えまして。今回のドレスコードはこの日発売となるライブ盤「DOCUMENT」のジャケがモノクロ写真なのに合せてモノクロとなっており、みんな白や黒のシャツに着替えていたのですが、イトケンさんだけずっとアイアン・メイデンTシャツ姿でいたので「まさかアイアン・メイデンで?」と問うたらステージに出る直前に着替えておりました。イトケンさんはリハの時にもセックス・ピストルズの派手なTシャツを着て来たり、いつだってロックなのです。そんなロック魂が今回のステージでも炸裂しておりました。今回は古い曲から最新の曲まで網羅した充実のセットリストで、「俺の弾き語りパートもあるからそんな曲数多くないよ」と事前に聞いていたのにバンドでやる曲だけで17曲もあるというフルボリュームでございました。前回のレコーディングライブの時に私が不覚にも2テイク目を間違えたでお馴染み「home sweet home」は今回はバッチリでしたし、しなびた騒動でお馴染み「光と水の新しい関係」も安宅さんのかっこいいギターソロが決まってましたし、「平凡な毎日暮らし」ではイトケンさんのドライブするドラムに合せて私もブンブンベースを掻き鳴らし、「月あかりのナイトスイミング」では真里さんの美しいピアノと綾香ちゃんの力強いコーラス神秘的な空間を作り上げていましたし、演奏していてグッとくる熱い瞬間が何度もありました。山田氏もノっているのが後ろで見ていてわかりましたね。ラストの「SING A SONG」の時にはお客さんも総立ちで凄い盛り上がりでした。最後まで楽しかったですね。

ライブ後にはこの日発売となったライブ盤「DOCUMENT」が飛ぶように売れておりました。私も山田先輩に「五十嵐くん、ちょっとTシャツ売って来て」と命じられたので売り場で販売の手伝いをしておりました。お客さんに声を掛けていただいて嬉しかったですね。この日同じく販売したジン「MONOLOG」のコラムにも書いたんですが、今回のCDには私の演奏も多数収められており、中ジャケにも写真が載っていて、実物を手に取ってみていつもとは違った嬉しさがありましたね。(中ジャケだけでなく表のジャケにも山田氏の背後霊のように私が映り込んでいますけどね。)山田氏もMCで言っておりましたが、物販で何を買えば良いか迷う方はまず最初にこれを手に取ると入門編として最適なのではないでしょうか。

ライブ後は打ち上げでいつも川崎麻世さんに遭遇するでお馴染みにお店に行ったら本当に川崎麻世さんご本人がいて、「いるんかい!」と思った私ですけどね。そこで軽くビールなど飲み、帰路に着きました。楽しい一夜でした。

ちなみに「MONOLOG」の表紙には山田家のポチポチ実や近藤家のモイ、ウニちゃんに混じってうちの愛猫ミル坊のイラストも描かれており、帰宅して早速「これいいだろ〜」とミル坊に自慢しました。ミル坊は「にゃあ?」とピンと来てなかったですけどね。こちらのジンCDと合わせて通販があるかと思いますので、ぜひチェックしていただきたく。

取りあえずこの夏は「DOCUMENT」をぜひよろしくお願いしますということで。

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2017-07-18 7月14日の短編

先日行われた渋谷喫茶スマイルでのfwjカルテットライブ、無事終了しました。ご来場下さった方々、どうもありがとうございました。久々に対バン形式ライブに出演しましたが、思わぬ再会などもあり楽しい一夜となりました。

当日は夕方渋谷に着き、会場の喫茶スマイルに向かうべく歩き出したのですが、週末の渋谷の喧噪と渾沌と猥雑さと下品さたるやどえらいものでしたね。お祭り騒ぎとはこのことを言うのかという感じで。そこかしこで何かしらの音が洪水のように鳴っており、品のない若者が横行しており。客引きの人もいればナンパの人もいればギャルヤンキーも浮かれており。外国人も多く、一瞬アジアの異国の地に迷い込んだのかと思ったほどです。

そんな渋谷の喧噪をくぐり抜けて宇田川町の隠れ家のようなひっそりとしたビルの3階を上ると裏口のようなドアがあり、本当にここで良いのであろうか、開けたらヤクの売買が行われていて何かしらの誤解により撃たれたらどうしようなどと思いながら入ると中は良い感じのバーなのであり。見たらちゃんとしたステージもあるのですね。店長さんもいたので挨拶をし、早速リハーサルを行いまして。ギターひじきさんが本番ギリギリ時間しか来られないとのことで、彼がいる体でサウンドチェックなどを行い。まあ結局ひじきさんがいないと曲の演奏が成り立たないということで、音の確認だけして早々と終わったんですけどね。そういうしているうちにこの日の共演であるサツキモノというユニットの2人が会場入りしてきて。この2人、サイクルズというバンド元メンバーさんで、私が各駅停車というバンドをやっていた頃にライブで共演しているのですね。この日はそれ以来かれこれ18年振りの共演となったわけです。「あのー私、昔各駅停車というバンドをやっていて」と話すと「あ、ダイさんの?ライブ何度か見たことありますよ」とすぐに思い出していただきダイさんというのは各駅の元ドラマーでその後くるり七尾旅人などで活躍するのですが、元々彼の人脈で知り合いになったのですね。お互いまだ音楽を続けていて20年近い時を経て渋谷雑居ビルで再会するみたいなことが普通にあるのですね、長くやっていると。何だか感慨深いものがありました。

その後時間があったのでディスクユニオンでレコを掘ったりしつつ、本番の時間を迎えまして。サツキモノさんはボーカル森川さんの歌声が凛として素晴らしかったですね。「あの頃はまだ20代でしたからね〜」と当時を振り返って話し合ったのですが、自分が20代だった頃のバンド風景をつい思い出してしまった私です。

その後時間ギリギリひじきさんも会場に到着し、我々fwjの出番となりまして。渋谷猛暑と喧噪に清涼感を与えるべく弦楽器アンサンブルをお届けしました。7月だったのでタイトルに7月の付いている曲をやろうということで、それこそ10年振りくらいに「7月32日の短編」という曲を演奏し。練習では特に構成も決めずにその場のノリで毎回演奏していたのですが、鎌田さんの弦を弾く怪しげな音、あぐちゃんの不穏な鍵盤ハーモニカひじきさんの淡々としたアルペジオと私のE-bowの持続音が渋谷の夜の光景に何かしらの物語を浮かび上がらせたのではないでしょうか。終始気持ち良く演奏出来ました。夏の定番曲「読みかけの夏」も奏でましたし。この日はmaoの石本さんも見に来てくれて、ミラーレスのかっこいいカメラ写真をいっぱい撮ってくれました。(猫を可愛く撮るためにカメラを買ったそうです・笑)

この日はタカテツさんも見に来てくれて、「いや〜MC演奏も良かったです〜」とノンアルコールビール片手にご機嫌になっていたので嬉しかったですね。(「今日渋谷で一番ご機嫌な時間でした!」と言っておりました。)ライブ後にお客さんから「fwjのライブ、8年振りに見に来ました!」と声を掛けられたりして、8年だとか10年だとか18年だとか、長いスパンの再会があるものだなとしみじみした次第です。我々の後に出演した店長さんのバンドファンキーでかっこよく、最後まで楽しめました。

ライブ後に外に出ると向かいのコンビニ前で地べたに座り宴会を開いている若者たちがいて、「地方ヤンキーか!」と思ったりしたのですが、ドンキ前で座り込んで何かしら集会をしていたり、酔っぱらって地べたに寝ている女子などもいて、色々凄いことになっているな渋谷はと驚いた次第です。そんな浮かれている人たちの波をすり抜けそそくさと帰路に着いたんですけどね。

しかし帰りの電車に乗ったところで今日買ったレコードをお店に忘れて来たことに気付き。何だまた渋谷の街に取りに行かなきゃいけないのか〜とがっくりしてしまった次第です。これも渋谷という街の呪いか何かなのでしょうか。再びあの渾沌の中に身を投じよという。忘れ物を取りに行くというミッションを残したまま渋谷の街を後にした私です。そんな暑い暑い7月14日の短編でした。f:id:fishingwithjohn:20170718103746j:image

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2017-07-09 7月の告知

気が付けばもう7月なのです。1年も半分終わってしまったと思うと早いものです、時の流れは。

日々製作仕事に追われ、両国催事なども挟んだりしつつ、molnで開催しているライブ企画「貸切り図書館」でゲストに柴田聡子さんを呼んだりOishiiOishiiさんを呼んだりと何だかんだ忙しく、6月もぎゅっと凝縮された感じでしたね。あっという間でございました。(2組とも素晴らしいライブで感涙でした!)

今月はまたfwjカルテットライブがあるということでちょこちょこリハをしているのですが、インスタグラム動画の実況中継が出来るというのを知り、折角ならリハの模様を配信してみようと試しにやってみたところ、そこそこ見てくれる方がいるのを知り。配信後はインスタのストーリーというところに24時間だけ動画が残るので、それを閲覧してくれる方もいるようなのですね。慣れてないし、何の計画性もなく試しにやってみたという程度なので冒頭やたらカメラがぶれたり、画角が定まらなかったり、「え、これ映ってるの?」などとメンバーみんなで大騒ぎし、まるで初心者youtuberみたいな様相晒してしまったのですが、見てくれる方がいるというのは思いの外嬉しく。すっかり味をしめてその次のリハでもインスタで動画配信を行い宣伝したのですが、携帯1個で気軽に動画を全世界に公開出来るのだから凄いことだなと思った次第です。そんなリハ公開などを経てfwjカルテットライブを行います。ぜひ見に来ていただけたらと願ってやまない私です。我々の出番は20時過ぎなのでお仕事帰りにでも間に合いそうですし、お値段もお手頃です。ぜひお誘い合わせの上、如何でしょうか。夏にぴったりな極上の音楽をお届けいたします

7月14日(金)渋谷喫茶SMiLE

出演: fishing with john

北山昌樹 with 狸穴

サツキモノ

開場19:00開演19:30

料金1500円+1ドリンク

さらに宣伝になるのですが、この度庵野秀明監督の大ヒット映画シン・ゴジラ」の張子の人形製作させていただくことになりまして。アニ中ストアにて6月22日から7月11日まで受注を受付中です。北村みなみさんデザイン、春日部張子製作による、ひとつひとつ手作りによる逸品です。第2形態、第3形態、第4形態の3種類あります。ぜひファンの方には手に取っていただきたく。「シン・ゴジラ」、私も映画館で鑑賞しましたがあまり面白さに大興奮し、見慣れた鎌倉風景が登場するのに「あ、あの通りじゃん!」とテンションが上がり、翌日すぐにその現場を見に行ったりしたのですが、そんな映画のグッズを自ら手がけることになるとは思いませんでした。庵野監督夫妻は移転前のmolnにもちょこちょこ来店いただいたこともあり、斯様な縁が出来たことにとても嬉しく思っております。私が全ての絵付けを担当するので、注文された方は「ああ、これ五十嵐がせっせと描いたものなんだな」と思って手に取っていただけたらと思う次第です。ぜひこちらもよろしくお願いしたく。もうすぐ受付けも終了です!

アニ中ストア

http://www.ani-cyu.jp/category/28-shingodzilla/index.html

そして7月15日には恵比寿天窓スウィッチにて山田稔明with夜の科学オーケストラライブもございます。私もメンバーとして参加させていただきます。こちらは山田氏初のライブ盤「DOCUMENT」の発売記念ライブです。こちらには私の演奏も多数収録されている模様です。ぜひ会場にて購入していただけたらと。会場で販売するジン「monolog」にも原稿を書きました。ライブチケットはすでに完売しているそうですが、来られる方はぜひそちらも合わせて。

7月15日(土)恵比寿 天窓switch

山田稔明 初のライブ盤『DOCUMENT』発売記念ライブ

“夜の科学 vol.52 - 夏の日の記憶と記録”

出演:山田稔明 with 夜の科学オーケストラ

7月もまた濃密な日々にしたく思っている次第です。暑さに負けることなく行けるでしょうか。果たしてf:id:fishingwithjohn:20170709194704j:image

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2017-06-16 熱狂の紫陽花いいね

6月に入り、すっかり紫陽花の季節なのです。そこかしこで鮮やかな紫色紅色の花がぽつりぽつりと咲いており、この目を楽しませてくれるようになりました。鎌倉には紫陽花の名所がいくつかあり、連日観光客で賑わっているらしく、どれその様子を見てみようかと先日北鎌倉にある某お寺を訪ねまして。

寺に至る道にはすでに観光客とおぼしき人たちが溢れており、近隣の施設カフェレストランなども賑わっていて、まるでお祭り様相を呈しており。紫陽花の人気たるや凄いなあと思いつついざお寺に着くと入口でみんなお金を払っているのであり。そうか無料というわけにはいくまい観光施設であるからしてと財布を取り出し「いくらかな、250円くらいかな」と思ったら「大人500円」と書いてあるのであり。「妻と2人分で1000円か」と私は静かに思い、「紫陽花を愛でるだけなのに1000円か」と改めて思い、「そこかしこに咲いている、何ならうちの庭先にもちょっと咲いている紫陽花を見るだけなのに、お寺に入場するだけなのに1000円か」と3度ほど思い、財布を持つ手が軽く震えたのですが、いや待て観光施設お金を落とすのも地元民の役目であろうと思い直し、入口にて1000円を払っていざ中に入ったのですが、何しろ混んでいるのです。人で溢れかえっているのです。いざ入ると少しずつしか進めないほど人が詰まっているのです。何だここは原宿竹下通りか、渋谷スクランブル交差点か、ラッシュ時の山手線かと見紛うほどなのです。そんな混雑振りながらも確かに咲き誇る紫陽花は綺麗なのであり、いざ写真を撮ろうとスマホを取り出すのですが、そこにいる人たちほぼ全員が同じくスマホを構えており、紫陽花の撮り合いならぬ取り合いになっているのです。お互い構図を奪い合いながらカシャーカシャーとシャッター音を鳴り響かせているのです。若い人たちはスマホですが年配の方は一眼レフの立派なカメラを持っており。バズーカ砲みたいな50センチはあろうかという長いレンズシャキーン!と音が鳴るほどの迫力で目の前の紫陽花を狙い、ゴルゴ30のような様相シャッターを切っているのです。すぐ目の前の紫陽花を撮るのにそんなバズーカみたいなカメラ必要?と思ったのですが、おじさんたちにはレンズが長ければ長いほどかっこいいという美学があるのでしょうか。紫陽花だけでなく美学の花もそこかしこで咲き乱れているのです。

私も一応来たからには(1000円払ったからには)写真ひとつでも撮りたいじゃないとスマホを向けるのですが、どこで撮っても誰かが映り込んでしまうのであり。良い感じのスポットがあるとそこを撮影したい人による待ちの行列が出来ている始末で。若い女子たちが「マジ綺麗なんですけど〜」「やっべ〜速攻インスタあげなきゃでしょ」などとスマホをいじっており、見ればほとんどの人たちがインスタやツイッター写真を上げて「いいね」を貰おうとするSNSに毒されたいいね亡者なのであり、「いいねはいねが〜、いいねはいねが〜」といいねを求めて彷徨いいねゾンビなのであり。紫陽花たちはそんなゾンビたちに「これでも喰らえ!」とばかりにいいねの素材をばら撒いており、いいねを巡る熱狂的な市場がそこに形成されているのです。静かに花を愛でたい私には全く良くないのです。「NOTいいね」なのです。

そんな中歩いていると横から若い女子の声で「紫陽花さんありがとう〜」などと言っているのが聞こえ。「え、今花にお礼を言った?」と思わずその方面を二度見すると浴衣姿の大学生くらいのカップルなのであり。「紫陽花さんありがとう」などというファンシー台詞に面食らった私なのですが、彼氏と手をつないでの紫陽花デートにしたたかに酔っていたのでしょうか。彼氏の方も「お花にお礼を言う感性女子嫌いじゃないぜ」みたいなまんざらでもない感じなのであり。家族や友人にありがとうを言うよ〜みたいな似非ヒップホップの腐れ外道みたいな歌を私は好まないのですが、こうして天然でお花にありがとうを言う子がああいう歌を支持しているのだなとそのからくり垣間見た次第です。これだけ混雑した観光地で花にお礼を言うテンションになれる人もいるのですね。彼女からは全身からいいね光線が発射されており、まあそこまでエンジョイしてるならいいじゃないと心のいいねボタンを押した私です。

結局人が多過ぎて落ち着かないので10分もしないうちに寺を出た私たちですが、熱狂いいね市場見学出来たのは良い体験でした。ついでに紫陽花ありがとうガール出会えたのも。あの後彼女は「江ノ電さんありがとう、海さんありがとう大仏さんありがとう」と鎌倉風景にお礼を言ったのでしょうか。

帰宅して早速ミル坊に「ミル坊さんありがとう〜」とガールの如く言ってみましたが、きょとんとした顔をするだけでした。どうやらミル坊にとっての「いいね」はおやつのようです。

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