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2016-06-14 お米が繋ぐ演奏会

先日はmolnにて「風待雲の演奏会」と題し、HARCOくんのライブを催しました。彼には定期的にmolnでライブをして貰っているのですが、毎回異なる試みをしてくれていて、今回も今後の新たな展開を感じさせるようなステージングを見せてくれました。

そもそも今回のライブ陶芸家アセビマコトさんの作品展の一環として企画されまして。アセビさんは今回、お米農家山崎さんのお米を原料とした釉薬を使った器を販売し、その売上げの一部を昨年鬼怒川の水害に遭われた山崎さん一家寄付するというチャリティー企画も兼ねていたのですが、そこに以前から山崎さんと交流のあるHARCOくんにもライブで参加して貰い、やはり売上げの一部を寄付するという形で共に乗っていただいたのでした。我々もアセビさん夫妻もHARCOくんも水害直後の山崎さんの田んぼで一緒に稲刈りと片付けを手伝ったという縁があり、その時の面子が揃ったイベントとなりました。お米が繋げた演奏会とでも言うべきでしょうか。

HARCOくんは少し前に自分企画フェスを終えたばかりで、今回は区切りがついたタイミングでのライブだったそうで。そのフェスで共演したGOMES THE HITMAN空気公団カバー曲を披露してくれたのですが、これがとても良かったですね。原曲の良さが伝わるとても丁寧な歌唱で。歌い手としての魅力を遺憾なく発揮しておりました。

セットは新旧取り混ぜた内容で、今回は普段まりやらない曲や変わったバージョンなんかも多く、新鮮で楽しめましたね。何と人前では初だというウクレレ弾き語りなんかも披露してくれました。リハの時に立って弾いていたら漫談ぽくなってしまったそうで(笑)、座って弾いておりましたが、慣れない楽器への真剣眼差しと音のほんわかしたユルさのギャップが妙に良かったですね。カーペンターズカバーが素敵でした。

あと今回は「親子のシルエット」という新曲も初披露してくれたのですが、これが素晴らしかったですね。父親になった彼の優しく温かい家族への眼差しが感じられる名曲で、私的には矢野顕子さんの歌に宿る母性に近いものを感じました。(彼の場合父性と言えば良いのでしょうか。)子供が出来て作風が変わったという発言をしていましたが、特に歌詞の面でまた表現の幅が広がったような印象を受けましたね。この曲を聞いて早くも次作が楽しみになりました。

あと今回新たな試みとしてジングルワークショップという企画もあり。これはその場でCMソングなどの短いジングルを作ってその場でレコーディングするというもので、今回は「お米農家やまざき」を題材に作成しまして。まずは核となるメロディーを歌い(歌詞は勿論「お米農家やまざき」です)、そこにリズムを足したり、お米を炊く音を乗せたり、田んぼカエルの鳴く音を乗せたりとリアルタイムで音を作って行くのですね。冒頭に語りなんかも入り(彼は普段ナレーション仕事もしているのでその魅力を遺憾なく発揮しておりました)、15秒、30秒、60秒とバージョンを増やしながらあっという間にCMソングは完成しまして。会場で聞いていた山崎さん家族は「一生の思い出です〜」と感激しておりましたね。まあプロに目の前でCMソングを作って貰う機会などそうそうないですからね。お客さんもその過程に興味津々の様子でした。私もすっかり「おこめのうか〜、やまーざき!」というフレーズが頭にこびりついてしまいました。

そんな企画を挟みつつ、楽しいトークなども挟みつつたくさん歌ってくれて、2時間ステージも終わりまして。この日は遠方から来られたお客さんもいらしたようで、ありがたかったですね。みなさんには山崎さんへの募金などもしていただきました。

終演後に山崎さん一家と久々にお話したのですが、復興の見通しも立ちそうとのことで、前向きな話を聞けたのが良かったです。HARCOくんもCMソングを作った甲斐があったというものでしょう。アセビさんの器も連日大人気だったそうで、とても良い企画となりました。ご来場いただいた方々、本当にありがとうございました。お米が縁で斯様な演奏会を催すことが出来ました。

帰りは「おこめのうか〜、やまーざき!」という出来たてのCMソングを口ずさみながら家路に着いたのは言うまでもありません。近い将来本当にCMが出来たら面白いですけどね。f:id:fishingwithjohn:20160615185606j:image

2016-06-13 レコードと焼き鳥の夕べ

先日、高橋徹也から「これから鎌倉に行くのですが食事でもどうですか」というお誘いがあり、それは是非にと落ち合う事になったのですが、というのもタカテツさんの去年リリースされたアルバムの推薦コメントを我々も書かせていただいたのでそのお礼も兼ねてとのことらしく、何とも律儀な人だなあと感心しながら待っていると果たしてタカテツさんは「こんにちは!」と風のように颯爽と現れ。

現れるなりタカテツさんは「これ、お礼です!」とレコード袋を渡してくれて、中を見るとSibylle Baierというシンガーレコードで。これはタカテツさんが数日前にツイッターで紹介していたレコードで、それを見て気に入った私が「これ良いですね!」などと言っていたらそれをプレゼントしてくれたのであり。何とも男前行為であることよと思ったのですが、さらに見るともう1枚入っており。取り出してみるとタカテツさんの98年リリースファーストアルバム「夜に生きるもの」のアナログ盤なのであり。これは当時プロモオンリー限定数プレスされたというレアアイテムで、こんな貴重なものをいただけるとはと驚き、思わず「ひゃっほい」という歓喜の声を上げてしまった私なのですが、レコードというのは手にするとなぜにかくも嬉しいものなのでしょうか。この「夜に生きるもの」はジャケも中の歌詞カードも素晴らしいデザインで(裏面が懐かしのカセットテープインデックス仕様!)、ついその場でじっくり眺めてうっとりしてしまった私です。タカテツさんの気遣いには本当に感謝です。

そんなタカテツさんと食事前に鶴岡八幡宮散策したのですが、昼間の夏のような暑さも去り、プール帰りの気怠さを含んだかのような夕方時間帯は何だかとても心地良かったですね。観光客も少ない時間ですし。紫陽花も鮮やかに其処彼処に咲いていました。一応お参りもしたのですが、お賽銭を入れて二礼二拍一礼という所作タカテツさんは侍のようにきりっとしていて、絵になる人だなーと感心してしまった次第です。

その後タカテツさんのリクエストで以前一緒に行った焼き鳥屋を再訪したのですが、人気店ゆえ行列が出来ており。仕方なく並んだのですが、焼き鳥を待ちながらあれこれ世間話をするのも何だか心地良く。タカテツさんは新しいギターを買ったばかりで(買った直後に「ギターを買ってしまいました。果たして買って良かったのかスタバで自問自答しています」という謎の報告メールが届いたんですが)、楽器の話やレコードの話などしつつ待っているとようやく店内に入れまして。タカテツさんは入る直前に「よし、俺今日は酒を飲もう!」と驚きの飲酒宣言をしたので、打ち上げホットコーヒーを飲むでお馴染みのタカテツさんが珍しいこともあるものだと思い「大丈夫ですか?」と聞くと「最近よくノンアルコールビールを飲んでいるんですよ」とのことで。そしてビールを注文して乾杯したのですが、タカテツさんはビールをひとくち飲むと「うん!ノンアルコールビールと同じ味だ!美味い!」と言うので「タカテツさん、それ逆ですよ。ノンアルコールビールビールの味に寄せてるんですよ」と教えたのですが、これはちあきなおみを見て「コロッケに似てる!」と言う逆転現象みたいなものなのでしょうか。(違うでしょうか。)

その後ようやく焼き鳥が出て来て、美味い美味いと口々に言いながらみなで食べまして。タカテツさんは焼き鳥を食べる所作も侍のようでキリッとしておりましたね。そこで食べて飲んで喋って、鎌倉ナイトを存分に楽しんでしまいました。タカテツさんもすっかりこの店を気に入ってくれたようで良かったです。そしてアフター焼き鳥は別なお店でコーヒーなど飲み(ここに来てようやく定番ホットコーヒー)、ひと息ついた後、「じゃっ!」と言ってまた風のように颯爽と去って行きました。素晴らしいレコード夕方八幡宮散歩焼き鳥の思い出をそっと残して。

そんな風のようなタカテツさんですが、8月にまたmolnでライブをしてくれる予定です。そちらもぜひよろしくお願いしますということで。

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2016-05-06 猫を2000匹放たれたなら

気が付けば5月なわけです。早いのです、時の流れは。

我が家に猫のミル坊がやって来てもうすぐ1年になるわけですが、その可愛さは日々どんどんと増していく一方で、すっかり溺愛している己がいて驚くばかりです。40過ぎのおじさんとなった自分から斯様な甲高い猫撫で声が発せられるのかと我が耳を疑うほどです。気付けば最近一番発している言葉は「かわゆす」という有り様なのです。しかも「かわゆす、かわゆす〜」と節を付けて歌うように発しているのです。(「かわゆす、ミ〜ル坊〜」「ミールミールミルミル坊ちゃん〜、かわゆす〜」というパターンもあります。)歌というものはこうして自然発生的に体内から生まれて来るものなのだなとその起源を見るようではっとさせられる毎日です。昨日可愛かった子が今日また可愛く、明日もきっと可愛いという現象がすぐそばで起きているのは凄いことだなと、ミル坊のふわふわの毛を撫でながらいつも思うのですが、斯様な素敵現象世界中のどの人の身にも起これば戦争のようなものはなくなるのではないかと思いつつも、なぜかなくならないのですね。戦争という愚かな行為は。この世界には猫が、猫的なものが足りないような気がします。

芸人永野ネタに「富士山山頂から猫を2000匹放つ人」というのがありますが、あれが現実化されたら素敵だろうなあとちょっと本気で思ったりします。可愛い猫たちがにゃーにゃー鳴きながら富士山から地上に降りて来る様子は壮観であることでしょう。その猫2000匹の波にこの身を預けたい衝動に駆られるほどです。さんざコスり倒されたラッセンネタを未だやらされる時に永野の目が死んでる瞬間を見ることが多くなって来ましたが、彼にこそ猫の癒し必要なのではないかと思うこの頃です。

そんな愛しのミル坊に触れるうちに猫という存在そのものを愛でたい気持ちが強くなり、近年の私の趣味であるレコード収集に猫の要素が加わり、ジャケットに猫が映っていたり描かれていたりする所謂「ネコード」を気が付けば買ってしまうようになったのですが(猫ジャケであれば何でも良いというわけでもなく、それなりにピンと来たものだけ買っている辺り冷静な私がいるのですが)、レコードに猫がいるというのは私の好きなものが2つ揃っているということなのであり、斯様な素敵なものがあろうか、いやないと反語を用いてしみじみ思う次第です。ジャケットに猫をあしらうということはその音楽に猫の要素が幾分か入っているという証左であるわけで、同じ猫好きとしてはそれを感じてみたいじゃないのとつい手に取ってしまうわけです。まあでもだいたい猫ジャケにハズレなしですけどね。猫を基準に選んで行くとバラバラのジャンル音楽に辿り着き、色々な発見も得られて良いのです。これも猫のおかげやなと勝手にありがたがっているという有り様です。

熊本での地震報道の中で、ペット同伴で避難する人の苦労みたいな話を見るにつけ大変だろうなと自らと重ね合わせて心配になってしまい、自分たちは猫を連れて避難など出来るのだろうかと家でぬくぬく寝ているミル坊の姿を見ながら思うのですが、猫など特に家につく動物なので他所避難となればストレス半端ないことでしょう。地震直後にジャパネットたかたが一日限定商品売り上げを全部義援金として熊本寄付というのを耳にし、これは乗らねばと早速たかたに電話ラジオを購入したのですが、これを期に防災グッズなど普段から用意せねばなあと思った次第です。一日も早く普段生活に戻れるよう願うばかりです。

ミル坊は一日のほとんどを寝て過ごしています。「長生しろよ」と頭を撫でると「にゃん」と返事しまた眠りに入るその姿を見ながら、世界よ穏やかであれと思う私なのです。

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2016-04-30 宇宙とチャンスオペレーション 貸切り図書館32冊目

前日の中山うりさんに続き、次の日は嶺川貴子&Dustin Wongさんをゲストに迎えて「貸切り図書館32冊目」をお送りしました。こちらもたくさんのご来場をどうもありがとうございました。イベント初の2デイズだったんですが、両者異なる音楽性ながらもゲストの方のお話不思議な繋がりなども見られ、とても濃密な時間を過ごすことが出来ました。

この日はダスティンさんの希望で大きく低音を出すべくPAの方がウーファースピーカーを借りて来て持参してくれたのですが、これがもの凄く巨大なサイズで、聞いたら500人くらいのキャパの会場で鳴らせるものだそうで。それをキャパ35人のmolnで使うというのだから何とも贅沢な話です。サイズが大き過ぎて会場の入口を通らず荒井注カラオケボックス状態になったらどうしようかと思ったくらいなのですが、何とか無事に設置されまして。(聞いたらそのサイズしか借りられなかったそうです。)

そんな巨大スピーカーに加えダスティンさんと嶺川さんの持参して来た機材類もなかなかのもので、足元にずらりと両者合わせて20台近くのエフェクター群が並べられた様は圧巻でしたね。ルーパーを3台とかディレイを3台とかあまり見ない並列のされ方につい興味津々に覗き込んでしまいました。あとで聞いたところによると同じメーカーディレイでも製造された年代によって微妙に音が違うらしく(その時代トレンドがさり気なく盛り込まれているそう)、ダスティンさんも嶺川さんも気に入った年代ディレイしか使わないというこだわりがあるそうです。エフェクターは繋げる順番によっても音が痩せたり音色の変化があるので並列のされ方も考えられているそうで、この並びに至るまでにかなりの試行錯誤が成されたのだろうなと苦労が伺えました。

ダスティンさんのギターループで音を形成していくソロ演奏も素晴らしいのですが、そこに嶺川さんのボイスと鍵盤が加わるとまたさらなる異空間がそこに立ち上がり、まさに2人ならではの音響世界になるのですね。その音は宇宙のようであり太古の呪術のサウンドのようであり。実験的なんですがそこはかとなくキュートでポップでもあるのですね。PAさんのおかげでリスニング環境は素晴らしいし、音を浴びながらあまり気持ち良さに溜め息が漏れてしまったほどです。リズムにまかせてつい踊ってしまいました。(客席でも体を揺らしている方がいらっしゃいましたね。)

ダスティンさんは音に比べて声が目立ちすぎないようにとしきりにリハの段階で調整していましたが、ボイスも音色ひとつとしてサウンドにとけ込ませるバランスも絶妙でしたね。2人の声も相性が良く。後半に「日本むかし話」の主題歌カバーを歌ってくれ、そこだけは歌ものという感じでしたが、これがまた涅槃から歌われているかのような独自カバーでとても良かったですね。嶺川さんとライブ前に電話お話したのですが、電話からの声もとても素敵でした。(勿論実際に会ってお話する声も素敵でしたが電話の声が印象に残りました。)


そして本の紹介のくだりですが、ダスティンさんは以下の本を紹介してくれました。

アレハンドロ・ホドロフルスキー著「The Way Of Tarot」

アレハンドロホドロフスキーさんは「ホーリーマウンテン」などの作品で知られる映画監督なのですが、タロット研究家としても知られるそうで、この本はホドロフスキーによるタロット指南書のような物なのだそうです。ダスティンさん自身も一時期タロットを行っていて、ニューヨークで30人のタロットを見た時は疲れたよ、というようなエピソードを話しておりました。最近はあまりやらないそうなのですが、このライブ当日に久々にカードを引っ張り出したら「世界」というカードが出たらしく、喜んでおりました。(「世界」のカードは「成功」などを意味するもので良いカードなのだそう。)ダスティンさんは占い云々とかではなく、何か日々の思考未来の行動、創作に関してのヒントや指針としてタロットを利用しているらしく、ジョン・ケージが傾倒していた易経ブライアン・イーノオブリークストラテジーズと似たようなものだと語ってくれました。(オブリークストラテジーズはイーノが作った様々な文章の書かれたカードでそれをランダムに引いて創作のヒントに使用するというもの。)ダスティンさんの即興演奏もそうですが、何事にもチャンス・オペレーションを上手に活かすという彼の姿勢が伺えました。この日からまたタロットを再開しようかなと語っておりましたので、きっかけとなることが出来て良かったです。

片や嶺川さんが紹介してくれたのは以下の本でしたね。

マドンナ・ゴーディング著「シンボルの謎バイブル

レッドA.ウルフ著「もう一つの宇宙 量子力学相対論から出て来た平行宇宙の考え方」

シンボルの謎バイブル」は古代文明サイン絵文字意味辞典みたいな内容だそうで。嶺川さんは街にある何でもないものが何かのシンボルであるかのように見える時があるらしく、食べかすが妖精に見えたり、タマネギの欠片が美しく見えたり、散歩中なんかにそういうもの出会うと写真を撮ってインスタグラムに上げているのだそうです。物をただの物と見るかその先にあるものを見るか、かなり意識をされているそうで、確かに2人が共同でされているインスタを見ると不思議写真がいっぱい上がっているのですよね。すべての物に魂が宿っているという思想神道的だねとダスティンさんは語っておりましたが、物の見方の話から嶺川さんの豊かな感受性が伺えました。

そんな嶺川さんはある日テーブルの上のコップがぐにゃぐにゃに見える時があり、「物質」について思想を深めるうちに量子物理学に行き着いたそうで。色々調べるうちにフレッドアランウルフの著書を読むに至ったそうです。SFなどでよく出て来る平行宇宙について量子力学相対性理論を用いて解説している本らしいのですが、この平行宇宙量子力学については前日にうりさんのバンドベース南さんが同じ話をしていて、聞きながら両日がシンクロしている!これもチャンス・オペレーションによる成功と言えるのでは!と別な感動を覚えたのですが、確かに聞いていると面白そうと興味が湧いて来るのですよね。この著者は幼少の頃に階段の上から下までを瞬間的に移動した経験があるそうで、幼少の頃よく階段から落ちていたという嶺川さんは「そこに共感を覚えた」と語っておりましたが、それは単に嶺川さんがドジっ娘だっただけなのではとちょっとツッコミを入れたくなった次第ですけどね。階段を落ちるのと瞬間移動するのは違うんじゃないと(笑)しかしこの本では量子力学シャーマニズムと共に語られたり、とても神秘的で読んでいて面白いそうで、宇宙について考える入門書として良いかもしれないなと思った次第です。昨日うりさんも「ロマンチック」という表現をしておりましたが、難しい物理世界を柔らかく読み解いて行くのも面白いかもしれないと思いました。期せずして宇宙に触れた2日間と相成りました。

終演後はお2人とスタッフさんとみんなで打ち上げをしたのですが、そこでも面白い話をたくさん聞けました。ダスティンさんはとても笑顔可愛い人で、嶺川さんもとても物腰が柔らかく、2人とも感受性豊かなアーティストだなあとすっかり好きになってしまいましたね。レーベルスタッフの国井さんと会うのも久々だったのですが、相変わらずのナイスガイで、再会出来て嬉しかったです。

「貸切り図書館」次回は6月19日に行う予定です。そちらもぜひよろしくお願いしますということで。f:id:fishingwithjohn:20160424165229j:image

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2016-04-27 宇宙と猫 貸切り図書館31冊目

先日はmolnにて恒例のイベント「貸切り図書館」の31回目を、ゲスト中山うりさんを迎えてお送りしました。たくさんのご来場をどうもありがとうございました。

今回2度目の出演となったうりさんですが、前回同様ベース南さんギターの福澤さんとのトリオ編成で息の合った演奏を聴かせてくれました。3人の極上のアンサンブルが客席の人たちをゆらゆらと心地良く揺らしておりましたね。アコーディオントランペットギターなど様々な楽器を持ち替えながら歌う、うりさんの声は凛々しくその姿は麗しく、思わず「うり様〜」とほれぼれしてしまった我々です。ジャズシャンソン歌謡曲フォークなど様々なジャンルの要素を感じられる楽曲はどれもクオリティが高く、どこか懐かしかったり切なかったり、聞きながら色々な情景が浮かび感情を刺激されました。素晴らしかったですね。うりさんは猫を飼っていて猫の歌も多いのですが、猫を飼い始めた我々としては日常の口ずさみソングの仲間入りに決定という感じで、特に回転木馬に僕と猫」という曲には改めてうるっと来てしまいましたね。

本の紹介ですが、あまり本を読まないらしいうりさんが挙げてくれたのは以下のラインナップでした。

中村明著「比喩表現辞典

ほしよりこ著「逢沢りく」

小林まこと著「What’s Michael? 」

山田芳裕著「度胸星

比喩表現辞典」はうりさんがお父さんから貰ったものだそうで、漱石、鴎外から春樹にばななまで古今の文学作品比喩表現実例採集して分類、配列した辞典なのだそうです。うりさんは歌詞を書く時にこれをランダムに開き、そこからインスピレーションを受けて書いているそうで、うりさんの歌の源はこの辞典であるという創作秘密を聞くことが出来ました。世界事象はすべて比喩によって表現出来る、新しい事象は新しい比喩によってしか認識されないという意図の元にあらゆる比喩表現が羅列されているそうで、確かに何か言葉を書き出そうという時のヒントになりそうだなと思いましたね。ちょっと読んでみたくなりました。うりさんファンは必携かもしれませんね。

ほしよりこさんの作品は前回も「僕とポーク」を挙げてくれたのですが、今回は「逢沢りく」を紹介してくれました。嘘泣きが得意の14歳の少女りくが主人公物語なのですが、うりさんは読んでいて自分思春期の頃をつい思い出しモヤモヤしてしまったそうです。うりさんはその頃反抗期が激しくて、特にお父さんにきつく当たったそうで、お父さんの後は汚いから風呂に入らないとか(笑)、当時好きだったXJapanのメンバーのファンクラブに入るのをお父さんに反対されて「物を食べない」という手段で反抗し、みるみる痩せていったというなかなかにハード体験を語ってくれました。(しかハンガーストライキを以てしても結局ファンクラブに入れなかったそう。)そんな反抗相手のお父さんから貰った辞典現在歌詞を書いているのだから親子って面白い関係だなと思った次第ですけどね。

「What’s Michael? 」は小林まことによる有名な猫漫画ですが、ふと思い立って全巻ヤフオクで買い揃えたそうで。うりさんの実家でも昔猫を飼っていたそうで、猫を巡る80年代当時の描写が懐かしいというようなことを語ってくれました。(当時は室内飼いよりも猫を外に出している家が多く、お腹が大きくなって帰ってくるなども普通だったようですね。)「柔道部物語」でも知られる小林まこと先生ですが、柔道の技の描写と同じく猫の仕草や毛繕いなどの身体の動きの描写がとても巧みで、可愛いので見ていて楽しいとのことでした。私もこの漫画を幼少の頃読みましたが、猫を飼う身となった現在目線で読むとまた印象が違うのかもしれないなと思った次第です。

度胸星」は「へうげもの」などで知られる山田芳裕先生漫画ですが、途中で打ち切りになり未完成で終わった作品だそうで。内容は宇宙もので、火星に辿り着いた先発の飛行士たちが謎の生物に襲われ、それを救出するための飛行士選抜に応募する男を主人公とした「宇宙スポ根」みたいなかなりぶっ飛んだ設定だそうですが、とにかく面白いのだそうで。これはベース南さんがうりさんに勧めた本だそうで、南さんがその魅力を熱く語ってくれました。火星に現れる次元の異なる敵の描写がとにかく凄いとのことで、立方体みたいな形をしているのですね。それと闘うというシーンが凄いらしく。そういう人智の及ばぬ異次元世界と、火星へ行くための過酷トレーニング人間臭い話が同居しているのが面白いとのことでしたね。南さんのトークは宇宙をさらに飛躍し「素粒子レベルまで物を最小のサイズで考えると熱などの現象幻想に過ぎないのでは」など、かなり難しい物理の話までに及びましたが、最終的にうりさんが「ロマンチック面白い」とざっくりとまとめてくれました(笑)。作者がかなり風呂敷を広げたせいで打ち切りになったとの話もあり、これからというところで終わっているそうなのですが、ちょっと読んでみたくなりましたね。

そんなわけでうりさんの愛読書は主に漫画で、歌詞を書く時は辞典を片手にしているということと、ベース南さん物理に詳しいということがわかったライブとなりました。(そしてうりさんの反抗期が激しかったということも・笑)なかなか貴重な話を聞けて面白かったですね。お客さんにも満足していただけたのではないでしょうか。

そういえばうりさんのお兄さんがコーヒーカラーというユニット名で活動している歌手であるということを最近知ったのですが、実は私は20年くらい前にコーヒーカラーさんのバックでギターを弾いたことがあるのであり、その頃から繋がりがあったという話をうりさんにしたら驚いていましたね。かくいう私も驚いたのですが。縁というのは不思議ものです。

終演後は打ち上げということでみなさんと食事したのですが、そこでも南さん物理トークが炸裂し、量子についての話など聞いていて面白かったですね。ライブ中にうりさんが少し触れた、人が死ぬと少し体重が減るのは魂が抜けるからだみたいな話が興味深かったのですが、人が死ぬとどうなるのか、宇宙構成するものは何なのかなど、思考を突き詰めていくというのは面白いのだなと南さんのトークを聞きながら思った次第です。うりさんの横で静かにベースを弾いている南さんが実はめっちゃお喋りで面白いという発見を得た今回のライブでした。

「貸切り図書館」次回はこの翌日に嶺川貴子&Dustin Wongさんを迎えて開催ということで(初めての2デイズだったのです)、また追ってレポを書きます。そちらもよろしくお願いしますということで。f:id:fishingwithjohn:20160423172803j:image

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