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2018-08-11 波音と鎮魂 貸切り図書館63冊目

先日はmolnにて「貸切り図書館63冊目」をゲスト原マスミさんを迎えてお送りしました。たくさんのご来場をありがとうございました。今回のライブはmolnで行われているやまぐちめぐみさん原画展の開催記念ということで、生前やまぐちさんと交流のあった原さんに出演していただく運びとなりました。原マスミさんといえば吉本ばななさんの小説の表紙でお馴染みのイラストレーターですが(私が彼を知ったのもそこからでした)、優れたミュージシャンでもあるとその後知り、そのワンアンドオンリー独創性溢れる歌声歌詞、サウンドに衝撃を受けたものです。そんな原さんを貸切り図書館にお招き出来てこんな嬉しいことはありません。

そんな原さんですが、私よりも遥かに年長ながら少年のようなまっすぐな眼差しと佇まいで「あー、この絵懐かしいなあ」とやまぐちさんの作品を眺めていたのが印象的でした。いざ本番が始まると原さんは譜面歌詞などを一切見ずに膨大な量の言葉を歌い、語り、演じ(宮沢賢治小説引用も諳んじていました)その映像や色味を喚起させる豊かな歌詞歌唱聴く者の頭の中に次々とイメージを広げさせるのです。まさに圧巻のパフォーマンスでした。CDプレイヤーがないので波の音のSEを使うのを断念した曲があるのですが、ルーパーを駆使してのギタープレイ歌詞だけでもうそこに海が広がっていましたね。鎌倉にサーフサウンドが鳴り響いておりました。

原さんは老眼が始まってから本を読む機会が減ったそうなのですが(原さんの老い自虐するトークの時に照れながら笑う姿がキュートでした)、矢川澄子さんの『「父の娘」たち』、矢川さんが訳を手掛けたポール・ギャリコの「雪のひとひら」を紹介してくれました。(こちらは原さんが装画を手掛けた版があるそうです。)原さんは生前矢川さんと親しかったそうで、交流話など聞かせてくれました。矢川さんの夫の澁澤龍彦さんにサインを貰ったとか、何気ない話が興味深かったですね。矢川さんは長く鎌倉在住だったそうで、ぜひ読んでみたくなりました。あと島尾敏雄さんの著作もほぼ読んでいるそうでそちらも勧めてくれました。

やまぐちめぐみさんは数年前に49歳の若さで亡くなられ、今回有志の方により作品集ミルブックスから発売になったのを記念しての展示とライブだったのですが、ちょうどお盆も近いこともあり、この日は亡くなった人たちへの鎮魂のような空気を終始感じました。ライブに際し原さんの歌う背後にやまぐちさんの作品を並べ変えたのですが、原さんは度々振り返っては「めぐ、聴いてるかな」「めぐに乾杯」と何度となく語りかけていました。原さんは「亡くなった人にまた会えるなら全財産投げ打ってでも構わない。まあ大した財産じゃないから言えるんだけど」と冗談混じりに言っておりましたが、その気持ちわかるなあとしみじみ思ってしまいました。この日はやまぐちさんもmolnにいて、原さんの歌声を聴いていたのかもしれません。

原さんとCM仕事で一緒だったというイトケンさんからライブ中にメッセージを貰ったので、「イトケンさんがよろしくお伝え下さいと言ってましたよ」と原さんに言ったら、「ああ、彼のパートナーのきょうこさん、亡くなったのをだいぶ後に聞いたんですよ」ときょうこさんの話になり。「背が高くてとても綺麗な人だったなあ」としみじみと語るその目は先ほど「めぐ」と呼びかけていた時と同じく優しい眼差しで、ひょっとしたらこの人は天国にいる人と交信出来るのかもしれないとちょっと思いました。やまぐちさんの絵を眺めながらきょうこさんのことも思い出し、亡くなった後もこうして人に思い出して貰えるというのは幸せことなのかもしれないとちょっと思った次第です。

この世とあの世の境い目のような、不思議だけどあたたかい気持ちになれた一日でした。やまぐちめぐみさん原画展はmolnにて8月19日まで開催しています。ぜひ機会ありましたらご来場下さい。f:id:fishingwithjohn:20180811101325j:image

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2018-08-04 35年目のカーネーション 日比谷野音のアーリーサマー

6月の終わりにカーネーションの35周年記念ライブ日比谷野音に見に行ったのですが、これがまた素晴らしい内容で、私の心の内に良き思い出のひとつとして印象深く刻まれました。感じたことなどをつらつらと書き連ねてみようかと思います

開場時間夕方はいえまだまだ日は高いし、何しろ暑い日だったのです。夏の屋外は日差しを遮るものがなく、いざ入場して席に着いても猛烈な西日が直接我々を襲うのです。取りあえず持参した手ぬぐいにて頭を覆い、まずは飲むかと持ち込んだアルコール氷結)をプシュッと開け。それを同行したあやと一緒に飲みながら埋まって行く客席を眺めながら開演を待っていると、前座という形なのでしょうか、ブラウンノーズのお2人がステージに現れ。これから幕を開けるカーネーションライブに向けてステージを温め始めたのです。温める必要なくすでに(物理的に)暑いのですが、温めてくれているのです。いやー今日祭りだなとそのご陽気な演奏ウキウキしながら氷結を減らしながら楽しんでいると、いよいよ開演時間となりまして。

まずはケラリーノ・サンドロヴィッチさんがステージに登場し。「カーネーションを世に出した人間として責任を持って」冒頭の挨拶をしてくれました。彼がいなかったらカーネーションが日の目を見ずに終わっていたかもしれないと思うと感謝しなければなりません。挨拶では前身バンド耳鼻咽喉科時代の直枝さんとのエピソードなどを語ってくれました。デビューの際にバンド名がカーネーションに変わると聞かされ、「バンド名が変わるのか〜、しかも花の名前か〜」とがっかりしたというエピソードには笑ってしまいました。確かに耳鼻咽喉科の方が個性的ではありますけどね。

その後いよいよカーネーションステージに登場し。「アダムスキー」でライブは幕を開けました。直枝さんはこの暑いのに正装していたし、大田さんはじめメンバーみんな赤いカーネーション差していたのがお洒落でしたね。今回は元メンバーゲストなどかなりの人数が出るのでどうやって仕切るのだろうと思っていたら、ステージが進むにつれ自然にメンバーが入れ替わる方式で、合間にこの35年を振り返るトークゲストによる挨拶特にないのが何だかカーネーションらしいなあという感じでしたね。現行メンバーから初期メンバーに入れ替わってのアーリーカーネーションステージは貴重でした。ケラさんのボーカルも聴けましたし。(今や演劇界巨匠ですが、よくよく思えば有頂天ボーカルの方なんですよね)

そこから棚谷さん、鳥羽さん、矢部さんが加わっての編成にはアガりましたね。黄金メンバーが戻って来たという感じで。私は10数年前に自分バンド鳥羽さんにプロデュースしていただいたことがあるのですが、その際矢部さんにドラムチューニングをしていただいたなあとか、カーネーションライブで共演もさせていただいたけど緊張で直枝さんとはひと言も喋れなかったなあとか色々な思い出が蘇りました。「It's a Beautiful Day」のご機嫌な演奏には思わず身体を揺らし楽しんでしまいましたね。(この曲の歌詞に出て来る「ただの犬」というのは何犬なのだろうと犬種に想いを馳せたりしました。)「Garden City Life」にも痺れまくりでした。

その後曽我部恵一さんがゲストに登場しての「Edo River」で会場はもう大盛り上がりです。私自身も現在東京から少し離れたところに住んでいるので、勝手に己の境遇と照らし合わせて「ゴメンゴメンゴメン」と誰に対してかは知りませんが謝りながら踊ってしまいました。大谷能生さんの熱いSaxソロといい、もう最高でしたね。

この頃には持ち込んだ氷結ロング缶はあやと2人ですでに飲み干しており。「やべー酒が足りないぜ」と早速売店に買いに走ったのですが、ふと見やれば周りの人の飲酒率の高さたるやです。前方を見ると足元にすでにビールのロングの空き缶6本を置いているおじさんがいたり、いいちこの小さいやつを何本も飲み干しているおじさんがいたり、序盤ですでに泥酔しているお姉さんがいたり(この方、中盤ですでに寝落ちしていたようですが、大丈夫だったのでしょうか)、まさに大人お祭りといった様相でしたね。私の隣には私よりちょっと年上くらいのお兄さん2人組がいたのですが、この2人、酒がなくなる度にどっちかが売店に買いに行き「はいお酒〜」と渡し合うという仲の良さっぷりを見せていたのですが、何しろ酒を買いに行く頻度が高いのです。「大丈夫なのかしらそのペース」と隣で思っていたのですが、まあ今日お祭りからそのくらいは良いのでしょう。

その後ムーンライダーズの面々や渡辺シュンスケさんやヒックスヴィルの中森さんなど豪華ゲストが次々とバンドに合流しさらに盛り上がりを見せまして。(中森さんはアンガス・ヤングを思わせる半ズボンファッションで素敵でした。)黒猫チェルシードラムの方のプレイがタイトですごく良かったですね。今回この曲にはこの編成でという采配が素晴らしかったように思います堂島孝平さんがゲストに登場した際には「一緒に九州を回った時は面白かったですねー」とようやくここに来て過去を回想するMCがあり。私の隣のお兄さんが「そのツアー行ったよ〜」と言っており、かなり熱いファンであることがここに来て判明しました。そりゃあ酒も進むよなという感じで。

そんな客席が盛り上がっている中、気付けばもう周囲は暗くなっており。すでに夜に突入していた野音にいよいよあの方がステージに登場したのです。そう、森高千里さんです。ミニスカートキラキラと煌めくアイドル衣装ステージに立った森高さんはそれはもう実に可憐で美しいのであり。この方が来たとなれば演奏するのは「夜の煙突」でありましょう。客席からはどよめきに近い歓声が巻き起こっておりました。直枝さんはPVでもお馴染みのかつらを着用し、当時の雰囲気再現していたのですが、何しろ森高さんの変わらなさたるやです。あのキュートな振り付けに釘付けになりながら、「はしごをのぼるとちゅ〜うで!ふりかえるとぼくのいえのあかりがみえる〜」と合唱する私とあや、そして隣の2人組お兄さん、野音のお客さんたち。江口洋介氏は家に帰ると森高千里がいるのか、何だかそれは許せないように思う!と謎の感情に襲われながら余韻に浸っていると次にステージに現れたのは岡村靖幸さんで。再びどよめく客席。この日最高潮の盛り上がりでありましょう。「学校で何おそわってんの」でセクシー歌声ダンス披露する岡村ちゃんに私のハートはずっきゅんと撃たれまくりです。直枝さんと岡村さんというセクシーなおじさん2人のツーショットに私の中の乙女がすっかり萌えまくってしまいました。続いて岡村さんのアコギストロークから「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」が始まり青春はワンツースリージャンプをキメる私とあや、そして隣の2人組お兄さん、そして野音のお客さんたち。最&高でした。

そして次に山本精一さんが登場し。轟音ギターを響かせながら「ヘヴン」に突入しまして。この曲が始まるや否や隣のお兄さんが「うお〜」と俄然盛り上がり。隣ですんごいゆらゆらと踊っているなあと思っていたら私の肩に「ごん!」とぶつかって来て。「お兄さん、ぶつかってゴメンゴメンゴメン!」とEdo Riverマナーでしきりに謝って来るお兄さんに「大丈夫ですよ!」と言うと「お、俺、この曲大好きなんだよね、ぶ、ぶつかってごめんね!」と再び謝って来るお兄さん。「ぼ、ぼくはおにぎりが、だ、だいすきなんだな!」と裸の大将的な風情でこの曲への愛情を語るお兄さんにすっかり私は好意を抱いてしまい、「いくらでもぶつかって大丈夫ですよ〜」と心の中で思った次第です。隣のお兄さんをここまでにさせる山本精一さんのギターがヤバかったし、森高さんと岡村さんの後にこれを持って来るのが流石カーネーションじゃないか、と思った私です。

そして本編最後新曲サンセットモンスターズ」が鳴らされまして。今回の公演に合わせて発売されたベスト盤には過去名曲がたくさん詰まっていますが、その中でもダントツに良かったのがこの新曲だったのです。(私調べ。)新曲が一番良いだなんて現在進行形バンドとしては最高じゃないですか。野音の夜空に鳴り響く「試合はまだ終わらせないよ」という直枝さんの堂々たる表明にこれまで続けて来た35年、そしてこれからバンドを続けていく力強い意志のようなものを感じて、ぐっと来てしまいましたね。直枝さんかっこいいよ、カーネーション最高だよと。

そして本編が終わりアンコールを待っていると売店に行っていたと思しき隣のお兄さんが戻って来て「はい、これ!飲んで!」と氷結を手渡して来て。「さっきぶつかっちゃったからお詫び!」と言うのです。そこまでの害を被っていないのに何だかゴメンゴメンゴメンと思いつつも氷結を受け取り、裸の大将からおにぎりを受け取るとこういう気持ちになるのかなと思った私です。(どんな気持ちなんでしょうそれは。)そんなおにぎり、否、氷結を手にしているうちにアンコールが始まり。会場にはこの日の出演者がずらりと並び、それはもう壮観でございました。「The End of Summer」を聴きながら野音の夜空を見上げ、「ああ、今日はここに来て良かったなあ」としみじみ思ってしまいました。そして最後には再び「夜の煙突」で大団円を迎え。もう大満足でした。(オリジナル振り付けで踊るムーンライダーズの面々がキュートでした。)

終演後、隣のお兄さんが「最高でしたね!」と話しかけて来て。「僕らカーネーションの大ファンなんですよ〜」と言うので「我々もです。氷結ありがとうございました」と礼を述べると「これから飲みに行くんですけど、一緒に行きません?」とまさかのお誘いがあり。「ライブ中さんざ飲んどいてまだ飲むんかい」と内心つっこみながらも「知り合いとこれから合流するのですみません〜」と丁重お断りし。「そうか〜残念〜」と言うお兄さんのがっかりした表情を見てたら申し訳なく思ったんですけどね。

そして合流する予定だった横山夫妻(私にカーネーションを教えてくれた人でもあります)に連絡したら「体調不良なのでもう帰ります〜」とまさかの返答で。聞けば前日から謎の発熱で寝込んでいたそうで。遠足前に楽しみ過ぎて発熱する子供かと内心つっこみつつも、まあ炎天下環境で見ていたら体調も悪くなるかもなと思い「お大事に〜」と気遣った私です。こんなことならさっきのお兄さんたちと飲みに行っても良かったなあ、我々鎌倉でmolnというお店をやっていて、音楽イベントもやっていて、直枝さんもゲストで呼んだことあるんですよ〜と、宣伝すれば良かったなあとちょっと思ったのですが、まあ仕方ありません。あやと共に野音の余韻に浸りながら帰りました。

改めてカーネーション35周年おめでとうございます。最高のステージありがとうございました。そして氷結をくれたお兄さんもありがとうございました。あなたのおかげで良い思い出が出来ました。一緒に飲みに行けなくてゴメンゴメンゴメン。f:id:fishingwithjohn:20180804185220j:image

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2018-07-21 猛暑と星座 貸切り図書館62冊目

この日はmolnにて「貸切り図書館62冊目」、友部正人さんをゲストに迎えてお送りしました。最早恒例となりつつある年に一度の友部さんのライブですが、今回も満員御礼、たくさんのご来場どうもありがとうございました。

本当はライブの前に早めに友部さんとユミさんと合流して、漫画家永島慎二先生のお墓参りに一緒に行く計画を立てていたのですが、あまりの暑さに断念しまして。(前回永島先生の話で盛り上がり、友部さんに提案していただいたのです。)まあこの酷暑の中、熱中症になっても大変ですからね。

リハの時に偶然、友部さんのここ最近アルバムエンジニア担当している方がふらっと立ち寄られたので、ついでみたいな形で申し訳なかったのですが、音響もチェックしていただき。おかげで良い感じのサウンドでライブを行うことが出来ました。良い席で見ようと早めに並ぶお客さんが多数いらっしゃるのですが、さすがにこの暑さで並んで貰うのは申し訳ないので整理券を配布しまして。今年は異例の暑さだなと実感した次第です。

そんな猛暑の中始まった友部さんのライブ、素晴らしかったですね。新旧取り混ぜた選曲でたくさん歌ってくれました。何度聴いてもハッとさせられる言葉群と、力強い声、ビートを感じさせるギターに心打たれっ放しの2時間半でした。たまたまお客さんとして見に来ていた元バンバンバザール安藤さんが数曲飛び入りで演奏に参加してくれたのですが、これがまたどれも素晴らしく。友部さんの歌声に寄り添う安藤さんクラリネット音色に、「この方は本当に友部さんの曲が大好きなのだなあ」としみじみしてしまいました。愛情が伝わる演奏でしたね。

草とten shoes友部さんの「私の踊り子」をカバーしているのもあり、今回事前に友部さんにリクエストしてみたのですが、快く受けていただき安藤さんと一緒に演奏してくれた「私の踊り子」はまた特別感が増して、感激しましたね。こんな名曲をお借りしたのだから今後も真摯演奏せねばならないと思った次第です。「愛について」「6月の雨の夜、チルチルミチルは」「夕暮れ」も沁みました。

今回友部さんが紹介してくれた本は、片山令子さんの詩集「夏のかんむり」、カポーティの「草の竪琴」、北大路編集の「アウトロー俳句」というアンソロジーの3冊でした。片山さんに「少年ライオン」という曲の歌詞の一部について「あれはどうなのかしら」と訊ねられたという話が面白かったですね。北大路さんのは歌舞伎町主宰する「屍派」の句集だそうで、いくつか読んでくれたのですが、どれもインパクトがありました。

客席にいた中学生くらいの男の子が「はじめぼくはひとりだった」をリクエストしていて、あの若さにして渋い趣味だな〜と感心してしまったのですが、クラスで話の合う友達がいるのでしょうか。EXILEを聞いている友達友部正人というワードは刺さるのでしょうか。まあ私も高校生の頃に友部さんのレコードを聴いて永島慎二さんの漫画を読んでいた身でしたが、話の合う人は周りに皆無でした。でも大人になったら話の合う人にたくさん会えたし、ご本人にも会えたので大人になれば良いのだと思います。彼の将来が楽しみです。

終演後は友部さんとユミさんと安藤さんたちと近くの店でピザを食べて打ち上げをしました。大きなピザでしたが、みんなでシェアしたらあっという間になくなりました。帰り道、ユミさんが星を見ながら星座早見表のアプリを自慢しているのが何だか可愛くておかしかったです。また来年もこうしてお呼び出来たら良いなと思った次第です。

貸切り図書館、次回は原マスミさんをゲストに迎えてお送りします。こちらもぜひよろしくお願いしますということで。

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2018-07-16 夜明け前の歌声 貸切り図書館61冊目

この日はmolnにて「貸切り図書館61冊目」をゲストPredawnさんを迎えてお送りしました。満員御礼でございました。たくさんのご来場どうもありがとうございました。

去年くらいにmolnのスタッフのひろこさんに「凄く良いから聴いて!」とアルバムを紹介され、その後即moln店内BGMレギュラー化したPredawnさんなのですが、私も耳にして即「これはmolnにお呼びしたい」と相成り、今回ようやく出演していただける運びとなりました。(ひろこさんも楽しみにしておりました。)

Predawnとは「夜明け前」という意味なのだそうで、初めて生で彼女歌声を聴いて、まさに名前の通りこれから希望の新しい一日が始まろうとしている、でもまだ薄暗く起きている者の少ない、独自空気に満ちた世界を感じさせる声だなあと改めて魅了されてしまいました。合間の脱力のゆるトークギャップがありキュートで。ギャップといえば最初molnに入って来た時にはメガネをかけて地味な印象だった彼女が、いざメガネを外してギターを抱えてステージに立ったら華やかなアーティストさんという印象に変わり、こんな漫画みたいな「メガネを外したら変身」パターン現実にあるのだなと妙なところで感心してしまいました。(私だけが抱いた印象かもしれませんが)

そんなPredawnさんが今回紹介してくれた本はユニット名の由来ともなった小川未明著「小川未明童話集」、大森荘蔵著「流れとよどみ-哲学断章-」、文・野矢茂樹 絵・植田真「はじめて考えるときのように」の3冊でした。本について語るのが苦手とのことで、彼女には書名の紹介だけしていただいて、後はお客さんに自由に読んで貰えるようにカウンターに置いておいたのですが、みんな写真に撮ったりメモったりしておりました。児童文学哲学書という振り幅のあるセレクトもまた良いなあと思った次第です。(一見反するようで通ずるものがあるのかもしれませんが。)

またPredawnさんはグッズが充実しており、グッズのデザイナーさん本人が物販のスタッフとして同行し、様々なものをたくさん販売しておりました。普通に商品として魅力的なものばかりで、みなさんたくさんお買い物されていました。物販も音響スタッフさんたちがみなしっかりサポートしていて、「良いチームだなあ」と感心してしまいました。私もアナログ盤を購入しサインもしていただきました。

貸切り図書館、次回は最早恒例となった友部正人さんの登場です。こちらも楽しみです。

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2018-07-09 夏の絵日記〜草とten shoesマスタリング

この日は草とten shoesアルバムミックスの最終確認マスタリング作業を行うため、エンジニア上野さんの自宅スタジオまで伺いました。

最寄り駅にあやと岩崎さんと3人で集まり、いざタクシーに乗ろうとするも結構行列が出来ており。しかもなかなかタクシーがやって来ない様子なのです。これはバスで行った方が早いぞとバス停を探すも場所がわからず、駅員さんに聞いてようやく目的バスに乗り込み、そこからしばらく揺られまして。初めて訪れる街をバスで走るというのは何だか旅気分になれて楽しいものです。ちょっとした遠足みたいなものです。

最寄りのバス停で降り、上野さんから電話で道順を聞いてその通り歩いたのですが、畑の広がる静かな郊外といった景色に、蝉の声、青い空に白い雲に照りつける暑い日差しが「ああ、もう夏本番やなあ」といった感じで、夏休みに親戚の家に遊びに行く雰囲気が満載でした。この日の絵日記にはきっとこの景色を描くのだろうなと思いつつ。(まあ絵日記を描く予定は今のところないのですが。)

そうしてようやく上野さんの自宅スタジオに到着しまして。「さっきの道順の説明でわかりました?」と上野さんに聞かれたので「すぐにわかりましたよ」と応えると、「あの説明で辿り着けないミュージシャンが1人だけいたんですよね〜」と言うので、「ちなみに誰ですか?」と聞くと「タカテツさんなんですけどね」とのことで。タカテツさんの面白伝説を思わぬところでまたひとつゲットしてしまいました。本人不在のところで。

そしてミックスの最終確認を行ったのですが、つい2日前に山田氏のライブで同じステージに立っていた2人がこの日はアーティストエンジニアとして同じ空間にいるのが何だか不思議な感じでしたね。そんな上野さんのミックスは素晴らしく、歌もサウンドも良い感じでまとまっており。流石なりと思った次第です。「猫にしか見えない色」というレゲエマナーな曲に関してはその場で細かくダブ処理などして貰いまして。ディレイのタイミングとか「トントントントンといった感じで」などと、上野さんと相談しながら決めて行きました。上野さんは「ならばこうしたら良いかもですね」とその都度的確なアドバイスをくれるのです。実に頼り甲斐があるのです。「この4小節楽器全部カットして、声に深いリバーブかけて下さい」など、時にはミックス編曲の一部になったりもするのですが、その際にも上野さんは「ならばこうしたら良いかもですね」と的確なアドバイスをくれるのです。実に頼り甲斐があるのです。(2回目。)

その後も各曲に於いてピアノの低音をちょっと増やして」とか「このアタック音をちょっと削って」とか細かい微調整を行い、何とか全体像が見えまして。無事マスタリングまで終えることが出来ました。あやも岩崎さんも「何トントントントンといった感じて?」と我々の謎のやり取りを見ていたのかもしれませんが、最終的には「素晴らしいのが出来た!」と手応えを感じているようでした。

今回一緒に仕事をして実感したのは何しろ上野さんの耳の良さですね。歌のテイク選びも的確でしたし。上野さんが録りもミックスも弱音でモニターしており、一切ヘッドフォンも使わないのでその理由を聞いたら「耳を保持したいので痛めないようにしてるんです」とのことで。上野さんに聞いたら若い人にしか聞こえないモスキート音が未だ聞こえるのだそうです。「この周波数の音聞こえます?」と試して貰ったのですが、全くの無音に聞こえて私はもう完全なるおじさんなのだなと実感した次第ですが。

上野さんの可愛い娘さんにも対面し(出産祝いに犬張子を贈りました)、メンバー一同、仕上がった草テンの音源を手にして上野さんの自宅を後にしました。また夏の郊外景色バス停まで歩き、「この道程タカテツさんは迷ったのか…」と思いながら帰路に着きました。郊外の道を迷うタカテツさんというのも不思議に絵になるのです。この日の絵日記を描くとしたらタカテツさんのことも記述するだろうなと思いました。本人不在のところで。

そんな草テンのアルバム10月に発売予定です。(何故ならもう10月20日レコ発の予定を入れてしまったからです。)ぜひリリースされた際には聴いていただきたい所存です。トントントントンといった感じで。f:id:fishingwithjohn:20180802212623j:image