映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2010-01-25 愛こそすべて、ですか…

gakus2010-01-25

 ヒュー・グラントサラ・ジェシカ・パーカーの共演……男の自分にはほとんど魅力を感じない共演が話題のラブコメディ『噂のモーガン夫妻』(3月公開)。期待値ゼロだったせいか、これが意外に楽しめた。

 ヒュー&サラがふんするのは、ヒューの浮気が原因で別居中の夫婦。夫は弁護士、妻はやり手の不動産業者というニューヨークのセレブ・カップルだ。そんな彼らが一緒に殺人事件を目撃してしまい、証人保護プログラムによって名を変え、ワイオミング州の田舎町に移住。地元の保安官夫婦(サム・エリオットとメアリー・スティンバーゲンのベテラン、どちらもイイ味出してます)の元に身を寄せ、ケータイもネットも使えない生活にいら立ちつつも、次第に愛情を甦らせていく。が、ニューヨークからやってきた殺人犯の魔の手は着実に彼らに近づいていた…。スノッブな都会人が人間性を取り戻すという展開はありきたりだが、人と人とのつながりを見つめた温かみは魅力。主演ふたりのお笑い演技も活きており、スノッブなキャラもさほどイヤミに思わない。

 個人的に何より惹かれたのは、やっばり音楽。妻とやり直したいヒューが浮気のことを素直に謝り、仲直りのきっかけをつかむシーンではジョージ・ハリスン”BETWEEN THE DEVIL AND THE DEEP BLUE SEA"で、まずオッと思う。ジョージの曲にしては比較的マイナーなところからのセレクト。”君のおかけでどうすることもできない”という詞はヒューの代弁でもある。さらにふたりが結婚式の時を思い出し、久しぶりにキスをするシーンではポール・マッカートニーの”DANCE TONIGHT"、エンドクレジットではスティーヴィー・ワンダーのカバーによる”WE CAN WORK IT OUT"と、ビートルズ関連のナンバーが続く。振り返ると、選曲に騙されたような気がしないでもないが、どんな手を使ってでも観客を気持ちよくさせてこそラブコメ、これはこれでアリ、ということにしておきたい。

 ジャケはGEORGE HARRISON、没後にリリースされた最後のオリジナル・アルバム『BRAINWASHED』。”BETWEEN THE DEVIL AND THE DEEP BLUE SEA"はこのアルバム中唯一のカバー曲。

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