Fate/stay night

 TYPE-MOONFate/stay night”はじめました。第1ルート[Fate, True End]まで進行。ここまでの所要時間、18時間30分。ううっ、こう、正確に時間が刻まれているのはヤだな。その間に仕事をしていたら、今頃は〜なんて思ってしまうから。
 さて、“Fate”が持つ物語構造の抽出を試みたところ、『新世紀エヴァンゲリオン』との類似性を指摘することが出来そうです。

能動的に戦う者
遠坂凛 / 惣流・アスカ・ラングレー
受動的に戦う者
衛宮士郎 / 碇シンジ
行動規範たる父
衛宮切嗣 / 碇ゲンドウ
繰り返したくない過去
10年前の聖杯戦争 / セカンドインパクト
人の手では不可侵だが操作可能な道具
英霊(サーヴァント) / 人造人間(エヴァ
道具を動かすための能力(逃げ出せない理由)
令呪 / シンクロ
絶対的かつ不可解な外敵
聖杯 / 使徒

遠坂凛に「チャーンス(にやり)」というセリフがぴったりなのは、髪型がツインテールだからだとか、ドイツ語を話すからだとか、見下したような目つきをしているから――といった外形的要素のせいではなく、物語上の役割分担が同じだからということなのでありましょう。たぶん。

Fate/stay night 通常版 Fate/Stay night 初回版
 物語の主題に観点を移します。『エヴァンゲリオン』においてアスカは、「降りかかる火の粉を払うのは当然じゃない」と述べて使徒と戦う理由を正当化しました。それに同意せず、戦う理由が欠落していながらも戦闘に身を投じるのが、碇シンジ。故に、エヴァに乗ることの意味を探すこと、すなわち自分探しがテーゼとなっていきます*1。対して衛宮士郎の方はというと、「戦うと決めた。それが理由」だとして蒸し返すことはしません。よって物語の主題は、内面の葛藤からは離れていきます。で、パートナーたるサーヴァントが少女(セイバー)であるのですから、恋心が芽生えてリビドーに転化し×××な展開に進んでいくのは当然ともいえるでしょう。

*1:そのあげくに辿り着いた結論の一が、第26話の「僕はここにいてもいいんだ」だったわけですが。