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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 報道、記録、文化のために

石井慧vs藤田和之が、大晦日格闘技の伝統を継続。世間(テレビ)は食いつくか?

詳細はこちらにて。

http://igf-123da.net/archives/1757879.html

孫引きもしておく

https://twitter.com/IGFSimonInoki

SimonInoki @IGFSimonInoki
みなさんおまたせしました。今日は大晦日イベントInoki Bom Ba Ye 2013 in 両国の会見。藤田vs石井選手のIGF title match(MMAです)猪木さんももちろん来ましたよ。
6:33 PM - 29 Oct 2013

石井選手のコメント (週プロより)

……この時期はゲガール・ムサシ選手と練習していますので、合流したいと思います。(藤田戦に向けた練習を?)ムサシ選手がゲームプランを考えてくれてるので向こうにいって考えます。
……(プロレスのベルトだが?)IGFのベルトなので。日本では賛否両論あるんですけど、海外では良い試合を組んでもらってると言われてますし、10月20日にはジェフ・モンソンにも勝ちましたので、このベルトは総合格闘技、格闘技全体のベルトと言っても大丈夫じゃないのかなと思いますね…
…(王座戴冠後はMMAルールでの防衛戦を考えている?)もちろんMMA

プロレスの王座がMMAマッチに賭けられる、それが変だという議論が尤もじゃないはずがないのだが「IGFだから」は魔法の言葉(笑)。
DREAMとの合体は今年はやっぱり無いと。これがさいたまでやれば収まりはよかったんだろうけど。このレベルの大会って、さいたまと両国ではどっちが収益がいいんだろうね。

さてこの試合、「地上波テレビ」は興味を持つか?

「大晦日にはファイティング」、というアントニオ猪木議員がそもそも火付けした伝統は、既にボクシングが大晦日にビッグマッチを決定したからたぶん続くことは確実。そこにIGGFの「石井慧vs藤田和之」は割り込めるか。
実のところ、みな忘れがちだけど、やっぱり大晦日のテレビって紅白歌合戦がめちゃくちゃ強いから、他局は「敗戦処理」的な発想があることも忘れちゃいけない。スポーツ興行の中継となると、これは興行主との駆け引き次第(へたすりゃあっちがカネを出す)なのだが、いったん決まっちゃえばある意味極端にいえば、工夫やアイデアは無意味であって、あとはその試合を流すだけだ。
テレビ東京さんは…年忘れにっぽんの歌の前後とか、二元中継とかできないでしょうか?
あとは結局、地でジ化けで実質ほとんどの家で見られるBSか…このまえと同じく、BSフジですかね。
そのへんどーなるか。

古代の剣は、剣と同じぐらい柄が長かった…なんで?(里中美智子「マンガ古典文学 古事記」より)

この前、図書館で里中美智子氏の「マンガ古典文学 古事記」を借りて読みました。

古事記 壱: 創業90周年企画 (マンガ古典文学シリーズ)

古事記 壱: 創業90周年企画 (マンガ古典文学シリーズ)

日本古典が親しみやすい形で甦る!第1弾!

日本古典文学の名作をベテラン漫画家が原典に沿ってビジュアル化する新シリーズ! 第1期として奈良・平安・鎌倉期の7作品10巻を刊行。各ベテラン漫画家ならではの漫画化で古典作品の魅力が倍増!読み応えと格調のある内容で、大人の古典鑑賞、入門に最適!
シリーズ第一弾として、昨年1300年紀を迎えた日本誕生ロマン『古事記』を、世界の神話・伝承を描いてきた里中満智子が、2巻立てで漫画化。その<壱>として、「この世の始まり」「天の岩屋戸」「八俣大蛇」「大穴牟遅」「根之堅州国」「大国主神」「国譲り」「天孫降臨」「木花之佐久夜毘売」「山幸彦と海幸彦」「豊玉毘売」「神武東征」「天皇誕生」「欠史八代」など収録。巻末寄稿/竹田恒泰

巻末寄稿(笑)。


はともかく。

自分は古事記を話のドラマチックさや、何より論理性や整合性という部分から見て、あんまり評価して無いというか興味が無い。才能ある新人の持ち込み原稿、みたいなイメージで。ただ、知っておきたいという意欲も無くは無いので、とりあえず目を通した、という感じ。
やっぱり話のところどころが、キン肉マンや男塾なみに整合性がなかった(笑)。
しかし、それをずっと言っててもしょうがない。

この作品では、ストーリーを何章か語ったあと、著者の里中氏がエッセイ的に語るマンガが挿入されています。実はそっちのほうが面白かった。

性と生のタブー、死と復活のタブーなどを背後にしめし、またギリシャ神話や南洋神話などとの比較も面白いイザナギイザナミの神話に関して……諸星大二郎が「暗黒神話」(だったかな?)や「ヒルコ」でさまざまに書いたね。

その話で、里中美智子氏はここに着目する。


「怒っていても おそれていても まず愛を告げる…いいなあ。」


このほか天孫降臨大国主のクニ譲り、土蜘蛛・・・などを、背後の史実(権力闘争)などを推測する史学的議論も含めて紹介していてそれぞれ面白いが、こんな議論がありました。


ふーん、つかが握りこぶし10個分ぐらいに長い剣ね……
やはり武器というものも進化の過程を辿っていくものだろうから、昔の剣は扱いにくく、その後の剣のほうが使いやすかったんだろう。
にしても、なんのためにそんなに柄が長かったのだろう?
素人考えでは、柄が長ければ「なぎなた」的に使えたんだろう、と思う。なぎなた最強説はいまだに幻想とともに語られる。また、ある意味では槍的に使える、という…。そういうことであったのかなあ。
こんなところにも興味を持つ里中氏はさすがベテラン。
奈良王朝や大和王朝の古代史マンガもたくさん書いているから、そういうところも着目するんだろうな。

「かつて日本のテレビは、中国を恐れダライ・ラマを画面に流さなかった」(高世仁)

高世仁の「諸悪莫作」日記
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20131029
報道ステーションでは、来日した際のラビア・カーディル氏(亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議」の総裁)のインタビューを流していた。ウイグル族への抑圧と民族消滅の危機を訴えている。ノーベル平和賞候補にもなっているそうだ。

この画面を見ながら、かつて日本のテレビは、中国当局の恫喝を怖れてダライ・ラマ法王を出すのも自粛していた時代があったなあ、とちょっと感慨に浸った。

20年前、他ならぬ私が、チベット問題がタブーであることを体験した。亡命チベット人コミュニティをインドで2週間取材したあげく、放送されずにお蔵入りになったのだ。

ジン・ネットを主宰する、テレビの現場にいる人の
実体験に基づく証言である。


1989年10月、ダライ・ラマ猊下ノーベル平和賞を受賞されたとき、こういう社説もでたんだっけ。

http://h.hatena.ne.jp/zyugem/9258657086975297487
(前略)・・・中国の反発は当然予想されたことであり、全世界がこぞって祝福する授賞にならなかったのは残念である。平和賞があまりに政治的になり、対立を助長することにもなりかねないことに違和感を持つ人も少なくない。平和のための賞が結果として、チベットの緊張を高めるおそれさえある。こんなことになれば、「平和賞」の名が泣こう。(中略)……ダライ・ラマ陣営にも望みたい。今度の受賞を機に、対決ではなく和解のために、流血ではなく和平のために、力を発揮することを。

天野祐吉氏の「遺言コラム」を、山形浩生氏の文章と読み比べる。

この前、コラムニスト天野祐吉氏が逝去された。中島らも氏「明るい悩み相談室」と一緒の曜日に掲載されたときは、読み比べて「……」と思うぐらいだった(まあ比べる相手が悪すぎる)、そんな非熱心な読者だったが、お悔やみ申し上げたい。

この人の「CM天気図」(最後から一つ前。最後のコラムではない)が、この前の日曜TBSの人気番組「サンデーモーニング」のコーナー「風を読む」で朗読の形で紹介された。
ほんとなら全部紹介したいのだが、もちろんそうもいかないので、全文は
http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201310080553.html

明治神宮外苑の国立競技場をぶっ壊して、8万人を収容する“世界一”の巨大な競技場をつくるんだそうで。かと思ったら“成長最優先”なんていう首相の言葉が、派手に新聞に躍ったりして。待てよ、この風景、どこかで見たことがあるぞと思ったら、そうだよ、50年ほど前の東京の空気にそっくりじゃないか。あのときは、オリンピック向けの工事で東京は騒音と粉塵だらけに……
(略)
…時代はあのときとすっかり変わっている。いまどき成長なんて無理があるんじゃないの?「“成長は善である”とはなんたる言い草か。私の子供たちが成長するのなら至極結構であろうが、この私がいま突然、成長し始めようものなら、それはもう悲劇である」と、経済学者のシューマッハーさんも言っている。成長から成熟へ…
(略)
……むかしの中国では、品評会などで……審査のモノサシでははかれないが、すぐれて個性的なものを「別品」と呼んで評価したという。

別品。いいねえ。世界で1位とか2位とか、何かにつけてそんな順位を競い合う野暮(やぼ)な国よりも、戦争も原発もない「別品」の国がいい……別品の国に8万人の競技場はいらない…

 
そしてやや古い文章ですが、ここにリンクを張る。

2006-11-03 経済成長の意味。
■経済成長は、ぼくたちの努力や成長の総和でしかない。
http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20061103/p1

もう経済成長はいらないとか、お金だけがだいじなのではない、とかを他人に対して(それはたとえば「日本は」とか「人々は」とか「先進国は」といった表現になることも多い)口走る連中は、みんな衣食足りているどころか飽食している人々だということ。そしてその人々が、そのだいじでないはずのお金を手放そうとしたりすることはおそらくほとんどないということ。
が、それより重要なこととして、そうした人々の多くは想像力が欠如していること。経済成長ってことの意味がまったく理解できていない。
ぼくたちが経済成長するということは、別にぼくたちがお金を貯め込むということではない……(後略)

あらためて、氏のご逝去をいたみます。