町で噂の末弘クオリティ / 『アレ国史』『しばちゅうさん』が面白い

4コマオブザイヤー募集開始しています。初日から20人以上の応募があり「良かったー」と思う反面「また地獄のようなコメント付けがはじまるのか…」と恐々しています。去年も60作品ぐらいにコメントつけて死にそうになりましたものねー。今年はそれを越える作品数になりそうな予感がしますよ。うう…。頑張ります。応援イラストください。


今回の記事は1ヶ月くらい前に準備していたものです。なかなか公開する機会がなくて加筆修正しての公開となりました。今回は三国志パロディでお馴染みの末弘先生の「超アレ国志」「しばちゅうさん」をご紹介…と、いうか末弘先生語り。


「アレ国志」とは?

『アレ国史』は三国志をなぞったパロディ4コマ漫画です。キャラクターが全員キワモノ(劉備ハイラルの王子、関羽は半裸でマッチョのオカマ、張飛はアル中等々…)という恐ろしい漫画。個人的には張飛が半裸のボディービルダーとして書かれている『SWEET三国志』と同じ立ち位置の作品だと思っていますが、本作品はSWEET以上に「アレ」な作品です。
『アレ国史』はつまるところ一発芸の集合体みたいな作品です。そもそも、作品の主人公が「とうたくさん」ですし、第1話だとダンスしてるだけで終わりますからね。当然、途中で死にますし。面白い作品ではありますが、やっぱりキワモノの印象は拭えない特殊な作品だと今も思います。キャラクター全員キワモノとかどうなのでしょう。
ただ、キワモノとパロディの嵐ではありますが、三国志を下地に「異なる解釈」で漫画を成立させてるのは凄まじい。こんだけ滅茶苦茶やっておいて収拾つけてるのは末弘クオリティと言わざるをえない。4コマでここまでバランス崩壊してるのは『ぱら☆いぞ』を除いて知りません。怖い物見たさで読んでください。

トラ●フォース持ってそうなリュウビ、お兄ちゃん萌えマッチョ弟カンウ、敵か味方か謎のヒゲ男チョウヒ。バショクいびり大好きなこーめーに、人材収集マニアのソウソウに、酔っ払い格闘家ソンけん。ソーセージ大好きゆるキャラのとうたくさんに、人中どころか地球外生命体なリョフ……。そんな全武将がアレな三国志4コマ。

そもそも公式でこの説明だからね!!(http://www.mediafactory.co.jp/c000051/archives/029/001/29100.html


「アレ国志」から「しばちゅうさん」へ
一方、末弘先生の新作「しばちゅうさん」は作者自身語っていることではありますが、アレ国志の尖り具合を払拭した作品になっています。末弘先生らしいギャグテイストは残しつつも、非常にナチュラルな読みやすい作品になっています。今年のベスト5には入る面白さ。

そもそも4コマとショートギャグという違いはありますが、非常に漫画の形になっています。パロディ色が薄く、真っ当な作品になっています。キャラクターの造形から一新されており、アレ国志では劉備ハイラルの王子でしたが、この作品ではデブのおっさんになっています。うん、人気でないね!まぁ、おまけ程度にしか出ないですけど。

全ての国、全ての英傑たちが成し遂げられなかった天下統一。それを果たした晋の国、その晋の礎を築いた人物。その名は司馬懿仲達。その男の物語。

あの孔明と肩を並べる天才軍師、司馬懿仲達の栄光の物語です。この物語で注目したいのは、働きたくないしばちゅうさんとか、ナンパをするしばちゅうさんとか、首が360度回るしばちゅうさんとか、シバ神とか呼んじゃうシバチュウさんの奥さんとか、鈍器を振り回す奥さんとか…。やったね、いつもの末弘ギャグ漫画だね!!
上記のように書くと「おいおい、どこが三国志だよ。」と思われるかもしれませんが、史実のエピソードや詩を引用するなど原作に忠実に作ってあります。7割…、いや、5割…、あ、いや4割ぐらいでお願いします。だって子建の詩は原文に忠実なのに曹丕の詩は「フルーツの国」の詩なんですもの! まぁ、ぶっちゃけ4割ぐらいって的を得てると思うんだ。
私は三国志というとそこまで詳しくなく、北方謙三版の三国志を読んだ程度のライトファンです。三国志横山光輝をはじめとした作品が沢山あるわけですけど、個人的には末弘先生ぐらい茶化してくれたほうが読みやすいと思います。私は入りやすさを重視して作品を読み始めるほうなのですよねー。
この作品は曹丕の四人の友の膨らまし方といい、末弘先生はギャグと史実の融合が非常に上手い作家さんだと思います。ただのギャグかと思いきや史実を上手く茶化してあったり。そのバランスが読みやすくて面白い。だから『しばちゅう』さんは名作ショートギャグだと思うのですよねー。普通に一般レベルでお薦めしたいレベルです。ナンパする司馬懿仲達が見れるのはしばちゅうさんだけ!!


さよなら「やさしい!!!地獄ゲーム先生」

末弘先生といえば三国志漫画のイメージが非常に強いですが、個人的にはゲームサイドで連載されていた『やさしい!!地獄ゲーム先生』のイメージだったりします。この漫画は地獄ゲーと呼ばれる洋ゲーをテーマにジェイソンマスクをつけた地獄先生とバイトである地獄子ちゃん(スク水着用)が暴れ回る愉快痛快コメディー漫画です。

いや、どんな漫画だよ…と思うような説明ですが。末弘先生らしい孤高無双なギャグ無双で「うわー、わけわかんねー!!」と思いつつめちゃくちゃ面白い漫画でした。残念ながら単行本化等されていないのでゲームサイドのバックナンバーでしか読む事ができないんですけど。まぁ、単行本化は到底無理なレベルに到達してる地獄漫画ですが。
思い返してみると、惜しまれつつ休刊したゲームサイドには「れげーさん」「ゆのみみっくす」「軸盆&ハーポのドメジャーハンター」と尖りつつ面白い漫画が多かったです。どの漫画も異常にマニアックなレベルですががが。だって、ドメジャーハンターなんて編集長の倒し方とか載ってる漫画でしたしね。今、ゲームサイドシューティングゲームサイドとして復活していますが漫画がないのが寂しい限り。漫画復活を求めたいところ。


今回はシンプルに更新。今年は何回更新できるか分かりませんが、4コマオブザイヤーよろしどうぞ。刮目せよ。