駆けぬける喜び(廃油→BDFで)〜 2011年度、菜種失敗 繰り返したくない過ち〜

発芽しないんです


 これは2011年4月上旬の我が畑です。菜の花の見頃は5月の連休頃〜となりますが、4月の上旬にこのような状態ではペースが遅すぎます。その後、あれこれリカバリー策(といっても蒔き直しですが)を行ったのですが、そもそも冬を越して春に芽吹く菜の花、雲行きがあやしくなってきていました。

 8月現在、10センチぐらいの情けないものがかろうじてちらほら出ておりますが、まあ、本来の成長サイクルから逸脱してしまっているので、もう無理でしょう。。。。。

 残念ながら、2011年度、収量0です。

原因と再発防止

 明らかに蒔き時が遅かったということでしょう。蒔くときの様子はここでアップいたしておりますが、家庭内に“抵抗勢力”がおりまして、労力のかからない収穫方法や脱穀などプロセスが不明だからやめろという父親とこの小規模の栽培方法を確立したいという私でモメて、なかなか蒔けずにいました。
 結果的にかなり蒔き時が遅れてしまっていたのだと思います。
 まあ、種の代金と労力を無駄にしても収量0になったのだから、父親としては収穫方法など気にする必要は全くないので、良い結果ということなのでしょうか。小規模の菜種の栽培・収穫ということに「失敗」すらしなかった、何も進歩の無いこの一年。原発事故後もどう思っているんでしょうかね。

 我が家だけなのかもしれないですが、既存の経済・流通・エネルギーのしくみの中で農業を位置づけて「農業はダメだダメだ」というだけのことの中に、ダメにならない方向への意味づけは何も生まれてこないんじゃないかな、と思います。少なくとも自分の家はエネルギーも食料も自立できる可能性があるということに、あまり農村の価値は見いだされていないのでしょう。

 適切な蒔き時にきちんと蒔くということが、何よりの再発防止策だと思います。繰り返したくない過ちです。

 余談になりますが、今年は関わりのあるNPOの方でも鹿などの食害にあって菜の花のイベントができない状況だったとききます。私とは別原因ではありますが、私の周囲でも菜の花は不調でした。

広島、長崎、終戦記念日原発事故

 「過ちはくりかえしません」というフレーズは最近のニュース番組で耳にするフレーズです。ポツダム宣言を一度蹴ったがために、その後の広島・長崎・シベリア抑留と拡大する必要のない犠牲が払われたということ、国民を守らなかった政府、あるいは自軍や自国民に対して自決を要求するという自国民の自国民に対する裏切りが大きな悲劇のひとつでした。もちろん、作戦でないような作戦にかり出され犠牲になった日本兵、原爆をはじめ戦災で犠牲となった民間人、兵器製造に動員されそこでの事故で無くなった民間人、間違った国家の方向性に対してNOと主張し思想犯として命を落とした民間人、また毒ガスなど日本軍の兵器・攻撃・侵攻で命を落とされた外国の方々、そのすべてがとてつもない悲劇だと思います。これは「神社の参拝の話」ではおさまらない重く深く悲しい悲劇です。
 もし犠牲にも序列をつけたがる人がいるとすれば、それは現代にも続いている悲劇です。今はもう亡くなりましたが、かつて南方から障害者となって戻ってきた親戚もそんなことは望んでいませんでした。

 さて、報道番組では、広島・長崎を経験した唯一の被爆国が原発事故によってまた被爆という状況にいたったということで、繰り返してはならない「被爆」が繰り返されたというような言い方をしているものもありました。

 でも、ボクはちょっと違うかな、と思います。

 繰り返されたのは「被爆」ではなく、「国家権力−国策−行政−(神風/安全)神話−原子力」という悲劇の要素の結合を66年かけて再び許してしまったということなんじゃないかなと思います。
 この66年は国民自らが選挙で国の方向性を決めることができました。既得権、権益、収入、生活水準の“損得”に還元された意思表示が結果的に何を招き、そしてこれからも何を背負って行かねばならないのか、「繰り返さないはず」の二回目の過ちに対して深く自覚すべきことなのだと思います。時の政権、時の首相の責任だけではなく、66年かけて投票行動で何を僕たちは選択してきたのかのひとつの結果がこの「過ちを繰り返した」ということではないのかな。「神話」を介在させそこに国策や国家権力をからめ行政によって推進しそれを支持してきた、それは結果的にあの時代の旧軍事政権と同じ構造を持って抑制なく走ってしまったということになるのではないでしょうか。ふとそう思いました。
 そして「どう生きるか」の選択ではなく「どうお得を勝ち得るか」という選択の総意の象徴は、あの長期政権でした。

再スタート

 誰だって博士課程を修了して仕事がないのはイヤですよ。中小企業より年収がそれ以上の大企業や研究教育機関の方が安定もしていていい。だからといって「国家権力−国策−行政−(神風/安全)神話−原子力」という要素を仕組みとして産学官連携で既得権化(村化)するのは、やはり危険だと思います。中には「中国の核実験の時の放射能レベルについては当時そんなに騒がなかったじゃないか!なんで今回は・・・」とTVのインタビューでおっしゃっておられた原発推進の祖といわれる人もいるようですが、ボクにできることは一票の投票行動と、太陽光とCo2と水でエントロピーを回収できるバイオディーゼルのような再生系エネルギーへの挑戦だけです。
 収量0にくじけず、頑張ります。

(追伸:広島は原爆ドームや資料館(被害)と「大久野島」(加害)の両方を訪れるのが歴史の理解に良いと個人的におもいます)

駆けぬける喜び(廃油→BDFで)〜 HIDと地震とエンジンスターター 〜

いかにも旧車っぽいディーゼル車は・・・

 いかにも旧車っぽいディーゼル車は・・・イヤだ、ということで車の仕様を今っぽく改修しました。
ちょうど寒さも少し緩み、花粉はまだ飛んでいない2月下旬から3月、その作業を決行。

 つまり、左右のライトのハイとフォグをキセノン化して、全てHIDランプになりました。

その日・・・

 作業も終盤のその日、勤務は休業、15時頃に台所でコーヒーを飲んで休憩していました。長めの
地震がありましたが、昔、広島の宮島の海で潮干狩り中に安芸灘地震震度5を経験した感覚からは
それよりも小さいと思いました(当時、帰宅した家の中は本や照明が落ちてぐちゃぐちゃでした)。
 夕方、予備の部品をディーラーに注文に行き、傍らにあったTVのニュースの映像を見て最初は外
国で津波があったのか?と思いましたが、これが日本の出来事だと知って大変驚きました。
 余震に原発事故、長野県北部の関連地震、短い間に甚大な被害の天災と事故が続きました。

教訓

 このコーナーでは、政治的な話や原発問題や対応についての直接の発言は行いませんが、TVに出てきて
大丈夫だ、問題ない」を繰り返していた専門家の多くはいわゆる「原発推進派」の人たちだったという
ことでもあるそうですし、過去の長期政権下で今回の事態に至った「原発政策・行政」を担ってきた政治
家や行政の責任者へ目が向かないのは不思議ですね。「意図」があるのが報道ですしね。。。。。。

 さて、プレート型の地震だけでなく日本全国、断層もあって、自分の今いるところも多かれ少なかれ
リスクがないと言えば嘘になるという不安を抱えています。氷点下10度ぐらいまで下がる冬を想定
して、少しずつ準備が必要かな、と最近思っています。ということでは、軽油バイオディーゼル燃料
で動くディーゼル機関は燃料の多様性という意味では魅力的だと思いました。車は「コ・ジェネ」の
要素を既にみたしている(発電、暖房、ラジエターでの水への加熱)ので、その意味での実験として
とらえても面白いかなと思います。もちろんオンディマンドで起動できないといけませんが、その辺は

エンジンスターターなるものを活用してみようと思います。DC12V→AC100V変換で制限容量を越えない
家電も使えることになります。


 自然界から浴びる放射線、「自然界」とはいっても過去の核実験なども含めて以前に環境中に漏れて
(放出して)しまったものも込みで僕たちは被爆していることになります。拡散・希釈能力に甘えてあと
何回の放出で地球に住めなくなるのか、という観点では、Co2問題も同じことではないでしょうか。
 自分で消費するエネルギーは自分の畑で作るという自立の意味を改めて考えた「地震」でもありました。

 チェルノブイリでは土壌の浄化に菜種が栽培されたという話も「報道」でやっておりました。油→バイオ
ディーゼル燃料には放射性物質は入らず、菜種の茎などもバイオガスに利用し後の廃棄物を放射能除去処理
する事例が紹介されていました。

 環境面だけでなく雇用や放射能除去という観点でも、食料生産は難しくなった耕作地で菜種などエネルギー
作物を栽培するということも、前向きに考えてもいいのではないかと思います。
 

駆けぬける喜び(廃油→BDFで)〜 菜種、収穫への道具 1 一応二輪車〜

二輪は二輪

単気筒OHV

ハンドルレバーはちょっと古いです。。。

その名は、三菱・・・・・あ き ば れ


刈り取り機ですが、ディーゼルというわけにはいかずガソリンエンジンです。
エンジンは載せ替えできるみたいですね。
稲作用を菜種へどこまで流用できるでしょうか?
三月ごろに中古で入手しました。

駆けぬける喜び(廃油→BDFで)〜菜種の収穫方法は?〜

蒔いたってことは、刈り取って収穫しなければならない!

 もし、実ればの話ですが、、、菜種を収穫しなければならないのは当然のこと。

 さて、どうやって?

 鎌での手刈りに足踏み脱穀?・・・・・無理です。

 農業機械の知識がほとんどないので、調べてみました。

先人の知恵は流石ですね☆

 ボクが知らないだけなのですが、稲作・麦・蕎麦・大豆用として便利な道具は既にあるようです。

稲麦用バインダー
 手押し車のような感じで前へ押して自動で刈り取られた作物が束になって出てくる機械


ハーベスタ
クローラー付きの自動脱穀機です。要は、脱穀機と唐箕、伝統を感じますな。

自脱コンバイン
バインダー+ハーベスタということらしい。稲作に特化されて開発されてきた機械


汎用(普通)コンバイン(コンバインハーベスタ)
大豆、麦、蕎麦といった作物に幅広く対応。かなり大型・高価ゆえに、どこでも使えるというわけではない。

 
■収穫方法
1)鎌で手刈り → 脱穀脱穀機、ハーベスタ
・・・無理です

2)稲麦用バインダー → 脱穀脱穀機、ハーベスタ
・・・一番現実的かもしれません。参考になりました

3)自脱コンバイン
・・・刈り取りと脱穀までが一度で済むというのは便利です。水稲用自脱コンバインを流用するには種を蒔く段階で策をとっておかないといけないみたい。

4)汎用(普通)コンバイン
・・・大規模化するのには必須ですが、当面は(ずっと?)不要です。エアコン、CDラジオ付き、新車で数百万〜1000万、中古でも200万。クローラー付きの巨大な車体は、でも、ステキですね;


 ということで、2)が有力な候補かなと思います。蕎麦、米、菜種で共通して使えそうなところもいいですね。3)も省力化という意味では気になりますので、検討していきます。もちろんディーゼルエンジン搭載車で!

駆けぬける喜び(廃油→BDFで)〜菜の花の種を蒔いてみました〜

自立?への第一歩? 菜種油が欲しい〜

 新年が明けました。 昨年は思いのほか、多くのみなさまに
ご覧頂き、ありがとうございました。

 地球環境問題、なんとかしたいけど、普通の会社員、何もできない自分がどこま
でできるのかな、ということもテーマに今年も自分の記録として時間があればまと
めていきたいと思います。

 さて、しばらくバタバタしておりまして、更新が遅れましたが、昨年晩秋のご報告です。

 バイオディーゼル燃料といえば、菜種油。新品の菜種油か廃食用油かはともかく、Co2
を固定化するそのプロセスに携わってみたい、味わってみたいと思いまして、菜の花の種ま
きをしました。
 搾油→油の生産までいけるかどうかは、ともかく、まいてみました。

これが菜種です

 キザキノホシ、という品種らしいです。
食用にするならこちらの方が良いということですが・・・
なんでもは心臓疾患に影響する成分が無いとかどーのこーのとか。。。
そもそも菜の花なんて古来食用に栽培してきたものですし、どの程度の影響度なんでしょうねぇ。

畑へ行ってみました

 とりあえず、うちの空いている畑へ。

種を蒔く人

 ならした畑の上へバラバラ蒔いてきました。2010年10月下旬のお話です。

すべてはコイツのため


 種まき〜ディーゼルエンジンRD28までがつながれば、我が家の燃料自立とエコが両立するはず?
 さよなら温暖化、さよなら石油富豪。 Co2を出さないことは富を石油資本に渡さないということで
もあるんだな〜、たぶん。

 ということで、本年もよろしくお願いいたします。

駆けぬける喜び(廃油→BDFで)〜蒸留精製の見学(その3)〜

出ました!☆☆☆

 すばらしい、透明感!!!!♪  顔も洗えるのではないかと思うぐらいきれいな感じです。

 蒸留の残沙です。蒸留しなければこれがエンジン内部に入っていくことになります。

この燃料は・・・

 動画でもご紹介しましたが、RD28日産ローレルでバイオディーゼル燃料100%で走った時はこの燃料を使用しました。詰まる、固まるといったトラブルとは無縁の品質だと思います。

 この燃料は、小田原市のゴミ回収車でも使用されているそうです。

 コモンレール式ディーゼルハイブリッド!、しかも湘南ナンバー(当然ですが;)、かっこいい!

 さすが、蒸留精製!排気ガスが天ぷら臭いなんていうことは全くないです(天ぷら臭いのは未反応の廃油が溶け込んでしまているからで、エンジンには良くありません)。

 このディーゼルハイブリッド車は導入時から無改造でB100走行しているそうですが、特に不具合なしだそうです。ほんと、スバラシイです。


 減圧蒸留というハードもスバラシイと思いますが、バイオディーゼル燃料の生産者・使用車・整備関係者の良好なコミュニケーション(行政含む)が、少なくとも私の身近には見られないことだなと、感心しました。小田原衛生グループさんの先進的な意識も感心いたしました。見学にもBDF購入にもこころよく応じてくださり、ありがとうございました(担当のOさん、感謝です!)。


 畑の菜種からできるバイオディーゼル燃料でこの直6ディーゼル・ローレルのHIDが灯る日を夢みつつ、蒸留精製の品質に驚いて帰ってきた見学なのでした〜 

駆けぬける喜び(廃油→BDFで)〜蒸留精製の見学(その2)〜

“小田原衛生グループ クリーンBDF工場”見学

 では、神奈川県小田原市バイオディーゼル燃料生産所“小田原衛生グループ クリーンBDF工場”の中を拝見させていただくことにしましょう!

材料の混合とグリセリンの分離

 メタノールと触媒をまぜます。

 これを廃油と反応させます。

 沈殿するグリセリンを下から抜きます。


 これで、いわゆる粗BDFができあがります。 

洗浄と濾過

 洗浄・濾過行程も自動化されていています。

 以前はここで出荷となっていたとのことです。
 でも、この状態でも使用車には特に問題はなかったそうです。
 結構、レベルが高いです。

蒸留精製

 さて、ここからさらに純粋なバイオディーゼル燃料(脂肪酸メチルエステル)を取り出すべく、
蒸留していきます。

 最後に0.1ミクロンフィルターを経て完成です。

 

 さて、どんな燃料が出てくるのでしょうか〜
 次回に続く(・・・画像の整理が間に合わなくてすみません。縦の写真は回転して
しまうようです。すみません。)