ねこまくら

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2016-12-29 (木)

[]近藤聡乃「はこにわ虫」

はこにわ虫

はこにわ虫

爪を切った瞬間にとりとめのない妄想のようなイメージが広がり、次の瞬間には忘れてしまう。そんなイメージの奔流をコマ割りした短編集

丸尾末広とか花輪和一を思わせる、ゆがんだ偏執的な絵柄なんだけど、薄気味悪さとか病的なイメージは無い。少女の意地悪そうな目つきや歪めた口元と、みっしりとまとわりつくようなデザイン処理された背景は、思春期のもっさりと重い自意識を示しているのかもしれない。それら一切が洗い流されたような、伸びやかな一本の線で描かれた、表紙の少女のイラストが、たまらなく気持ちが良い。切れ長の少しつり上がった目、ベタではなく丁寧な描線で描かれたおかっぱ頭の艶やかな黒髪、太すぎず細すぎない首筋がなだらかに肩から腕へとつながる。単純な線で描かれたワンピースの裾は風をはらみ、大きな布となってたなびいている。柔らかな線で描かれた腕や足が、確かな肉体の質量を感じさせる。魅力的な一本の線が引ける、というのは何より価値がある。

2016-12-28 (水)

[]響け!ユーフォニアム2 #13 はるさきエピローグ

最終回。全国大会が終わって、3年生は部活を引退する。新部長は古川優子、副部長は中川夏紀、お互い組み合わせに不満そうだけど、いいコンビだよ。

吹部で卒部会やって、後輩が3年生に贈る曲が「三日月の舞」。コンクールの曲なんだから一番練習した曲ではあるけど、逆に余興では弾けないよね。ハードル上げてきたと思ったけど、しっかり演奏して成長の証を見せました。一方で黄前久美子は、何か引っかかってモヤモヤしていました。ユーフォを吹きながらあすか先輩のことを思い出し、知らずにあすか先輩の音をなぞっていました。

そして、卒業式。式が終わってそれぞれ後輩と名残を惜しむ先輩たちの中に、田中あすかの姿は見当たりません。久美子はあすか先輩を探して学校中を駆け回ります。雪が舞い始める中、校門の手前で、一人先に帰ろうとしていたあすか先輩をつかまえて、久美子は思いの丈をぶつけたのです。

先輩が苦手でした、本心を見せずに上から物言う先輩が嫌いでした。でも、今は大好きです。先輩のユーフォを聴いていたい。先輩のように演奏したい、さよならなんて言いたくない、と。

あすかは、最後まで「可愛い後輩に対する先輩」の態度を崩しませんでした。ただ、大学ノートを1冊渡し、「またね」と笑って去って行きました。

ノートは彼女が父親からもらった、あすかが川岸で演奏したあの曲の譜面でした。そのタイトルは「響け!ユーフォニアム

なんでも出来て頼りになる、でも決して本心を見せない田中あすかの、他人を頼らず甘えを許さない厳しさに、黄前久美子は他人を拒絶する壁を感じていた。それでも久美子は、あすかの演奏に惹かれ、その孤高に惹かれていった。自宅に招かれ、川岸でユーフォを演奏してくれたとき、久美子はあすかの内面に触れたと感じた。だから、辞めないでくれ、と感情をぶつけることができた。あすかの復帰が、その結果だったのかどうかはよく分からない。あすかは最初から、模試の成績という実績で母親を説得するつもりだったのかもしれない。ただ久美子は、心が通じ合えたと思った。だから多分、あすかの態度が変化することを期待した。しかし、あすかは相変わらずのままで、久美子はモヤモヤしてしまったのだろう。

あすかはデレないんだ。でも、ユーフォを通じて、「響け!ユーフォニアム」の曲を通じて、心を通じあわせた時間は、確実に存在した。久美子はそれを確認して、呼びに来た高坂麗奈の下へと駆けていく。

2期冒頭のシーンに戻って、キレイに終わりました。すごい!いいシリーズでした。

2016-12-26 (月)

[]山岸涼子「レベレーションー啓示」

レベレーション(啓示)(2) (モーニング KC)

レベレーション(啓示)(2) (モーニング KC)

ジャンヌ・ダルクの話です。フランスの田舎で暮らす普通の娘が天啓を受けて救国の英雄となってくわけです。読むとどうしても「日出処の天子」と比べてしまいますね。主人公のタイプは正反対だし、方や仏教、かたやキリスト教的な超現実的な力が見え隠れするところは似てるけど、「日出処の天子」では神仏はあくまで人間とは異質な世界の理のイメージだったのに対して、「啓示」の神は人間に命じ従わせる神として描かれる。同時にジャンヌを庇護し祝福するんだけど、睨み付ける目だったり否応無しに命令する声だったり、ちょっとホラーっぽかったりもする。奇跡なんだか妄想なんだか曖昧ながら、だんだんジャンヌの周りでお膳立てが整ってく流れが興味深い。

2巻はジャンヌがついにフランス王太子に会見して、兵を託されるところまで。

レベレーション(啓示)(1) (モーニング KC)

ジャンヌ・ダルクといえば最近ではドリフターズで火を吹いて暴れまわってましたけど、そういえば安彦良和もジャンヌ・ダルク描いてたな。

ジャンヌ

ジャンヌ

2016-12-25 (日)

[]海野つなみ逃げるは恥だが役に立つ

逃げるは恥だが役に立つ(8) (KC KISS)

逃げるは恥だが役に立つ(8) (KC KISS)

ご存知今期大人気ドラマの原作、契約結婚から始まるラブコメディです。原作ってまだ終わってなかったんですね。はい、ドラマ終わってから原作一気読みして、今TBSオンデマンドでドラマを最初から見てます。どっちも面白いですが、とりあえずマンガの方。

恋愛関係が先にあって、その後に家事分担とか生活家政の諸問題が発生する、という順番を逆にしたら、シナジー効果でお仕事マンガと恋愛マンガが合体して新ジャンルになった、という感じ。女性マンガでお仕事モノだと恋愛絡むのが普通で、槇村さとるおいしい関係」とかその絡め方がサイコーで傑作だと思うんだけど、結婚生活を業務として捉えることで、新たな世界を切り開いたわけです。

主人公の妄想癖という設定で、恋愛感情から人間関係、いろいろ分析しまくりますが、派遣切りにあって職探しに苦労してる状況からグローバル経済の信仰による先進国内での格差拡大とか、社会問題にも及んで、これが生活者の視点ってやつでしょうか。メンドくさい高齢童貞の自意識の壁をいかに攻略するかみたいなラブコメと、主婦としての職業意識だの小規模な地域経済の活性化だのが同時並行して、それに日経BPだのプレジデントあたりのインタビューにありそうなエピソードが絡まってくる。それで全体をラブコメディとしてまとめ上げる、とかこういうの女性マンガというか、少女マンガのワザだなあ。青年マンガでこういうのできそうな人って、石川雅之とかゆうきまさみとか、かな。

登場キャラも高齢童貞、高齢処女、ゲイ、イケメン、バツイチ子持ちの元ヤンママとか、いろんなタイプが出てきて語りまくります。タイトルとは逆に、みんな逃げないよね。いや、逃げたりするんだけど、そのまま有耶無耶にしたりしないで、後から戻ってきて説明するし。むしろ「分析はウザいけど役に立つ」みたいな。

マンガは巧いと思うけど、正直絵は平板だしそれほどでもないです。女性マンガに多い気がするんだけど、少女マンガの華やかな絵から花とか星とか取り去るとこういう感じになるのかなあ。説明だの分析のところを、ドキュメンタリー番組のパロディにして見せたりとか、読ませる工夫が秀逸で、話の組み立てからキャラの配置から、構成がしっかりしてるからどんどん読ませます。だからマンガのテクニックは巧い。で、話が面白い、ここ大事。

逃げるは恥だが役に立つ コミック 1-7巻セット (KC KISS)

2016-12-24 (土)

[]ドリフターズ

オルテ帝国首都ヴェルナに侵入した黒王軍の先遣隊を激戦の結果壊滅させ、漂流者達は何とかクーデターを成功させたところで1期完。原作さえ揃えば続編作りますよとアピールして終わったけど、その原作ができるのがいつになるのやら。

原作通りのアニメ化で、面白さも原作の面白さだから、アニメとしては原作の良さをいかに損なわないかという消極的な評価になっちゃうなあ。同じ原作通りでも、「3月のライオン」だと原作の超再現というか、原作以上に原作通りというか、何言ってるかわからない感じだけど、そこまで突き抜けちゃうと積極的に評価するんだけど。でも、最終回の豊久vs土方は良かった。エルフの村のバトルあたりは少しテンポが悪い気もしてたけど、北壁脱出とか良かったし、対土方戦は土方の怨念が画面から溢れ出てくるような迫力で、アニメ化の甲斐があった。

しかしOP抜きの回が多いシリーズだった。まともにオープニング流したの何回だよ。

ちなみに今回ノブノブが言ってた「金ヶ崎」は、朝倉攻めの最中に浅井長政に裏切られて京都に逃げ帰った撤退戦のことですね。

2016-12-23 (金)

[]ふじた「ヲタクに恋は難しい

ヲタクに恋は難しい: 3 (comic POOL)

ヲタクに恋は難しい: 3 (comic POOL)

オタクカップルのラブコメ。ヒロインはオタクを隠して一般人のフリして職場に棲息してるが、そういえば「木根さんの一人でキネマ」もオタクを隠して一般人のふりしてる女性が主人公だったし、オタク女子ってやっぱそういうスキルが高いのかな。

げんしけん」は青春モノとして真正面から斬り込む感じだったけど、これはあくまでラブコメ。ゲーオタと腐女子カップルだけど、しかしげんしけんでもゲームオタクが最初から彼女持ち設定だったなあ。もしかしてゲームオタクってリア充率高いとか、そんなことってあるのか。つーか、カップルならカレシはゲーオタに設定しといた方が読者が受け入れやすいとか、なんかそんな流れでもあるのだろうか。考えすぎ?

ヲタクに恋は難しい (1)

ヲタクに恋は難しい (2)

2016-12-22 (木)

[]山田芳裕へうげもの

ちょうど大阪冬の陣と夏の陣の間の話です。「真田丸」と見比べるのも一興かと。同じ史実に基づく以上同じ話が出てくるけれど、随分違う話に料理してるよね。真田信繁はここでは端役の扱いで大野治長とかの方がよっぽど活躍してたりするし。何より「真田丸」は大阪方の混乱にウェイトをかけてたけど、こっちはむしろ新たな社会秩序を打ち立てようとする家康の意思にウェイトを置いた描き方になってる。

破調の芸術家であり武人でもあった古田織部の生涯を描くマンガなので、「数寄」であったり「侘び」であったり、「剽げ」といった感性が主題になってくる。そういう感性が人を動かし、時代を動かしていく史観が、面白い。人を動かし、治める上で「数寄の力を借りる」と行った表現が何度も出てくる。それに対して家康は儒教的な正義を以って天下を治めようとするわけだけれど、これまで歯牙にもかけなかった「数寄の力」の脅威を、ここで初めて身内に刻むことになる。そのきっかけが明智光秀ってのは、利休が光秀の辞世を聞いて自害を決意するエピソードとつなげてるんですね。

ちなみに、「へうげもの」の中で明智光秀の辞世の句ということになってる「月さびよ 明智が妻の咄せむ」は実は芭蕉の句ですね。ホントの辞世は、なんか漢詩です。