つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

日本でもそろそろ核武装論議が必要では

 昨日夜、BSフジのLiveプライムニュースが核兵器に対する日本の態度の問題をテーマにしていました。メインゲストは中谷元防衛大臣ケビン・メア元米国務省日本部長で、突っ込みの評論家として西部邁元東大教授が出ていました。西部氏の発言はいつも歯に衣着せぬもので小生は好きなのですが、昨日は特にうならせました。
 西部氏は「金正恩がせっかく過激な行動をして挑発しているのに、日本はなぜ積極的な(単独)防衛論が出てこない」「日本の若者がスマホで遊んでいるんだから、米国の青年が日本のために命を投げ出すわけがない」「石破茂氏は非核三原則のうち”持ち込ませない”を再考すべきだと言っているが、これも米国に頼ることを前提にした弱弱しい考え方だ」などと指摘していました。
 西部発言はいちいちごもっともです。報復力なく一方的に核兵器で脅されることはどんなにつらいことか。幸い日本は米国の核戦力の拡大抑止の中にあるので助かっていますが、現実の日本の世論では、核の傘すら不必要で、日本は国連の場で出ていた核兵器廃絶条約になぜ賛成しないのかという意見が幅をきかせています。
 まあ、国際政治の力学を知らないおめでたい人々には何も言っても始まらないのですが、理想論だけを語ることは国を限りなく危うくするということを少しは理解してほしい。国際政治には相手があり、その相手に戦力や侵略意志があることを忘れてはならない。こちらが平和環境を望んでも、危機はやってきます。
 われわれが「平和、平和だ」と叫んで何もしなければ、尖閣諸島が盗られ、東シナ海も盗られます。東シナ海はすべて自分のEEZ排他的経済水域)内であり、沖縄は日本の領土でないとさえ言っている国がある現実をもっと理解すべきです。また、危機は突然やってくるのでなく、サラミソーセージをスライスするように徐々にやってきます。スマホで暢気にポケモン探しなどやっている場合ではないのです。
 西部氏の日本独自防衛、核武装論に対し、中谷氏やメア氏は日米軍事同盟の強固さを強調し、日本に核武装の必要はないという杓子定規な反論をしていました。現自民党政権の防衛政策の中枢を担う人が核武装に触れるのは確かに難しい。ですが、西部氏の言うように、もっと北朝鮮の現実を見て、日本もそろそれ核アレルギーから脱した方がいいとは思います。中谷、メア両氏も本音ではそう思っていることでしょう。
 番組でも紹介されていましたが、北朝鮮核武装化を受けて、韓国世論でも6割程度の人が韓国の核武装化、核兵器開発を求めているそうな。核は最終兵器でより使いにくいという観点に立てば、互いの侵略を抑止するという点で核武装は一段と必要になっているのではないですか。核は使うのではなく、抑止力なのです。
 現実を見てください。米国はかつてリビアイラクを攻撃し、先日はシリア政府軍にも空爆をかけたのに、北朝鮮攻撃はためらっています。これは皮肉な言い方ですが、やはり北の核武装が一定の効果を上げている証左でしょう。残念なことに、金王朝体制は核武装で救われ、金家だけの楽園を謳歌しているように思います。

 上の写真は、先日、神田のある家の前で見かけたコスモス。都会にもきれいな花は咲きます。