毛皮族の社会派ピンキーバイオレンス『遺骨のトットさん、ドブに落ちる』@下北沢駅前劇場

今回は町田マリーさんと常連ゲストの澤田育子さん無しでの本公演。<第18回下北沢演劇祭参加作品>らしい。
最近の本多劇場での空席があったのに対して、今回は劇場にぎゅうぎゅう詰め。指定席に座るのが大変なぐらい。

巨額の金を横領した窓際族OL「トットさん」が、窓際の裏社会でのし上がり一世を築いた後で、ドブ川に転落するまでの錆びた一生を重厚かつへなへなピンキーに描く芳醇の新作。
毛皮族初期の野蛮なエロバイオレンス作風と近年気が向いた時にたまに描く硬派な社会派ミステリー風をドキドキドッキングさせて描き出す新シリーズ、その名も毛皮族の社会派ピンキーバイオレンス!!

前回の『おこめ』がいまいち何をやりたかったのかわからず、これから迷走していくのかと思いきや、また昔のスタイルでバカバカしくはちゃめちゃ。歌と踊りとパロディ(『白い巨塔』とか『デスパレートな妻たち』とか)。自分が好きな毛皮族に戻っていた。
冒頭に書いた2人がいなかった分、普段はあまりスポットの当たらないレギュラーメンバーもそれぞれ個性が出ていていい感じ。3人の新人さんも頑張っていた。江本純子さんの空回りっぽさもなんだか微笑ましく。
狭い劇場な分だけ舞台にも近く、ライブ感あり。お祭り公演。水しぶきや火薬の匂いや役者さんの香水の匂いにクラクラする。
やっぱりこの感覚は毛皮族でしか味わえないなぁと思う。
次回作は新宿シアタートップス。
 
(参考)『おこめ』の感想
http://d.hatena.ne.jp/hirorize/20071014
(参考)演劇キックプロデュース『天国と地獄』の感想
http://d.hatena.ne.jp/hirorize/20070415
(参考)第14回公演『脳みそぐちゃぐちゃ人間』の感想
http://d.hatena.ne.jp/hirorize/20060724
(参考)第13回公演『銭は君』の感想
http://d.hatena.ne.jp/hirorize/20050730
(参考)第12回公演『キル!キル!「お化けがでるぞ!!」』の感想
http://d.hatena.ne.jp/hirorize/20041205